【Supernova/9mm parabellum bullet】歌詞の意味を考察、解釈する。

「9mm parabellum bullet(キューミリパラベラムバレット)」の記念すべき1stシングル「Supernova(スーパーノヴァ)」は、「9mm」らしいバンドサウンドと独特な世界観で邦楽ロックファンに人気のある曲となっています。
この曲は単にかっこいいだけでなく、メッセージ性を持っており、それを知ることでより理解が深まることでしょう。

この記事では、 「Supernova」の歌詞を見ながら、曲に込められた意味などを解釈していきたいと思います。

「Supernova」の意味とは?

曲名にもなっている「supernova」は「超新星」という意味です。
恒星が寿命を迎えたときに大きな爆発を起こす現象のことを指しています。
「Supernova」はそんな壮大な宇宙を描いている物語なのかと言うと、答えはイエスといえます。
これは作詞を担当している菅原卓郎(Gt/Vo)さんが、しばしば童話や民謡などを参考に歌詞を書いていることに所以しており、この楽曲もひとつの物語として作られた可能性が高いことが推察できます。

歌詞の解釈①「僕」がなすがままな様子

「Supernova」の歌い出しはこうです。

十万度の太陽を抱きしめた時 砂漠になった僕の頭は 吹き抜ける風に冷やされる度に 涙の雨の水滴がきらめいた

この様子から、「僕」は空っぽになり、時々冷たい風に吹き付けられてハッと気付いた時には涙を流している様子がうかがえます。
「僕」はそれほどまでに追い込まれるなにかがあり、泣いていることすら忘れてしまっているのです。

さらにサビではこうです。

誰の胸も音を立てず 粉々になるだろう その欠片が散らばっても 集めたりしないで

この歌詞は、「心が砕けても、その欠片を無理に集めることはやめよう」と解釈することができます。「僕」は起きたことをありのまま受け入れる姿勢でありたいようです。

歌詞の解釈②「あの娘」はなにを指すのか

さて、2番の歌詞では興味深いフレーズが登場します。

十万度の体温で抱きしめてくれた あの娘のことを助けたいなら

このように「僕」の他に「あの娘」が登場します。
「あの娘」を助けたい場合には、

指先で触れるだけ 傷あとを開くだけ

と、具体的な手段まで示されています。
さらに興味深い部分が次の歌詞です。

何もかもを照らし出して 粉々になっても 輝くため燃やしたもの 忘れたりしないで

この歌詞を踏まえつつ考えていただきたいのが太陽の一生です。
太陽は100億年ほどの寿命と言われており、地球を始めとするどの惑星よりも長い寿命を持っていますが、いずれ大爆発を起こして消滅すると言われています。
そう、「あの娘」はもしかすると太陽を指しているかもしれず、「粉々になった惑星は気にしないでね。だけどその惑星のことを覚えていてね」と解釈することができるのです!

歌詞の解釈③「僕」の正体は・・・

歌詞の最後はこうです。

満月の向こうで神は見ていたの? 砕けた星の海 流れ星の最期

ここで言われている「神」も恐らく太陽のことを指しています。
古来より太陽は神として人々に祀られており、そう思うとこの解釈も頷けます。

神である太陽は、数億年ごとに自身の温度を高め、大きく膨らんでていくと言われています。
そのため、太陽との距離が近付き、その温度に耐えられなくなった惑星から爆発を起こして消滅することが考えられます。
太陽はそれを悲しく思いながらも、砕けた惑星の最期を見届けているのです。

その様子を語り部の視点で捉えているのが「僕」です。
この曲で考えられる「僕」は生命・文明を持つ「地球」なのではないかと思います。
そして、いずれ訪れる地球の消滅に備えて受け入れる姿勢である様子が描かれているのではないでしょうか。
どの生命、惑星も太陽には抗えず、温暖化や爆発も自然の摂理です。
地球に住まう私たち人間も、「いずれ訪れる最期を受け入れるべき」だと思わせるような楽曲、それが「Supernova」なのです。

別解釈として・・・

 「Supernova」は「太陽の一生や惑星の在り方から、私たち人類も同じ在り方が望ましい」という解釈であることは述べましたが、この曲は別解釈することができ、MVを視聴した方であればこちらを連想するかもしれません。

MVには刀を携えた少女が登場し、悪の組織との抗争が描かれています。
少女を陰ながら見守る「僕」という存在が居たとして、彼女を助けたいと考える様子が歌詞に表現されていると考えると合点がいきますよね。

「9mm」の楽曲にしばしば登場する太陽

「9mm」の楽曲ではしばしば太陽を題材にしたものが登場します。
例えば「太陽が欲しいだけ」は、「あらゆる壁をぶち壊して 迷いを蹴散らして」「ツキに見放されて 流れ星は消えた それでも最後には笑え」といったストレートな歌詞が出てくる「9mm」らしい楽曲です。

また「新しい光」は「9mm」ファンのみならず、ロックシーンのファンをも魅了する曲ですが、「生まれたばかりの太陽の下に君を連れていくのさ」といった歌詞のとおり、聞く人を光へと導いてくれるナンバーになっています。

どちらの曲も聞いているだけで元気が出ること間違いなしですので、興味がある方は聞いてみてください。

まとめ

「9mm parabellum bullet」の「Supernova」は太陽の一生やそれを取り巻く恒星を指した壮大な物語となっています。
儚げでもある題材を、「9mm」らしくクールに取り上げているのが魅力的です。
気になった方は是非チェックしてみてください。