【BUMP OF CHICKEN】藤原基央の名言を紹介。

「BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)」の楽曲の作詞作曲を手がけ、ギターボーカルを担当する藤原基央さんですが、その数々の名言は多くの人の心に残り、感動を生み出し続けてきました。
この名言は、バンプの20年以上の歴史で年代ごとの特色があり、当時の彼の心情が表れているとも言えます。

この記事では、そんな彼の名言を初期、中期、後期(現在)に分けて追っていきたいと思います。

初期(デビュー〜2000年代前半)

初期のバンプの楽曲は、若さゆえなのかロック調であるものが多く、「尖っているバンプ」と言われていたのもこの時期です。
今でこそ多くのメディアに登場するバンプですが、当時はインタビューを受ける機会も少なく、謎のベールに包まれたバンドでもありました。

そんな少ない情報の中から、初期の荒々しさを削り取ったような名言をご紹介します。

「ブラウン管の前で評価されたくねえから」

最近バンプのファンになった方は驚くかもしれませんが、この名言はとても有名です。
この言葉の経緯としては、初期から既に人気のあったバンプのチケットは倍率が高く、チケットを取れない人も続出。
それでもチケットを獲得して、生身の自分たちを見て欲しいという気持ちの表れです。

その理由と考えられるものとして、本名言よりずいぶん後にはなりますが、インタビューで次のように語られています。

「パソコンの前で聴いてくれてる人達は今どういう顔してんのかなっていうのはすごい不安です」
「僕らはやっぱり、現場で体感して欲しいっていうのがすごくあって」

「天体観測」でバンド名が一気に知れ渡ったと言われているバンプですが、当時の藤原さんは世間の注目を集めてしまった自分たちではなく、ライブの会場に足を運んで本来の自分達を見て判断して欲しかったのかもしれません。

「聴くのをサボんなよ。俺歌うから」

フェス等ではよくある光景ですが、お目当てのバンドではないバンドが演奏している最中では、しばしば注意が散漫だったり、マナーの悪い人だと携帯電話を見たり、人と話している人もいたりします。
この言葉はそういった人たちに向けられたものだと言われています。

藤原さんは「ガラスのブルース」で「僕はいつも精一杯歌を唄う」と綴っていますが、これは彼自身を歌ったものでもあり、一曲一曲と真摯に向き合い、力を出し尽くしていることがうかがえます。
そのため、リスナーにも熱い気持ちで歌を受け止めて欲しい、と考えているのかもしれませんね。

中期(2000年代後半〜2010年代前半)

初期こそ尖っていたバンプ、そして藤原さんではありましたが、数々のタイアップや転換期を迎え、その心情は変化していきました。
特に2010年台前半では古参ファンも驚くような歌詞が垣間見え、受け入れられるようになっていきました。

そんな時期の藤原さんの名言をご紹介していきます。

「ありがとうじゃ足りないけどありがとうしかない。悔しい」

これは「supernova」に登場する「本当のありがとうは ありがとうじゃ足りないんだ」という歌詞に起因する言葉であると考えられます。
この「supernova」に関連する歌詞といえば次の通りです。

一番眩しい あの星の名前は 僕しか知らない

プラネタリウム

これは藤原さんがライブ中に見た景観であるとも言われています。
ライブそのものを「星」として、その刹那的な輝かしさに重きを置いていると捉えることができますし、歌われるのが「supernova」です。
この曲はライブではアンコールを招く曲としてファンに歌われ、セットリストに組み込まれている時には「ラララ〜」の部分をファンに委ね、藤原さんはハモリパートを担当。
ファンとのコラボレーションも実現する、今やファンとバンプを繋ぐ重要な一曲であり、藤原さんのファンに対する感謝の詰まった曲でもあります。

ちなみに藤原さんはこの時期にリリースしたアルバム「orbital period」を引っ提げたツアーで「ありがとうをたくさん言っていた?」というインタビュアーのツッコミに対し、「バカみたいに言っていた(笑)」と答え、自覚しているとのこと。

「さよならとか別れとか、似たことしか歌わなくなってきたなあって。でも本能では、自分はそういうものを書いていくんだろうなってわかっていて」

藤原さんの歌詞は出会いよりも別れが感じられることで知られています。
例えば以下のような歌詞です。

これから先 ひとりきりでも うん、大丈夫 みんなはここで 見守っていて

バイバイサンキュー

出掛けるんだね それじゃここで見送るよ ついていけたら嬉しいんだけど 一人で行かなきゃね

涙のふるさと

君がいることを 寂しさから教えてもらった

グッドラック

消えない悲しみがあるなら 生き続ける意味だってあるだろう どうせいつか終わる旅を 僕と一緒に歌おう

HAPPY

このように人の美しく輝かしい瞬間というよりは、別れや終わりへと向かっていく過程を切り抜いています。
それは人の暗の部分と真っ向から向き合っており、だからこそ幅広い世代から驚異的な共感を得られているのかもしれません。

このように自分自身に焦点を当てたり、物語調であった歌詞は、いつしかリスナーに向けられたものも増え、藤原さんは「リスナーありきの自分達」という考えを全面に出してきたことがうかがえます。

後期〜現在(2010年代後半〜)

近年の日本では大きな災害が頻発していることに加え、インターネットを介した様々な問題が浮き彫りになり、心が疲れるといった精神的な不調をきたす人が増えました。
藤原さんは、自身の提供する楽曲を聴いているときだけでも「共生」を感じさせるメッセージを歌詞に込めていますし、そのことが感じられる名言を残されています。
実際に見ていきましょう。

「何十年先も俺たちの曲は君のそばにいる」

アルバム「aurora arc」を引っ提げて2019年に行われたツアーのMCで、藤原さんはそのような言葉を残しています。
これは、今の時代を生き、心が傷付きやすくなっているリスナーに対して何ができるか真剣に考えている彼だからこそ響く言葉だと思います。
藤原さんは、彼自身も認めているように「昔から変わっていない」です。
リスナーを温かく見守り、背中を押してくれるような言葉を歌詞にして、心に寄り添うような曲を発信し続けています。
例えば以下の楽曲で感じられますので、確認してみてくださいね。

少しでも そばに来れるかい?必ず見つけてやる

メロディーフラッグ

未来のあなたが笑ってないなら 歌い掛ける今に 気付いて欲しい

pinkie

迷子のままでも大丈夫 僕らはどこへでもいけると思う

記念撮影

わからないままでも側に 君の側に 一番近くに

ファイター

あの輝きを 君に会えたから見えた あの輝きを確かめにいこう

アカシア

「ベイビーアイラブユーだぜ!」

この「ベイビーアイラブユー」という歌詞は「新世界」に登場するものです。
「aurora arc」ツアーのステージは、なんとアイドル御用達の花道がセットされ、そこをメンバーが駆け巡りました。
さらに驚いたことに、「新世界」が始まると藤原さんのオンステージと化します。
彼はマイクを片手に花道を歩きながら同曲を歌い「ベイビーアイラブユーだぜ!」と会場のファンに向けて言い放ったのです。

藤原さんの名言を辿るにあたり、ここまで読み進めた方は目を疑ったかもしれません。
古くからのファンも大層驚いたことでしょう。
しかし、これが今の藤原さんであり、多くを受け入れ肯定しながら背中を押してくれる姿勢であると考えられます。

ちなみに彼は意識していたわけでもなく、自然に出てきた言葉を歌詞にした、とのこと。
シンプルで心に響く素敵な言葉ですよね。

まとめ

「BUMP OF CHICKEN」の藤原基央さんは、これまで数々の名言を残しており、多くの人々に影響を与えてきました。
その名言には起因する曲が存在している場合が多く、そういった曲を聴くことでより理解が深まります。

一貫して言えることは、彼は常に誰かに寄り添うような曲を生み出しているということです。
そのささやかさが藤原さんらしく、多くの共感を得ているのかもしれませんね。