【クロノスタシス/BUMP OF CHICKEN】歌詞の意味を考察、解釈する。

劇場版名探偵コナン「ハロウィンの花嫁」の主題歌

圧倒的カリスマ性から、長きにわたって支持を受け続けるBUMP OF CHICKEN。
デビューから数年の間、実力はありながらも若者を中心にコアな人気にとどまっていながらも、徐々にその魅力を開花。
今では幅広い層に愛される国民的バンドとなっている。

リリースした名曲は数知れず、ファンであれば競い合って名前を連ねられる程の実力派バンドであるBUMP OF CHICKENが、こちらも国民的アニメとなった名探偵コナンの劇場版映画の主題歌として作曲し、採用されたのが今作である。

そんな大作「クロノスタシス」について歌詞の解説を行っていく。

生きることの虚しさ

もう一度ドアを開けるまで

ノルマで生き延びただけのような今日を

読まない手紙みたいに重ねて

また部屋を出る

「ノルマ」という言葉は今までの人生を否定的に捉え表現している。
「もう一度ドアを開ける」まで、また明日も明後日もずっとそれが続いていく、という虚無感がうまく表されている。

手紙は読まれるために書かれるもの。
読まない手紙とは、存在価値のない、意味のないことの例えである。

明け方 多分夢を見ていた

思い出そうとはしなかった

懐かしさが足跡みたいに

証拠として残っていたから

懐かしさが足跡みたいに、という表現は前節の虚無感に比べるとポジティブな印象を受ける。
おそらく、見た夢というのは幸せを感じる夢であったに違いない。
ただ、それを思い出そうとはしなかった、と歌っているところに虚しさの表現がここにも顔を出している。

最後の「証拠として残っていた」

というフレーズはタイアップの名探偵コナンとの関係性も含めて配置された言葉であろう。

大通り

誰かの落とした約束が

跨がれていく (Ooh, ooh, ooh)

多くの人が歩み続けている場所という意味の「大通り」には、たくさんの「約束」が落ちている。
「落とした」とは大事なものやかけがえのない思い出や記憶をそこで失っていくということを表現している。

この街は居場所を隠している

仲間外れ達の行列

並んだままで待つ答えで

僕は僕を どう救える

この歌の主人公は冒頭より、人生に虚しさや脱力感を覚えている。
街=住む場所、には居場所が無い、みんなが並んでいる行列も全て自分は仲間外れであると述べている。

生きる意味や楽しみ、やりがいを失った「仲間外れ」の自分や同種の人々。

「行列」という人が並ぶ、集まるというポジティブなキーワードと対比して曲全体としては「悲しみ」が歌われていることが分かる。

止まってしまった秒針、そしてそれを忘れられない

飾られた古い絵画のように

秒針の止まった記憶の中

何回も聞いた 君の声が

しまっていた言葉を まだ探している

「飾られた古い絵画」=鑑賞されるだけでずっとその場においてあるという意味で過去を表しており、「秒針の止まった記憶の中」=遠い昔の記憶のことを指す。
つまり、主人公にはそうした思い出したくない過去があり、冒頭から続いているノルマの様な人生はその影響であることがわかる。

そしてそれは、「君」という対象との思い出であり、それをずっと引きずりながら、ずっと生きているということになる。

ちなみに、名探偵コナンの主人公の江戸川コナンも大切な人に秘密を隠しており、そういった面も含めての歌詞であろう。

ビルボードの上 雲の隙間に

小さな点滅を見送った

ここにいると教えるみたいに

遠くなって消えていった

この節では、記憶の中の自分の罪が、今も自分を少しずつ傷つけていることを表現している。
「ここにいると教える」というフレーズから、忘れられないということを表している。

不意を突かれて思い出す

些細な偶然だけ 鍵にして

どこか似たくしゃみ 聞いただとか

匂いがした その程度で

臆病で狡いから

忘れたふりをしなきゃ

逃げ出しそうで (Ooh, ooh, ooh)

ふとしたことで思い出してしまう記憶の痛み。
それを忘れたふりをしていなければ耐えられない。
「くしゃみ」という言葉一つで何気ない瞬間を表現しているのはさすがと言える。

隠された応援メッセージと救い

例えば未来 変えられるような

大それた力じゃなくていい

君のいない 世界の中で 息をする理由に応えたい

僕の奥 残ったひと欠片 時計にも消せなかったもの

枯れた喉を 振り絞って いつか君に伝えたいことがあるだろう

それっぽい台詞で誤魔化した 必要に応じて笑ったりした

拾わなかった瞬間ばかり どうしてこんなに

今更いちいち眩しい

そこまで大それた力でなくても構わない。
人生というものは、ただ今の瞬間を懸命に生きていればそれでいい。
生きていいのだという心を持ち、前向きになればそれでいい。
そういった救いをこのフレーズでは説いている。

この街は居場所を隠している 仲間外れ達の行列

並んだままで待つ答えで 僕は僕を どう救える

僕の奥 残ったひと欠片 時計にも消せなかったもの

枯れた喉を 振り絞って いつか君に伝えたいこと

失くしたくないものがあったよ 帰りたい場所だってあったよ

君のいない 世界の中で 君といた昨日に応えたい

飾られた古い絵画のように 秒針の止まった記憶の中

鮮明に繰り返す 君の声が 運んできた答えを まだ

しまっていた言葉を 今 探している

あの時に違う決断をしていれば、という経験は誰しもあるであろう。
しかし、それを悔いることも恥ずかしがることはない当たり前のことなのだ。
重要なのは、その失敗や思い出を無駄にしないように精一杯生きることにある。
本作は、決して後ろ向きな曲ではなく、前を向けない人々への応援メッセージを意図された曲なのである。

裏に隠された圧倒的な世界観

国民的アニメのタイアップということで、色眼鏡でみられがちではあるが、曲のタイトルの「クロノスタシス」とは時計の秒針が止まっているように見える現象のことで、本作の忘れがたい思い出を抱えて生きる者を表しており、その裏には深遠で作りこまれた世界観がある。

是非、その世界観を堪能してほしい。

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