「BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)」の13枚目のシングルである「花の名」は、映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」の主題歌となった曲です。
この曲は、バンプが山崎貴監督との繋がりができるきっかけとなった曲でもあります。
この記事では「花の名」の歌詞を考察していくとともに、この曲にまつわる話もご紹介していきます。
曲名「花の名」の花とは?
タイトルの「花の名」。
先入観無くこのタイトルを見た方であれば、どの花?と花の種類を考えるかもしれません。
花は一体何を指しているのでしょうか。
結論から言うと、花の名の「花」は、この曲を聞いた人それぞれに答えがあるため、明確な答えはありません。
これがどのような意味なのか是非考えていただきながら、歌詞考察をみていきましょう。
歌詞の考察①沢山の中の「ひとつ」と出会えた喜びを表現している
曲はとても静かなギターのリフから始まります。
簡単な事なのに どうして言えないんだろう
言えない事なのに どうして伝わるんだろう
一緒に見た空を忘れても 一緒にいた事は忘れない
この初めの歌詞から、藤原さんらしさが炸裂しています。
何とは明言していないものの、大切なものを指していることが分かります。
そのことが分かるのが次の歌詞です。
あなたが花なら 沢山のそれらと 変わりないのかもしれない
そこからひとつを 選んだ 僕だけに 歌える唄がある あなただけに 聴こえる唄がある
さて、ここまで読み進めた方の中には、花はリスナーの中に答えがあるという意味がお分かりいただけたのかもしれません。
そう、花とはその人にとって大切なものであり、それは人であったり物であったり音楽であるのかもしれませんが、そのかけがえのない大切なものが、あなたの傍にはあって、支えになっているというニュアンスを含んでいるのがこの曲です。
これらを踏まえて続きを見ていきましょう。
歌詞の考察②主人公と多くの人が重なる部分を歌っている
映画の主人公である茶川は、受賞を夢見る作家です。
苦節の中で、大切な存在が彼を支えていたということを、藤原さんは次のように切り取っています。
僕がここに在る事は あなたの在った証拠で
僕がここに置く唄は あなたと置いた証拠で
ただこれは、同じく苦節を味わってきた藤原さんやバンプのことを歌っているようにも思えます。
バンプは初期の頃から注目されてきましたが、その華々しさがあったからこそいくつもの苦悩や困難を味わってきたバンドでもあります。
そのため、茶川を支えた人々がいたように、彼らもリスナーという存在が在ったからこそ、「生きる力を借りたから 生きている内に返さなきゃ」という表現に続けたのではないでしょうか。
また、大切な存在に支えられているのは茶川やバンプだけでなく、誰にでも当てはまる事です。
この曲で歌われていることは、聴いている人全てに当てはまるため、多くの人は藤原さんの歌詞に共感を覚えるのでしょう。
歌詞の考察③辛い時に背中を押してくれる
茶川はもちろん、私たちは生きていく際には一人で頑張っていかなくてはならない時があります。
そんな時に背中を押してくれるのが次の歌詞です。
いつか 涙や笑顔を 忘れた時だけ 思い出して下さい
迷わずひとつを 選んだ あなただけに 歌える唄がある 僕だけに 聴こえる唄がある
これは恐らく藤原さんが多くの人に伝えたいことです。
人生において、辛いことの方が多いと言われている昨今。
それでも手を引いてくれたり、背中を押してくれるような曲を届けようと、彼はこの歌詞を綴ったと思われます。
それが藤原さんなりの「あなただけに歌える唄」であり、感謝なのでしょう。
「花の名」にまつわる話①バンプと深い繋がりにある山崎貴監督
「花の名」を皮切りに、ALWAYSシリーズの山崎貴監督とバンプは度々タッグを組むことになります。
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」の続編にあたる「ALWAYS 三丁目の夕日’64」の主題歌には「グッドラック」が、映画「寄生獣」の前編には「パレード」、完結編には「コロニー」が使用されました。
山崎監督はバンプとの仕事について、「無茶振りをされる、具体的には話してくれない、だから面白い」という風に語っており、彼らの世界観に賛美を示している人物の一人でもあります。
「涙のふるさと」のMVや2014年に行われたライブツアー「WILLPOLIS」のオープニングムービーを手がけるなど、バンプを知る上では欠かせない人物となっています。
「花の名」にまつわる話②東京を歌った「東京讃歌」
「花の名」のカップリング曲である「東京讃歌」は、その名の通り東京という街について歌われた曲です。
華やかなイメージのある大都市ではありますが、藤原さんは「嘘が多い」「冷たい」「星が見えない」「勝手に選ばれて 勝手に嫌われた」等のように皮肉も交えて表現しています。
ただ、そう思ってしまうのは「上手くいかない事の腹いせだろう」とも。
とても考えさせられる歌詞ですよね。
ALWAYSシリーズは東京が舞台となっていますが、この曲を聞くことで見方も変わってくるかもしれません。
気になった方はチェックしてみてくださいね。
まとめ
「花の名」の「花」とは、多くの人の中にある大切なものを示しており、それらが自身を支えてくれているということの大切さを気付かされる曲です。
また、バンプのMVやライブ映像を手がける山崎監督との繋がりができた曲でもあります。
この曲を聴く際にはそういったエピソードを踏まえながら聴いてみてくださいね。