L’Arc~en~Ciel『CHASE』歌詞の意味を徹底考察|鬼ごっこメタファーと映画主題歌の深層

1. 歌詞全体の和訳と基本テーマ解説

「CHASE」は、L’Arc~en~Cielが2011年にリリースした楽曲で、スピード感あるロックサウンドとともに、追いかけるという行動を通じて内面の葛藤や希望を描いています。タイトルの“CHASE(追跡)”が象徴する通り、歌詞全体は「何かを求めて走り続ける自分」の姿が浮かび上がります。

和訳を通して見ると、そこには単なる物理的な追跡ではなく、「理想」「自由」「真実」といった抽象的なものを追い求める苦しみや迷いが描かれており、聴く者に自らの生き方を問いかける内容になっています。


2. 英語フレーズ(Calling the fallen angel/Rolling on cold asphalt 等)の読み方・和訳

「CHASE」の歌詞には印象的な英語フレーズが複数登場します。たとえば、冒頭の「Calling the fallen angel」は「堕ちた天使を呼んでいる」と訳すことができ、どこか救いを求めるような切実な響きを持ちます。また「Rolling on cold asphalt(冷たいアスファルトの上を転がる)」という表現からは、無力感や現実の冷たさが伝わってきます。

これらの英語表現は、日本語部分とコントラストをなすことで、楽曲全体によりドラマチックな印象を与えており、英語の音の響きも楽曲のエネルギーに貢献しています。


3. “Now let’s play tag!” と “onigokko” の鬼ごっこメタファー分析

サビ前に登場する「Now let’s play tag!」は「さあ、鬼ごっこをしよう!」という呼びかけであり、続く歌詞で「onigokko」という日本語表現もそのまま用いられています。これは単なる遊びの描写ではなく、「追う者」と「追われる者」という関係性を暗示しており、楽曲全体の「CHASE=追いかける」というテーマを象徴する重要なメタファーとなっています。

この鬼ごっこは、恋愛、理想、自分自身など、何を追っているのかは明確にはされておらず、リスナーによって多様に解釈する余地があります。まさにL’Arc~en~Cielらしい、詩的で含みのある表現です。


4. 映画「ワイルド7」主題歌としての背景と歌詞とのリンク

「CHASE」は映画『ワイルド7』の主題歌として制作されました。この映画は、警察に代わって悪を裁く元犯罪者たちの活躍を描いたアクション作品であり、「正義とは何か」「誰が敵で誰が味方か」という問いが作品を貫いています。

この背景を踏まえると、「CHASE」の歌詞に込められた“追いかける”という行為は、単なる希望の象徴だけでなく、「正義の実現」や「自分の信念を貫く強さ」も意味していることがわかります。楽曲のエネルギッシュなサウンドと相まって、映画の世界観と見事に調和した主題歌となっています。


5. サウンド面・構成視点から歌詞に込められた“疾走感”の演出

「CHASE」はサウンド面でも高い完成度を誇り、電子音とロックの融合により、近未来的でありながらも人間味のある世界観を作り上げています。疾走感のあるドラムビートや鋭いギターリフが「追いかける」というテーマにぴったりで、歌詞の内容をより一層強く印象づけています。

また、サビへの展開やブリッジ部分では一時的にテンポが緩やかになることで、感情の起伏や内面の葛藤がより際立ちます。このように、構成と歌詞が密接に連動することで、単なるロックソングではない深みのある作品に仕上がっています。


🔑 総まとめ:CHASEの核心にある「自分を貫く強さ」

「CHASE」は、追いかけるという単純な行動に、複雑な人間の感情や社会との関係性を織り込んだ楽曲です。和訳や英語表現の分析、メタファーや映画との関係を通じて見えてくるのは、「何を信じ、何のために走るのか」という普遍的な問い。

この楽曲を通してL’Arc~en~Cielは、リスナーそれぞれが“自分自身のCHASE”を見つけてほしいというメッセージを届けているのかもしれません。