2020年代の音楽シーンを彩る数多くのアーティストの中でも、トップクラスの人気と実力を兼ね備えている「Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)」の新曲が非常に良いと話題になっています。
2021年2月24日にリリースされた「Universe(ユニバース)」は、映画『ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』の主題歌となっています。
思わず口ずさみたくなるキャッチャーなメロディーも魅力ですが、ボーカルと作詞作曲を担当する藤原聡さんが紡ぐ歌詞の世界観や韻を踏みかたなども大きな魅力の一つとなっています。
新曲の「Universe」も、タイアップ映画であるドラえもんの世界観をうまく歌詞内に散りばめながら、ヒゲダンらしさもしっかりと感じさせてくれる歌詞となっています。
この記事では、そんな「Official髭男dism」の新曲「Universe」の歌詞を分析していきたいと思います。
「Universe」の世界観
今回の「Universe」という曲は、前記した通りドラえもんの新作映画『のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)2021』の主題歌で、その映画の内容は「宇宙」が舞台となっています。
そう、今回の曲の世界観は「宇宙」です。
歌詞のあらゆるところに「星」や「ユニバース」という言葉が登場するので、全体的なイメージは完全に宇宙となっているのです。
そして副テーマとしては、「心の葛藤」があります。
歌詞中には、「正しい間違いどっち?」「立ち向かう逃げ出すどっち?」というように、現状や未来への悩みや葛藤が散りばめられていて、劇中ののび太達の葛藤とリンクさせています。
更に、随所にドラえもんを想起させるフレーズが出てくるので、非常に映画とマッチした最高のタイアップ曲になっていると感じます。
以下はドラえもんを想起させるフレーズ。
タイアップ曲でありながらもヒゲダンらしさもしっかりと表現している
ここまでの解説を踏まえると、ドラえもんの映画にかなり寄せた曲のように感じるかもしれませんが、実はしっかりとヒゲダンらしさも歌詞の中に散りばめられているのです。
それは、ヒゲダンの得意技である「韻」を多用している部分で確認することができます。
こういった韻多用してくるあたりは、「さすがヒゲダン」と言えます。
更に、歌詞の中の多くのフレーズが「イ」の母音で終わっている所も秀逸なポイントです。
「嬉しい、悲しい、どっち、正しい、間違い、どっち、一人ぼっち、解答用紙」
言葉自体は韻を踏んでいるわけではありませんが、フレーズの多くを同じ母音で終わらせることで、韻と同じような「聞き取りやすさや心地よい印象を与える」といった効果を生み出すことができるのです。
そしてなんといっても、「曲の特徴的な部分ではあえて韻を使わない」というのがヒゲダンの歌詞構成の上手さではないでしょうか?
サビ終わりの「野に咲くユニバース」というフレーズは、あえて韻を踏まないことで強い印象を与えることができているのです。
例えばヒゲダンの大ヒット曲である「Pretender」の「グッバイ」という部分であったり、「宿命」の「届け」という歌詞、「I LOVE」の「イレギュラー」という歌詞も同じように強い印象を受けますよね。
韻を多用しているイメージのあるヒゲダンですが、強い印象を与えたいサビの部分では意識的にあまり使っていなかったりするのです。
曲の終わり方が秀逸
曲の終わりの大サビで「ユニバース」と叫ぶ藤原聡さんの素晴らしさが際立ってはいますが、見逃してはいけないのがそのフレーズの前にある歌詞です。
彷徨ってないでこっちへおいで今日は帰ろう
ドラえもんの世界観(宇宙)を残しつつも、聴いている人の心を温かい気持ち(日常)を思い出させるような歌詞を入れることで、曲全体が上手くまとまっている印象を与えているのです。
まとめ
今回は、「Official髭男dism」の新曲「Universe」の歌詞を分析してきました。
この曲は、ドラえもんの映画の主題歌ということもあり、随所にドラえもんの世界観やのび太を想起させるような歌詞を散りばめている曲となっています。
映画の感動を、エンドロールで流れるこの「Universe」で更に高めてくれるはずです。
そして、ただのタイアップ曲ではなく、「韻」を多用していたりあえてサビでは韻を使わずに「ユニバース」と強い印象を与えるなど、しっかりとヒゲダンらしさも表現している点はさすがと言えます。
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