【慕情/サザンオールスターズ】歌詞の意味を考察、解釈する。

「慕情」は、サザンオールスターズの曲の中でも私のお気に入りです。
非常に好きです。
知らない人もいるかもしれませんね。
なぜなら、この曲は30年以上前のアルバムに収録されていて、シングルとしてはリリースされていないからです。
ただし、ファンの中では、これを名曲と考える人も多いでしょう。
一方で、30年以上が経過していることに驚く人もいるでしょう。

この曲は「世に万葉の花が咲くなり」というアルバムに収録されており、繊細なラブバラードとして魅力的です。
ゆっくりとしたリズムと寂しさを感じさせる心地よいメロディが特徴で、歌詞も深い静けさと美しさを持っています。
この曲は、まるで深い海に浮かぶかのような感覚を味わわせてくれます。

「慕情」という曲、そして桑田佳祐氏の楽曲には、「情」という言葉が頻繁に登場します。
この単語は音としても魅力的であり、またしばしば曲のテーマとして「やりきれなさ」や後悔、悲しみなどの感情を表現するために使用されることが多いです。
この「情」は、桑田氏の独自の音楽世界を的確に象徴するキーワードの一つと言えるでしょう。

「慕情」という曲では、歌詞の中で「慕情」と「無情」という二つの「情」が織り交ぜられており、その結果、深いブルーの情感が表現されています。
この曲は、まさに「ブルーな桑田佳祐」の魅力が凝縮されたものと言えるでしょう。

また、この曲には「むせぶ」というあまり一般的でない言葉も登場します。
調べてみると、「むせる」と同義であり、突然喉に詰まる感覚や変なところで咳き込む感じを表現しています。

しかし、「むせぶ」には「こみ上げる感情で息が詰まる」という意味も含まれており、曲「慕情」においてはこの意味がより適切でしょう。
実際、この曲の歌詞冒頭は、過去の出来事に囚われて前に進めない男性の無情さが、非常に美しく表現されている名シーンと言えます。

自分なりに考えた解釈を共有したいと思います。

夢の中で交わしたキッスは
悲しみを抱いている
霧のベールにむせぶ影は
胸に残る慕情

水に投げた小石の跡が
止めどなく輪を広げ
涙色の河にそそぐ
愛しい女性よ Good-Bye

かすかにぼんやりとした過去が、自身を包む霧のようなベールとして広がります。
思わず胸に湧き上がるのは、かつての憧れや思い出の気持ちです。
過去はまるで虚しく水に投げられた小石のように、心の中に波紋を広げ、絶え間なく流れる川のような涙となってしまいます。