【テレパス/ヨルシカ】歌詞の意味を考察、解釈する。

ヨルシカは2023年1月12日にデジタルシングル「テレパス」をデジタルリリースしました。
この楽曲は、人気TVアニメ「大雪海のカイナ」のオープニングテーマとして使用されました。
そして、続いて2月1日には「テレパス」のミュージックビデオが公開されました。
歌詞はn-bunaが手がけ、その深層の意味を探求してみましょう。

感情の共有

「どう言えばいいんだろうか
例えば雪化粧みたいな
そう白く降ってるんだ」
「寂しさ?それを言いたかったのね」
「そう言えばいいんだろうか
溢れた塩の瓶みたいで」

歌詞中のフレーズは、会話のような調子で綴られています。
例えば、「例えば雪化粧みたいな そう白く降っているんだ」という表現には、美しい雪景色が広がっている中で感じる「寂しさ」が込められています。

また、「溢れた塩の瓶みたいで」の一節も、塩の味がしょっぱいことを連想させ、涙が苦しい感情を表していることを暗示しています。
これは、涙があふれるような切ない感情を描写しています。

歌詞の中で「寂しいと感じたんだ」とはっきりと言葉にはしないまま、「寂しさ?」と問いかける形で相手に伝える部分は、まるでテレパシーのようなコミュニケーションを描写しています。

この歌詞は、言葉だけでなく、表現や感情を通じて共感や理解を伝える力について考えさせられます。
言葉にできない感情も、適切な表現を通じて相手に伝えることで、感情の共有が可能になるのかもしれません。

想像力で、世界を変えることができる

想像で世界を変えて
お願い、一つでいいから
もう一瞬だけ歌って
メロディも無くていいから
寂しさでもいいから

歌詞には再び「寂しさ」が登場し、「寂しさでもいいから」という一節が歌われています。
この部分は、冒頭で「例えば雪化粧みたいな そう白く降っているんだ」と表現された状況において、相手に対して感情の核心が「寂しさ」であっても、その感情を共有してほしい、表現してほしいという願いが込められているようです。

音楽や文章、絵などの表現を通じて、他人の感情に共感し、同じ感情を抱いていることを認識することで、安心感や癒しを感じることがあります。
この経験は多くの人にとって共通しているでしょう。

歌詞の主人公は、まるでテレパシーのように感情が相手に伝わり、その共感によって生まれる安心感や癒しを求めているようにも思えます。

この観点から、「想像で世界を変えて」という歌詞には、作品を通じて想像力を働かせることで、寂しい世界も心地よいものに変えることができるというメッセージが込められているのかもしれません。

言葉に頼らなくても伝わることがある

歌詞中の「想像で世界を変えて」というフレーズには、別の視点で「創造で世界を変えて」という解釈も可能です。
感情を表現し、その表現から創造された作品は、共感を呼び起こし、鑑賞者だけでなくアーティスト自身の世界観にも変化をもたらすかもしれません。

このように、感情を創造的な表現として具現化することで、他人からの共感を引き出し、それによってアーティストの見解や感情の捉え方も変わる可能性があるのです。
これは、創造的な表現が鑑賞者とアーティストの間で繋がりを生み出し、新たな視点や理解をもたらす力を持っていることを示しています。

「そう、僕だけ違うんだ
鞄に何か無いみたいで
もう歩きたくないんだ」

「僕だけ違うんだ」という感情は、他人との共感が少ない状況から生まれるものかもしれません。
「もう歩きたくないんだ」という弱気な告白に続いて、以下の歌詞が続きます。

想像して、自分に触れて
貴方を少しでいいから
もう一回だけ愛して
何も言わないでいいから
想像で世界を変えて

内面と向き合うことで、自身の感情と共感し、その感情を表現することで他人からの共感を引き出す。
このようにして、自分自身との深いつながりを築き、触れ合う経験を通じて、自己愛を育む大切さが伝わるように思えます。

お願い、一つでいいから
もう一瞬だけ歌って
メロディも無くていいから
言葉も無くていいから
どう言えばいいんだろうね
例えば、
ね?言わなくたっていいの

最後の部分で歌われる「ね?言わなくたっていいの」という歌詞には、力強さと同時に優しさが感じられます。
言葉に頼らなくても伝わることがあることを考えると、心が軽やかになるような気がします。