【帰りたくなったよ/いきものががり】歌詞の意味を考察、解釈する。

今回は、いきものがかりの「帰りたくなったよ」に焦点を当ててみます。

「帰りたくなったよ」は、プロデューサーの小林武史から「本当に素晴らしい曲だ」と絶賛され、ボーカルの吉岡もラジオ番組で「この曲は名曲になると思った」と語っています。

いきものがかりの人気の秘密の一つは、歌詞に自分の弱さを歌った要素があることです。

「帰る場所がある」ということ

心の穴を埋めたいから 優しいフリして笑った
出会いと別れがせわしく 僕の肩を駆けていくよ

ダメな自分が悔しいほど わかってしまうから損だ
強くはなりきれないから ただ目をつぶって耐えてた

ほら 見えてくるよ

心に穴があるということは、内なる空虚感や満たされない感情が存在することを示します。
この状態では、喪失感や孤独感が強まり、誰かがそばにいてくれたり、話を聞いてくれたりする人を求めてしまうことがよくあります。
自分を受け入れてもらおうと、優しさを装うことに努力していることがうかがえます。

しかし、生活がせわしなく、人々との出会いと別れが頻繁に続いているため、本当に心から落ち着ける場所や安らげる場所を築くのが難しい状況であることがわかります。
もしかしたら、この人は田舎から都会に移ってきたのかもしれません。
都会の忙しい生活に馴染むのが難しく、自分自身に対する適応力の不足を感じ、ただ耐え忍ぶしかない状況かもしれません。

しかし、目をつぶっている間にも、自分が本当に行きたい場所や、内なる安らぎを見つけることができる可能性がじわじわと広がっていることがあります。

帰りたくなったよ 君が待つ街へ
大きく手を振ってくれたら 何度でも振り返すから
帰りたくなったよ 君が待つ家に
聞いて欲しい話があるよ 笑ってくれたら嬉しいな

その場所は、君が待っている街であり、君が待っている家です。
自分を見つけて、周囲を気にせずに大きな笑顔で手を振ってくれる君のもとに戻りたいと強く願っています。
君の前では、自分を正直に表現でき、自分でいられます。

君と離れている間に経験した数々の出来事や思いを、君に伝えたい。
そして、自分自身を君に受け入れてほしいという気持ちを歌っています。

たいせつなことは数えるほど 
あるわけじゃないんだきっと

くじけてしまう日もあるけど 
泣き出すことなんてもうない

ほら 見えてくるよ

日々の忙しい生活の中で、何が本当に大切なのか見極めることが難しいかもしれません。

友達、上司、親戚、知人、同僚、家族、恋人。
毎日の仕事、目標、学び、将来の夢。
これら多くの要素が存在する中で、本質的に大切なものを絞り出すことができれば、それは意外にもシンプルなことかもしれません。

自分が本当に望んでいること、何を達成したいのか、その大切なことを見つけることができれば、失敗や困難に直面しても、あきらめることはないと言えるでしょう。

伝えたくなったよ 僕が見る明日を
大丈夫だよってそう言うから 何度でも繰り返すから
伝えたくなったよ 変わらない夢を
聞いて欲しい話があるよ うなずいてくれたら嬉しいな

帰りたくなったよ 君が待つ街へ
かけがえのないその手に今 もう一度伝えたいから
帰りたくなったよ 君が待つ家に
聞いて欲しい話があるよ 
笑ってくれたら嬉しいな

そして、自分の望みや未来の夢を、君に伝えたい願いが強いです。

その理由は、君が必ず大丈夫だと言ってくれるからです。
君は、僕が落ち込んだり難しい状況に立ち向かうとき、何度も励ましてくれたことでしょう。

だから、大丈夫だと言ってくれる君から、また勇気をもらいたいのでしょう。
そして、帰ってから、君のかけがえのない手にもう一度伝えたいと思っています。

これはあくまで仮定ですが、最後に伝えたいこと、そして聞いてほしい話としては、おそらくプロポーズのことかもしれません。
遠く離れた場所にいることで、心が君のもとに戻りたいと叫んでいることを感じたのかもしれません。
主人公は君の大切さに気付き、これからも一緒にいたいと願ったのです。

現実的なことでも精神的なことでも、「帰る場所がある」ということが、人々にどれほどの安心感をもたらすかを示す素晴らしい曲ですね。