【TSUNAMI/サザンオールスターズ】歌詞の意味を考察、解釈する。

2000年1月26日にリリースされたサザンオールスターズの44枚目のシングルは、累計293万枚を売り上げ、彼らのシングル作品の中でも最大のヒット曲となりました。
この曲は老若男女に愛され続けているバンドの代表曲の一つであり、発売から約20年が経過した現在でも、懐メロなどのランキングに必ずランクインし、多くの人々から愛され続けている名曲です。

『TSUNAMI』の歌詞は最初は一般的な失恋の歌のように見えますが、実際にはその表面だけではなく、より深いメッセージが込められているため、さまざまな世代から今でも愛され続けているのかもしれません。

以下では、歌詞の意味を区切りながら解釈していきたいと思います。


風に戸惑う弱気な僕
通りすがるあの日の幻影
本当は見た目以上
涙もろい過去がある

『TSUNAMI』はイントロがなく、桑田さんの声から曲が始まります。

歌詞の冒頭では、過去の出来事を思い出し、自信を失っている主人公の心情が描かれています。

この部分からは、様々な経験や人間関係、恋愛、仕事など、過去の様々な出来事を指しているように感じられます。

私たち誰しも、つらい過去を抱えており、それを思い出すことで感情的になり、涙が込み上げる瞬間があるのではないでしょうか。

止めど流る清か水よ
消せど燃ゆる魔性の火よ
あんなに好きな女性に
出逢う夏は二度とない

歌詞の中で、「流れる水が止まらないように」「消しても燃え続ける火のように」と表現されているように、彼に対する愛情は一直線で、とても強いものだったのでしょう。

「二度とない」という言葉からは、彼女に対する強い思いが感じられます。

人は誰も愛求めて 闇に彷徨う運命
そして風まかせ Oh, My destiny
涙枯れるまで

人々は生きていれば、誰かに愛されたいと思い、愛したいと願います。

そのたびに悩み、彷徨いながら答えを見つけようとします。

しかし、結局は自分が運命に沿って歩んできた出来事を受け入れていく必要があるのかもしれません。

喜びも悲しみも包み込みながら、前に進んでいくことが大切なのです。

見つめ合うと素直にお喋り出来ない
津波のような侘しさに
I know…怯えてる Hoo
めぐり逢えた瞬間から魔法が解けない
鏡のような夢の中で
思い出はいつの日も雨

1番のサビでは、次のような歌詞が綴られています。

「好きだからこそ、思うように言葉が出せない」

彼は実は素直になりたいと思っているのですが、自分の本音をさらけ出すことに恐怖を感じています。

彼女に出会ってからは、夢の中にいるかのような感覚を抱き、それまでの日々がずっと雨の降るようなものだったことを思い出しています。

この部分では、過去と彼女との日々の対比が描かれているように感じられます。

報われない恋を繰り返している

夢が終わり目醒める時
深い闇に夜明けが来る
本当は見た目以上
打たれ強い僕がいる

夢が終わり、彼女が身近にいなくなったとしても、彼は深い闇のような過去を経験してきたからこそ、夜明けを受け入れることができ、彼の内面を強くする要素になっているのかもしれません。

泣き出しそうな空眺めて 波に漂うカモメ
きっと世は情け Oh, Sweet memory
旅立ちを胸に

海辺にいる様子で、雨が降りそうな空やカモメを眺めている場面のように想像されます。

人々は一人では生きていくことはできません。

過去の悲しみを抱えるには他者の存在が支えとなり、前に進むことができるというメッセージが込められているように感じられます。

人は涙見せずに大人になれない
ガラスのような恋だとは
I know…気付いてる Hoo
身も心も愛しい女性しか見えない
張り裂けそうな胸の奥で
悲しみに耐えるのは何故?

2番のサビでは、以下のような歌詞が歌われています。

「楽しいことも悲しいことも辛いことも経験し、たくさんの涙を流して、人は成長していける」

歌詞の中では、2人の関係が具体的に恋人同士だったのか、片思いだったのかは明確に描かれていませんが、少なくとも彼が彼女に対する思いの強さと、彼女が彼に対する思いの強さが比例していなかったのかもしれません。

また、「ガラス」のような表現は、彼が彼女に対して胸が張り裂けるほどの愛を感じている一方で、彼女が彼に対して同じような感情を持っていないことに気付いているからかもしれません。
彼らの関係は壊れやすく、長続きしないことを意味しているかもしれません。

見つめ合うと素直にお喋り出来ない
津波のような侘しさに
I know…怯えてる Hoo
めぐり逢えた瞬間から死ぬまで好きと言って
鏡のような夢の中で
微笑をくれたのは誰?

好きなのに泣いたのは何故?
思い出はいつの日も…雨

大サビでは、次のような歌詞が歌われています。

彼女に出会った瞬間から、彼は報われない恋だと気付き、夢が終わり目覚める瞬間も知っている。

それが怖くて彼は恐れおののき、涙を流しています。

「思い出はいつの雨」という表現からも、彼は報われない恋を繰り返し経験してきたことがうかがえます。

恋愛以外にも通じる普遍的なテーマ

この曲は、外見上は失恋を歌った曲のように見えますが、実際には最後まで「過去」の自分を振り返りながら進んでいくというテーマで終わります。

失恋だけでなく、人生の中で大切な人との別れや辛い出来事、悲しい出来事など、訪れることもあるでしょう。

私たちは日々起こる運命に身を任せ、それぞれの人生を生きていく中で強くなることができるという普遍的なメッセージが込められています。

「過去」と「現在」を描くことで、この曲は優しく心を包み込み、「それでいいんだ」という気持ちを伝えてくれるのかもしれません。
そのため、多くの人々の心に残り続けているのではないでしょうか。