【Pretender/Official髭男dism】歌詞の意味を考察、解釈する。

ヒゲダンの愛称でお馴染みのOfficial髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)の代表曲と言えば「Pretender(プリテンダー)」ですよね。

2019年5月15日に発売されたこの曲は、2019年を代表する曲となったばかりか、カラオケの定番ソングとしてこれからも長年愛され続けるであろう名曲となっています。

ストリーミングチャートの「Billboard Japan」では、34週連続で1位を獲得しましたし、YouTubeでのMV再生数は驚異の3.4億回超えを誇っています。

今回は、そんなOfficial髭男dismの代表曲「Pretender」の歌詞の意味について考察、解釈していきたいと思います。

「Pretender」の歌詞の意味について考察、解釈

それでは、さっそく歌詞の考察、解釈をしていきましょう。

ちなみに、「Pretender」とは「偽りの見せかけをする人」「ふりをする人」という意味です。

このタイトルの意味を踏まえながら聴くと、非常に内容も分かりやすいかと思います。

Aメロ、Bメロ

君とのラブストーリー
それは予想通り
いざ始まればひとり芝居だ
ずっとそばにいたって
結局ただの観客だ

感情のないアイムソーリー
それはいつも通り
慣れてしまえば悪くはないけど
君とのロマンスは人生柄
続きはしないことを知った

この曲の歌詞はいきなり「恋の終わり」を予感させる始まりなので、あたまから非常に強い印象を受けます。

「それは予想通り」というフレーズから、恋が始まる前から本気になる可能性がほとんどないことが分かります。

恋愛をしている張本人であるはずの2人は、まるで「観客」のように恋に没頭することができないという内容となっています。

そしてBメロでは、「感情のないアイムソーリー」が「いつも通り」であることを示します。

これは、まさに本気で恋をしていないことを証明しています。

「慣れてしまえば悪くはないけど」という歌詞では、諦めにも似た主人公の気持ちが表されています。

そして、「続きはしないことを知った」という部分では、この恋が近い将来終わりを迎えることを暗示しています。

Cメロ

もっと違う設定で もっと違う関係で
出会える世界線 選べたらよかった
もっと違う性格で もっと違う価値観で
愛を伝えられたらいいな そう願っても無駄だから

Cメロでは、違う出会い方をしていればもしかしたら「燃えるような恋をする可能性もあったのかな」と思う主人公の心情が現れています。

しかし、現実には起こりえないということも理解していて、確実に終わりが来るということも受け入れていることがわかります。

1番サビ

グッバイ
君の運命のヒトは僕じゃない
辛いけど否めない でも離れ難いのさ
その髪に触れただけで 痛いや いやでも
甘いな いやいや
グッバイ
それじゃ僕にとって君は何?
答えは分からない 分かりたくもないのさ
たったひとつ確かなことがあるとするのならば
「君は綺麗だ」

サビの冒頭では、別れを強く決意する主人公の「グッバイ」という心情がガツンと聴く者に伝わります。

「君」にとって「僕」が運命の人ではないということだけは理解していて、「別れ」を選択するしかないことを主人公は理解しています。

それが分かっているにもかかわらず、なかなか実際に別れを実行に移すことができないでいます。

「それじゃ僕にとって君は何?」と自問自答しますが、おそらくどこかで「僕にとっての運命の人」だと思っていたはずです。

ただ、その気持ちは君の態度を見ることで揺らぎ、「運命の人ではないのかも」と思い直す(思い込もうとしている)のです。

様々な感情が入り混じる中、それでも1つだけ確かなことは、「君は綺麗だ」という事実。

お互いの想いとは裏腹に「君という存在は綺麗」であると表現することで、切なさを倍増させている素晴らしい表現となっています。

2番Bメロ

誰かが偉そうに
語る恋愛の論理
何ひとつとしてピンとこなくて
飛行機の窓から見下ろした
知らない街の夜景みたいだ

この複雑な恋愛感情は、どんな恋愛の論理にも当てはまらないと実感しています。

そのピンとこない心情を「知らない街の夜景」に例えるあたりがボーカルの藤原さんのセンスの良さだと言えるでしょう。

2番Cメロ

もっと違う設定で もっと違う関係で
出会える世界線 選べたらよかった
いたって純な心で 叶った恋を抱きしめて
「好きだ」とか無責任に言えたらいいな
そう願っても虚しいのさ

ここで1番のCメロと同じく「世界線」という言葉を持ってくることで、リスナーにその言葉を強く印象付けています。

実際に若者の間では、「世界線が違う」というような使われ方が流行ったりもしました。

2番サビ

グッバイ
繋いだ手の向こうにエンドライン
引き伸ばすたびに 疼きだす未来には
君はいない その事実に Cry…
そりゃ苦しいよな

「エンドライン=恋の終わり」をズルズルと引き延ばし、そのたびに未来を考えてみても、やはり君との未来は思い描けない。

どうあがいても抗えない「終わり」に苦しむ主人公の心情が伺えます。

ラスサビ

グッバイ
君の運命のヒトは僕じゃない
辛いけど否めない でも離れ難いのさ
その髪に触れただけで 痛いや いやでも 甘いな いやいや
グッバイ
それじゃ僕にとって君は何?
答えは分からない 分かりたくもないのさ
たったひとつ確かなことがあるとするのならば
「君は綺麗だ」

それもこれもロマンスの定めなら 悪くないよな
永遠も約束もないけれど
「とても綺麗だ」

ラスサビは1番のサビを繰り返します。

「グッバイ」「運命の人じゃない」「君は綺麗だ」

こういった印象深いフレーズをサビにして、盛り上がるラスサビで再度歌うことで、誰もが「Pretender」という曲をすぐに思い出せるようになっています。

「好き」と「終わり」に揺れ動く心情を切なく表現している最高の歌詞だと言えるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、Official髭男dismの代表曲「Pretender」の歌詞の意味について考察、解釈してきました。

そのタイトルの意味通り、切ない歌詞の内容となっていることがお分かりいただけたかと思います。

キャッチャーなメロディーもさることながら、藤原さんのフレーズチョイスの上手さが非常に際立つ曲となっているように思えます。

「歌詞はあまり気にしていなかった」という人は、ぜひ一度曲を聴きながら歌詞を噛みしめてみてはいかがでしょうか?