【地球儀/米津玄師】歌詞の意味を考察、解釈する。

今回おすすめしたい楽曲は、米津玄師さんの「地球儀」です。

この歌の歌詞の意味を考察し、歌が伝えたいメッセージの本質をお伝えします。

映画「君たちはどう生きるか」の主題歌

2009年に「ハチ」の名で音楽クリエイターとしてデビューし、その後2012年から本名での音楽活動を本格的にスタートさせた日本の男性シンガーソングライター「米津玄師」。

今回お伝えする楽曲は、2023年7月14日に全国公開されたスタジオジブリの宮崎駿監督の10年ぶりの新作映画『君たちはどう生きるか』の主題歌として書き下ろされたものです。

米津さんは、この楽曲について「自分が今まで宮崎さんから受け取ったものを返すような形で作った」とコメントしています。
また、歌詞には「地球儀」を回すことで、世界中を旅するような気持ちになれるという意味を込めたと語られています。

楽曲の主旋律は、ピアノが奏でるメロディーで、先導師のようなイメージを感じさせます。
過去を受け止め、今と向き合い、光が射す未来へと心を導いていく…そんな印象を与えます。

この楽曲は、これまでの人生で経験した「出会いと別れ」や「命の尊さ」、そして故郷を離れて新しい場所で奮闘しながら生きる日々の中で思い出す「故郷」の姿などを想起させるようなメロディーラインになっていると筆者は考えます。

彼は「地球儀」というタイトルに何を込めたのか

僕が生まれた日の空は 高く遠く晴れ渡っていた

行っておいでと背中を撫でる 声を聞いたあの日

季節の中ですれ違い 時に人を傷つけながら

光に触れて影を伸ばして 更に空は遠く

風を受け走り出す 瓦礫を越えていく

この道の行く先に 誰かが待っている

光さす夢を見る いつの日も

扉を今開け放つ 秘密を暴くように

飽き足らず思い馳せる 地球儀を回すように

僕が愛したあの人は 誰の知らないところへ行った

あの日のままの優しい笑顔で 今もどこか遠く

雨を受け歌い出す 人目も構わず

この道が続くのは 続けと願ったから

また出会う夢を見る いつまでも

一欠片握り込んだ 秘密を忘れぬように

最後まで思い馳せる 地球儀を回すように

小さな自分の 正しい願いから始まるもの

ひとつ寂しさを抱え 僕は道を曲がる

風を受け走り出す 瓦礫を越えていく

この道の行く先に 誰かが待っている

光さす夢を見る いつの日も

扉を今開け放つ 秘密を暴くように

手が触れ合う喜びも 手放した悲しみも

飽き足らず描いていく 地球儀を回すように

「地球儀」というタイトルから考察を進めてみます。

地球儀は、地球上に存在する大陸や海、さまざまな国が描かれており、回すことであたかも「世界一周」をしたような気分になります。
世界には200以上の国と地域があり、約77億の人々が生活していると考えると、その壮大な広がりは計り知れませんね。

人々の間には政治や宗教、人種など、さまざまな違いがありますが、皆が「この地球に生きる唯一無二の存在」であるという事実は確かであり、変えることのできない真実です。

そう考えると、映画のタイトルにある「君たちはどう生きるか」という問いかけは、私たち個人に対しての問いかけであり、楽曲「地球儀」の世界観を考えると、この問いかけは地球上のすべての人々へ向けられたものになるのではないでしょうか。