「“好きなこと”を本気でやりたい。でも自信がない。怖い。」
そんな気持ちをそのまま歌にしたのが、YOASOBI「群青」です。
漫画『ブルーピリオド』を原作に生まれたこの曲は、
退屈な日常から一歩踏み出して「好き」に賭けていくまでの心の揺れを、
まるで自分のことのように描き出します。
この記事では「群青 yoasobi 歌詞 意味」というキーワードで検索してきた方に向けて、
歌詞全体の流れを追いながら、そのメッセージを丁寧に噛み砕いて解説していきます。
「今まさに夢を追っている人」も、「一度諦めてしまった人」も、
もう一度自分の“青さ”と向き合いたくなる内容になればうれしいです。
YOASOBI「群青」とは?楽曲の基本情報とタイアップ概要
「群青」は、YOASOBIが2020年9月1日に配信リリースしたシングルで、のちに1st EP『THE BOOK』にも収録されています。
原作となるのは山口つばさによる美術マンガ『ブルーピリオド』。
高校生の矢口八虎が、絵を通して本気で生きる道を見つけていく物語です。
「群青」はこの作品にインスパイアされて制作され、
お菓子「アルフォート」と『ブルーピリオド』のコラボCMソングとしても起用されました。
曲自体は「好きなことに没頭して、自分の色を表現する人たちへの応援歌」と紹介されることが多く、
まさに“夢を追うすべての人”に向けたメッセージソングと言えます。
また、YouTubeの公式MVでは、怪我を抱えたダンサーがオーディションに挑戦する物語が描かれ、
歌詞のテーマである「恐れながらも挑む姿」とリンクする映像表現が話題になりました。
原作『ブルーピリオド』との関係――“絵を描く痛み”が歌詞にどう反映されているか
『ブルーピリオド』の主人公・八虎は、
「成績もよく、空気も読める優等生」として生きてきた一方で、
どこか満たされない違和感を抱えています。
ある日、美術室で見た一枚の絵に衝撃を受け、
「自分も心から好きだと思えるものを描きたい」と、
東京藝大を目指して絵に人生を賭けていくーー
「群青」は、まさにこのプロセスを音楽に落とし込んだ曲です。
歌詞の中には、
- 周囲からの視線
- 自分なんて…という劣等感
- 好きなことに全てを賭けてしまう怖さ
といった、『ブルーピリオド』で描かれる感情が随所に織り込まれています。
「夢を追う人の痛み」や「それでも前に進む決意」が、
マンガのストーリーとシンクロするように描かれているからこそ、
原作ファンだけでなく、何かに打ち込むすべての人に刺さる楽曲になっているのです。
Aメロに描かれる「退屈な日常」と心のモヤモヤ|群青の物語はここから始まる
Aメロではまず、あくびが出るような毎日の描写からスタートします。
ルーティン化した学校や仕事、変わり映えしない風景。
一見平和で問題なさそうな日々なのに、
心のどこかでは「このままでいいのか」というモヤモヤが渦巻いているーー
そんなアンバランスさが言葉少なに描かれます。
ここで重要なのは、
「不幸だから苦しい」のではなく、
「そこそこ恵まれているのに、どこか満たされない」状態であること。
これは『ブルーピリオド』の八虎が抱える感覚とも重なりますし、
現代の若者が抱きがちな“見えにくい生きづらさ”そのものでもあります。
Aメロは、まだ主人公が大きく動き出す前の段階。
けれど、日常の退屈さを描くことで、
後のサビで「本当の声」があふれ出す瞬間のカタルシスが、より強く感じられるようになっています。
「知らず知らず隠してた本当の声」――サビで鳴り響く“自分の本音”の正体
サビのキーワードは、なんと言っても
「知らず知らず隠してた本当の声」
というフレーズです。
ここでいう“本当の声”とは、
「絵を描きたい」「もっと上手くなりたい」「これで食べていきたい」
といった、心の奥底にある“欲望そのもの”のこと。
周囲の期待や常識に合わせて生きているうちに、
自分でもその声の存在を忘れてしまっていた――
そんな状態から、ふとしたきっかけでそれを思い出してしまう瞬間が歌われています。
このサビは、「気づいてしまったら、もう元には戻れない」感覚も同時に描いています。
本当の気持ちを知ってしまうと、
今まで通りの“無難な自分”を演じるのが、どんどん苦しくなっていく。
それでも、その声を無視できないからこそ、
主人公は“怖さごと”前に進むしかないのです。
「好きなものを好きだと言う」ことが怖い理由|夢を追う人なら共感するフレーズを解説
歌詞の中には、「好きなものを好きだと言う」ことの怖さが、何度も描かれます。
これは単に「照れくさい」という次元ではなく、
- バカにされるかもしれない
- 失敗したときに言い訳ができなくなる
- 本気度を問われるのが怖い
といった、自己防衛本能に近い恐怖です。
「これが好き」と公言することは、
同時に「これで生きていきたい」と宣言することにもつながります。
だからこそ、夢を追う人ほどその一言が重く、
簡単には口にできないのです。
「群青」は、その怖さを否定しません。
むしろ「今だって怖い」と、
“怖さごと抱えて進む”姿を肯定してくれる。
ここに、多くのリスナーが救われるポイントがあります。
「何枚でも 何回でも」描き続ける主人公──努力と“自信のなさ”が武器になる瞬間
中盤の大きな見どころが、
「自信がないから描いてきた」
という趣旨のフレーズです。
ここで歌われているのは、
「自信があるから挑戦する」のではなく、
「自信がないからこそ、何度も手を動かし続けてきた」というリアルな心情。
完璧じゃない自分を少しでもマシにするために、
何枚も何枚もキャンバスに向かってきた、その積み重ねこそが“武器”になるのだと歌われています。
これは、努力を「才能の代用品」ではなく、
“自分だけの色を生み出すプロセス”として捉え直す視点でもあります。
周りを見渡せば、もっと上手い人、才能のある人はいくらでもいる。
それでも、「自信のなさ」と向き合い続けてきた時間は、
確かに自分だけのオリジナルな経験であり、
誰にも真似できない“強み”になり得るのです。
クライマックスの「全てを賭けて描く」世界|タイトル「群青」という色が象徴するもの
曲のクライマックスでは、
「全てを賭けて描く」「自分にしか出せない色」といったフレーズが立て続けに登場します。
ここで主人公は、
・不安や劣等感
・周囲の目
・“普通の幸せ”への未練
そういったものを全部抱えたうえで、
それでも自分の“青”を信じてキャンバスに向かう決意を固めます。
タイトルの「群青」は、
澄んだ青ではなく、どこか混ざり合った深い青。
それは、
- 喜びやワクワクだけでなく、
- 不安、焦り、嫉妬、悔しさといった“濁った感情”も含めた自分
を丸ごと抱え込んだ色だと解釈できます。
だからこそ「群青」は、
「キラキラした青春」だけを描く応援歌ではありません。
むしろ、うまくいかない現実や心の黒さを認めたうえで、
それでも前に進もうとする人間の強さと弱さを同時に照らす歌なのです。
合唱パート・サウンド・MVから読む「群青」のメッセージと、歌詞の意味まとめ
「群青」が特に印象的なのは、サビで厚く重なる合唱パートです。
このコーラスには、コラボしたボーカルグループが参加しており、
一人の“私”の物語が、
いつの間にか“私たち”全員の物語へと広がっていくような感覚を生み出しています。
サウンド面では、ピアノとバンドサウンドを軸にしつつ、
BPMの速さとリズミカルなメロディが、
「走り続ける」感覚や焦り、鼓動の高鳴りを表現。
それでいて、サビでは大きく開けたメロディラインが、
“解放”のイメージを強く印象づけてくれます。
MVでは、怪我を抱えたダンサーが世界の終わりの中で踊り続け、
その姿を中心に世界が再生していくという物語が描かれます。
これは、「自分の好きなことに向き合い続けること」が、
どれだけ世界を鮮やかに塗り替える力を持っているかを象徴しているようにも見えます。
まとめると、「群青」はこんな歌だと解釈できます。
- 退屈な日常に違和感を覚えた主人公が
- 本当の声=「好き」に気づき
- 怖さや自信のなさを抱えたまま
- それでも何度も描き続けることで
- 自分だけの“群青色”を見つけていく物語
完璧じゃなくても、迷いながらでも、それでも進んでいく。
そんな、ちょっと不器用で、でも確かに“美しい”僕らの姿を写し取った一曲が、
YOASOBI「群青」なのだと思います。


