【ラストシーン/いきものがかり】歌詞の意味を考察、解釈する。

いきものがかりは、活動休止に入る前に、最後に公開した楽曲が「ラストシーン」という曲でした。
この曲について話してみたいと思いますが、あらかじめお断りしておきますが、以下の内容は私の主観的な意見ですので、ご了承ください。

歌詞全文

涙がとまらないよ 君に会いたくなる
春のひかりがほら あの日と同じみたいだ
ねぇ さよならをもう伝えなくちゃ
君だけがいない 今を生きてく

手を離してしまうんだ 「早く行こう」って君は
僕のこと 困らせて はしゃいで駆け出す
いつも追いかけるだけで 君の背中ばかり見ていた
隠してた 涙も知らずに


「わたしは幸せだったよ」
風のように消えてしまう声に慌てて
僕は君の名前を呼んだ
振り返ったその笑顔は
悲しいくらい奇麗だったんだよ

春のなかで

涙がとまらないよ ずっととなりにいた
優しいそのぬくもり 手のひらに残っているんだよ
ねぇ そこに君はもういないんだと
わかっているのに なんども呼んでしまう
想いをつなぐために その手を握っていたのに
いつも君の声は 切なく揺れていたんだ
言葉にできなかった ぜんぶがほら
僕のなかにある 今を生きてく

「どうしてそんな顔で 立ち止まっているの」
君ならば そんなふうに 怒って言うかな
ぶつかり傷つくたびに くじけてしまいそうさ
でも僕は“これから”を生きなきゃいけない

かなわぬこともあったんだ
やりきれない悔しさをいくつも越えたよ
この街もずいぶん 変わってしまった
ふたり歩いた道で 今はひとり空を見上げる

春のなかで

涙がこぼれないように 君を思い出すけど
いつも笑ってるんだ 少しずるくないかなぁ
ねぇ 僕はあの日から強くなった
そうでもないかな 風が笑った さよなら

愛しさを忘れない

涙がとまらないよ もう君に会えないんだね
一緒にすごした日が 遠いひかりになっていく
ねぇ それでも僕は行かなくちゃ
君がいなくとも 明日をみつめていく

涙がとまらないよ ずっと好きだったんだ
なんど春が来ても ぜんぶ忘れないから
ねぇ さよならをもう伝えるよ
君だけがいない 今を生きてく

解釈

この曲は「四月は君の嘘」という映画の主題歌としても知られています。
映画のストーリーと連動して、この曲は自分の大切な人が突然姿を消す状況や、何らかの理由で失ってしまった時の感情を表現しているように感じられます。

PVを通じても、このようなストーリーが伝わってきます。
曲の冒頭から、大切な人が不在であることをリスナーに伝え、現在の状況を提示しています。
特にAメロの歌詞は、切なさが際立っています。
例えば、

手を離してしまうんだ「早く行こう」って君は

僕のこと困らせてはしゃいで駆け出す

という歌詞は、失った「君」との思い出を描写しているようで、おそらく「君」とは無邪気な人だったのでしょう。
失恋や誰かを失った時の歌詞として、無邪気に笑い合っていたことが伝わり、感情がこみ上げてきます。

Bメロの

私は幸せだったよ

という歌詞は、おそらく別れる直前の瞬間を表現していると思われます。
そして、1番のサビでは

いつも君の声は切なく揺れていたんだ

と歌われており、おそらく「君」は会えなくなることをかなり前から予感していた可能性があります。
この部分は切なさが際立っています。

2番のAメロとBメロでは、失った後の出来事が描かれています。
失った「君」を思いながら、現在の胸の中に晴れない気持ちが広がります。
「君」の思い出が背中を押す瞬間が描写され、主人公は未来に向かって、今は「君」がいない状況を受け入れ、歩き出す決意をするというストーリーが展開されています。
これは、この曲を一般的に捉えた解釈の一例です。

別解釈として

私が考える捉え方は次のとおりです。
この曲は、いきものがかりのメンバーたちからのファンへのメッセージではないでしょうか。
いきものがかりは、路上ライブなどを通じてファンと共に歩んできたというイメージがあります。
彼らの人柄から考えると、彼らのファンも同様に大切にされていたことでしょう。

「主人公」は、ファンを指し、「君」はいきものがかりのメンバーを表しているかもしれません。
Aメロの無邪気な感じや歌詞の「私は幸せだったよ」という部分は、いきものがかりのメンバーがファンとの共演や活動を通じて幸せを感じていた瞬間を示しているようにも聞こえます。
その後の切なさが、いきものがかりがしばらく活動を休止することになったことを反映しているかもしれません。

この捉え方では、いきものがかりはしばらく姿を消すことになりましたが、ファンに向けて「いない今を生きていってね」というメッセージが込められているように思えます。
私もファンとして同じような捉え方をすることができ、活動再開には喜びを感じています。