【二人だけの国/あいみょん】歌詞の意味を考察、解釈する。

「二人だけの国」という楽曲は、メロディが比較的平穏である一方で、複雑な二人の関係を歌っており、その独特の雰囲気があいみょんの作品の中で際立っています。
この曲は、映画「失楽園」からインスパイアを受けて制作されました。
曲を楽しむ前に、あいみょんがおすすめするように、映画「失楽園」を観賞することで、歌詞の世界がより深く理解できるでしょう。

聴く人々にさまざまな考え方を引き起こす

運命共同体同士 ナンマイダ ナンマイダ
現実逃避の最終回 ナンマイダ ナンマイダ
的確計画根拠はなく ナンマイダ ナンマイダ
有言実行あしからず ナンマイダ ナンマイダ
二人の国へ向かうため 尽力致します

まず、注目すべきは「ナンマイダ」という歌詞の存在です。
あいみょんはインタビューで、この歌詞について次のように語っています。
『最初に「運命共同体同士」という歌詞を思いついたとき、その言葉に音楽的なリズムをつけるのが難しかったです。言葉を棒読みしていると、それがお経のように聞こえると感じたため、「ナンマイダ ナンマイダ」というフレーズを採用しました。』
つまり、音楽的なリズムを付ける際と、「運命共同体同士という言葉がお経っぽい」という印象から、”ナンマイダ”という表現が選ばれた経緯があることが分かります。

「運命共同体同士」とは、おそらく不倫関係にある二人の関係性を指しています。
二人は秘密を抱え、互いにとって不可欠な存在としてお互いの秘密を共有しています。
このような状況から「運命共同体同士」と呼ぶことができる関係が成り立っています。

「現実逃避の最終回」は、二人が結婚している他の相手との関係や、現実の制約にもかかわらず、二人だけの時間を求めていることを示しています。
彼らにとって、この出会いが人生における最後の章であるかのように感じられるのでしょう。

「的確な計画根拠はなく」という部分は、二人が現実を離れて一緒にいたいという願望がある一方で、そのための具体的な計画や根拠が不足していることを指しています。
彼らは単に逃れることでしか結ばれることができないと感じているようです。

最後の「有言実行あしからず」は、おそらく相手に向けて謝罪の意味を含んでいます。
一方が家族や他の関係者に対して「私はこの人と一緒になることを決意したので、申し訳ない」と伝えている可能性があります。


許された二人だから 今ここで
赤く染まって抱きしめあうの 深く深く
刺さったまま溶けあいたいわ 指を絡め
きっとここが天国

「赤く染まって抱きしめ合う」というフレーズは、おそらく「心中」という行為を指しています。
この表現は、失楽園のラストシーンを思わせる歌詞であり、深い関係にある男女が「刺さったまま」「溶けあいたい」「指を絡め」「きっとここが天国」といった表現を通じて、肉体的な結びつきと共に二人の心情を描写しています。


永遠の愛が叶うなら それで幸いです
間違いなんて思ってないわ この人生
これくらいの痛みなんてもう 慣れているし
はまりきって溺れきった 指を絡め
ここはきっと 二人だけの国
二人だけの愛の国 染まりきった色水が
美しく揺れる国

「永遠の愛があれば、それで充分だ」「私の人生はこれで満たされていると感じる」「いくつかの問題があっても、それに慣れてしまった」という歌詞から、周囲の状況がどんなに悪化しても、二人が一緒にいることで何も怖くなく、それだけで全てが満たされている女性の感情が表現されています。

「染まりきった色水」は、色が混ざり合った水を指します。
この表現から、二人の関係に他人が入る余地がなく、二人の感情が完全に充足されていることが伝わります。

これまでの歌詞は女性の視点からのものでしたが、映画と結びつけて考えると、おそらく男性も同様の感情を抱いていたのかもしれません。
不倫というテーマを扱っているため、この歌詞は聴く人々にさまざまな考え方を引き起こす可能性があるものと言えます。

人生の一つの選択肢

お互いが結婚後に運命の相手に出会ってしまうシナリオは、非常にドラマチックでありながら、実生活でも決して珍しいことではないでしょう。
結婚には世間体や相手の家族などの関係性が絡み、時には窮屈に感じることもあるでしょう。
このため、「自由になりたい」「広い世界を見たい」といった思いが湧き上がることは理解できます。

浮気や不倫を支持する意図は決して含まれていませんが、一度そうした考えが芽生えた場合、自己決定が人生の一部として受け入れられるべきだと思います。
その覚悟があるならば、その道を進むことも、人生の一つの選択肢として考えられるでしょう。