【ブルーバード/いきものがかり】歌詞の意味を考察、解釈する。

誰もが広く知っているバンド、いきものがかり。
彼らは多くの記録を打ち立て、一時的に活動休止を宣言した後、約1年3カ月後に再び活動を再開しました。
今回は、アニメ「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のオープニングテーマとしても知られる楽曲、「ブルーバード」に焦点を当てて紹介します。

灰色に近い「蒼い」色

飛翔いたら 戻らないと言って
目指したのは 蒼い 蒼い あの空

「ブルーバード」は、そのサビの歌詞から始まる楽曲です。
この歌詞に繰り返し登場する「蒼い 蒼い あの空」は、終わりの見えない広大な空を指しています。
この歌詞で「青い」の代わりに「蒼い」という言葉が使われているのには、特別な理由があるでしょう。
これは、サスケの進むべき道が、兄イタチへの復讐であるため、美しい「青い」色ではなく、灰色に近い「蒼い」色で表現されている「心情」を反映していると感じられます。

木の葉の里を離れることを決意したサスケの心情

“悲しみ”はまだ覚えられず “切なさ”は今つかみはじめた
あなたへと抱く この感情も 今“言葉”に変わっていく
未知なる世界の 遊迷から目覚めて
この羽根を広げ 飛び立つ

「悲しみ」をまだ理解できないけれども、「切なさ」を今初めて感じ始めている。
これはナルトの感情であり、彼の親友であるサスケが木の葉の里を去る決断を下したことについて、悲しいかどうかを理解しようとしていることを示しています。
サスケが里を離れることが「切ない」と感じられるようになってきたようです。
また、「遊迷(ゆめ)」という新語が使用されているのは、迷いながらも最終的に木の葉の里を離れることを決意したサスケの心情を表現しています。

サスケが自分に向けて言い聞かせている

飛翔いたら 戻らないと言って
目指したのは 白い 白い あの雲
突き抜けたら みつかると知って
振り切るほど 蒼い 蒼い あの空
蒼い 蒼い あの空
蒼い 蒼い あの空

この部分のサビでは、サスケが里に戻るつもりはないと決断した強い意志が表れており、前進する決意と一切振り返らない覚悟が示されています。
この瞬間を疾走感あふれるメロディーと前向きな感情が表現しているのでしょう。
サスケが振り切る相手は、追いかけてくるナルトたちの里の仲間たちではないかと考えられます。
「蒼い 蒼い あの空」が何度も繰り返されているのは、サスケが自分に向けて言い聞かせているような雰囲気を持っている部分です。

呼吸を共鳴(あず)けることができる

愛想尽きたような音で 錆びれた古い窓は壊れた
見飽きたカゴは ほら捨てていく 振り返ることはもうない
高鳴る鼓動に 呼吸を共鳴けて
この窓を蹴って 飛び立つ

歌詞中の「見飽きたカゴ」は、木の葉の里を指しています。
サスケは里に未練を感じず、里を捨てるという決意が強く表現されています。
里を抜けたサスケを追いかけるナルトの心情は、「高鳴る鼓動」として表現されており、「呼吸を共鳴(あず)けて」は、仲間であるサクラたちへの感情だと考えられます。
呼吸を共鳴(あず)けることができるのは、互いに信頼し合う“仲間”同士のことであり、言葉を交わさなくても、“サスケを救いたい”という気持ちを互いに理解できるのです。

「帰る場所」という気持ちが芽生えつつある

飛翔いたら 戻れないと言って
目指したのは 白い 白い あの雲
突き抜けたら みつかると知って
振り切るほど 蒼い 蒼い あの空
蒼い 蒼い あの空
蒼い 蒼い あの空

これまでの歌詞では、「飛翔(はばた)いたら 戻らないと言って」という部分がありましたが、ラストのサビでは「戻れない」と表現されています。
この表現は、サスケを追いかける木の葉の里のナルトたちが存在することを認識しながらも、「もう後戻りすることはできない。後ろを振り向かない」という意志が込められています。
サスケは里を捨て、兄への復讐心から進んでおり、孤独感があるかもしれませんが、後ろに仲間がいることを理解し、自分の内に「帰る場所」という気持ちが芽生えつつあるように感じます。
この決意を振り切ることで、サスケの内にあるくすんだ色をしていた「蒼い」空が広がる可能性があるでしょう。
この広がる「蒼い」空は、サスケ自身が納得するまで晴れることのなかったくすんだ空かもしれません。
同様に、ナルトにとっても「サスケを里に戻すまで」自分の心が晴れ渡ることはなく、限りなくどこまでも「蒼い」空が広がっているでしょう。

「ブルーバード」の歌詞は、「NARUTO -ナルト- 」の物語に共鳴し、ナルトの気持ちやサスケの心情が伝わってきます。
この曲を「NARUTO -ナルト- 」と一緒に楽しむと、新たな楽曲の世界が広がります。
ぜひ、この歌詞と物語を照らし合わせて聴いてみてください。