音楽に込められた言葉には、聴き手の心を震わせる力があります。WANIMAの楽曲「エム」は、そのタイトルの意味深さとともに、多くのファンの心を打ち、様々な解釈が飛び交う楽曲です。本記事では、歌詞全文を読み解きながら、タイトル「エム」の意味や、主人公の感情表現、再生のメッセージについて丁寧に考察していきます。
「エム」の歌詞全文と主要フレーズの紹介
「エム」はWANIMAのメジャー1stアルバム『Everybody!!』に収録されている楽曲で、リリース当初から歌詞の深さが注目を集めてきました。
歌詞は全体的に静かで内省的なトーンで始まり、次第に感情が高まっていく構成。冒頭の《離れていても 変わらぬもの》というフレーズには、物理的距離を超えても変わらない“想い”や“絆”が示唆されています。
特に印象的なのはサビの《迎えに行くから》という言葉。繰り返し現れるこのフレーズは、ただの再会の約束ではなく、亡き人や遠く離れた大切な存在への強い願いにも感じられます。
タイトル「エム」の意味・解釈:“Kimi”か“Mother”か?
タイトル「エム(M)」は、聴き手によってさまざまな解釈が可能です。以下のような説が存在します:
- 「M」=「Mother(母)」説:歌詞の内容から、亡くなった母親への想いを歌っているという解釈。母を想うような温かさと切なさが、全体のトーンに現れています。
- 「M」=「Memories(記憶)」説:過去の大切な思い出を忘れず、胸に抱いて歩んでいくというメッセージを象徴。
- 「M」=「Missing(喪失)」説:失われた存在に対する喪失感が、歌詞の根底に流れている。
- 「M」=「君(Kimi)」説:特定の相手、もしくはリスナー自身を指す可能性も。
このように、タイトルは意図的に曖昧にされており、それがリスナー一人ひとりの感情と共鳴する仕掛けになっています。
歌詞が描く主人公の感情と苦悩:記憶・失うもの・葛藤
「エム」は、喪失の痛みや後悔、そしてそれでも前に進もうとする心の動きが、静かに、しかし力強く描かれています。
- 《忘れたくても 忘れられない》という言葉には、記憶に縛られるような苦しさが滲み出ています。
- 《声を探す夜に》というフレーズでは、今はもう届かない相手の声を思い出す、深い孤独が感じられます。
歌詞全体を通じて、主人公は喪失による“空白”と向き合いながらも、その先にある希望を模索している様子がうかがえます。この葛藤こそが、楽曲に普遍的な共感を生んでいる要因です。
再生・希望のモチーフ:歌詞に現れる“迎えに行くから”の意味
「エム」が単なる悲しみの歌で終わらないのは、繰り返される《迎えに行くから》というフレーズに象徴される“再生”の意志が込められているからです。
この言葉には、
- もう一度会いたいという願い
- 約束の地に向かう覚悟
- 大切な存在を胸に生きていく決意
など、前向きな想いが込められています。悲しみの中にも光を見出すようなメッセージが、多くの人の心を動かすのでしょう。
WANIMAにおける「エム」の位置づけ:アルバム『Everybody!!』の中で見るテーマ性
アルバム『Everybody!!』には、WANIMAらしいエネルギッシュな楽曲も多く収録されていますが、「エム」はその中でも異彩を放つ、感情の深みを重視した一曲です。
この曲をアルバムの中に配置することで、WANIMAが単に勢いや元気さだけのバンドではなく、人間の弱さや哀しさ、そしてそれに向き合う強さも歌える存在であることを示しています。
また、「エム」はライブでも大切に歌われる楽曲のひとつであり、メンバー自身の想い入れの強さも伝わってきます。
まとめ:心に響く「エム」のメッセージ
「エム」という曲には、誰もが持つ“喪失”や“想い出”という感情が丁寧に込められています。タイトルの曖昧さは、聴き手自身の経験とリンクしやすく、深い共感を呼び起こします。
Key Takeaway
WANIMA「エム」は、ただのバラードではなく、“大切な存在を思い続ける強さ”と“喪失を乗り越える決意”を描いた名曲です。それぞれの「M」を心に思い浮かべながら、改めて歌詞を味わってみてはいかがでしょうか。