【Cry Baby/Official髭男dism】歌詞の意味を考察、解釈する。

2021年の5月7日に配信リリースされた「Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)」の『Cry Baby(クライベイビー)』の勢いがなかなか止まりません。

アニメや実写映画で人気に火が付いた『東京卍リベンジャーズ』との相乗効果によって、今年を代表する映画&楽曲となっているのです。

今までのヒゲダンとはかなり違った曲調となっている『Cry Baby』ですが、その歌詞も過去のヒゲダンとは違った世界観となっています。

この記事では、そんな「Official髭男dism」の『Cry Baby』の歌詞の意味について考察、解釈していきたいと思います。

東京卍リベンジャーズ

週刊少年マガジンで2017年13号から連載が始まった『東京卍リベンジャーズ』は、2021年8月時点で3,500万部を突破する大ヒット漫画となっています。

2021年の4月からアニメが放送されてから本格的に人気が爆発し、7月9日にはPG12指定で実写映画が公開されました。

8月9日にはコロナ禍にもかかわらず興行収入32億円を突破し、今後更に記録を伸ばしていくことが予想されています。

今回解説する「Official髭男dism」の『Cry Baby』は、東京卍リベンジャーズのテレビアニメの主題歌となっています。

『Cry Baby』の歌詞考察、解釈

Aメロ、Bメロ

胸ぐらを掴まれて 強烈なパンチを食らってよろけて
肩を並べうずくまった
予報通りの雨にお前はにやけて
「傷口が綺麗になる」なんて嘘をつく

いつも口喧嘩さえうまく出来ないくせして
冴えない冗談言うなよ
あまりのつまらなさに目が潤んだ

いきなりAメロから「胸ぐらを掴まれて」「強烈なパンチを食らって」というヒゲダンらしからぬ歌詞が登場します。

これはまさしく『東京卍リベンジャーズ』の世界観をリスナーに植え付ける為のテクニックと言えるでしょう。

この状況は、主人公の武道が立たされている現状をそのまま表しています。

恋人の日向(ヒナタ)を守る為に立ち上がりますが、何度も反撃を食らってよろけてしまうのです。

ここで登場する「予報通りの雨」という歌詞は、「想定済みの最悪の展開」というように読み取れます。

最悪な展開すら想定済みで、それでも諦めない強い気持ちが伺えます。

武道本人の視点ではなく、一緒に戦っている仲間の視点で描かれているのも面白いですよね。

サビ

何度も青アザだらけで涙を 流して 流して
不安定な心を肩に預け合いながら 腐り切ったバッドエンドに抗う
なぜだろう 喜びよりも心地よい痛み ずっしりと響いて
濡れた服に舌打ちしながら 腫れ上がった顔を見合って笑う
土砂降りの夜に 誓ったリベンジ

状況はとてつもなく最悪で、相手は自分たちよりも遥かに格上。

何度もやられているにもかかわらず、それでも諦めない強い気持ちが表されています。

主人公の武道の心の強さが強調されたサビとなっていますね。

2番Aメロ、Cメロ

胸ぐらを掴み返して
反撃のパンチを繰り出すくらいじゃなきゃ
お前の隣には立てないから
相手が何であれ日和らない
何度伸されても諦めない
忘れるな忘れるなと言い聞かせ続けたのに

傘はいらないから言葉を一つくれないか
微温い優しさではなく
弱音に侵された胸の奥を抉るような言葉を

ここで出てくる「お前」は、おそらく主人公の恋人である「日向(ヒナタ)」のことではないでしょうか?

そして、曲を聴いているリスナーが自分に照らし合わせるならば、「自分にとっての大事な人」ということになるのでしょう。

1番では絶対に諦めない気持ちの強さが強調されていましたが、2番では一転して弱虫だった自分が蘇ってきてしまいます。

しかし、ボロボロになった自分に必要なのは優しい言葉ではなく、「もう一度気持ちを鼓舞してくれるような言葉」なのです。

2番サビ

何度も青アザだらけで涙を 流して 流して
不安定な心を肩に預け合いながら 腐り切ったバッドエンドに抗う
なぜだろう 喜びよりも心地よい痛み ずっしりと響いた
濡れた服に舌打ちしながら 腫れ上がった顔を見合って笑う
土砂降りの夜に 囚われの日々に 問いかけるように
光った瞳の中で 誓ったリベンジ

この2番のサビは、一文以外はすべて1番のサビと同じ歌詞になっています。

あえて1番と同じ歌詞を繰り返すことで、主人公である武道の意思の強さを強調しているのではないでしょうか?

ヒゲダンのボーカルの藤原聡さんは、フルだと10回くらい転調していると発言していますが、これも『東京卍リベンジャーズ』の「現代と過去を何度も行き来している」という状況を転調で表現しているのでしょう。

ちなみに曲のタイトルである『Cry Baby』は、「泣き虫」「弱虫」といった意味です。

漫画やアニメ、映画を観た人ならわかりますが、これはまさしく『東京卍リベンジャーズ』の主人公である武道を意識していますよね。

曲を聴いている人たちが、自分の目の前にある問題や挫折といったマイナスの状況を武道に重ね、「同じように諦めずに頑張ろう」と思えるような強いメッセージ性のある曲となっているのです。

まとめ

今回は、「Official髭男dism」の『Cry Baby』の歌詞の意味について考察、解釈してきました。

大ヒットを記録し続けている『東京卍リベンジャーズ』の実写映画ですが、アニメの主題歌である「Official髭男dism」の『Cry Baby』もまた大ヒットとなっています。

大切な人の為に自分よりも強い人に立ち向かうその心の強さを上手に表現した『Cry Baby』の歌詞は、目の前の状況に負けそうな人にこそ響くものとなっていると言えるでしょう。

ぜひ一度この名曲を歌詞と共に味わってみてはいかがでしょうか?