WANIMAの楽曲は、いつもポジティブなエネルギーや本音むき出しの歌詞が魅力だが、中でも「オドルヨル」は、遊び心と衝動、そして本能的な欲望が詰まった一曲として異彩を放っている。本記事では、歌詞に込められた世界観や象徴表現を読み解いていく。
歌詞冒頭から読み解く「揺らぐ本能」とは何か
「花びら舞い散る 夢のような夜に～」という冒頭から、曲は一気に幻想的かつ官能的なムードを醸し出す。WANIMAの曲にしては珍しく、比喩が多く用いられており、聴き手の想像力を掻き立てる構成になっている。
「本能 揺らぐ」は、まさにこの楽曲のテーマを象徴するフレーズであり、理性では抑えられない衝動、特に性的な欲望が中心テーマであることを匂わせている。
この「揺らぎ」とは、禁忌を破りたい欲望と、社会的な抑圧の間で揺れる人間の“正直さ”そのものだ。
「花びら大回転」「股間に響いた Diki DanDan」――隠された意味と下ネタ的描写の解釈
WANIMAの歌詞の中でも特に話題になったフレーズが「花びら大回転」。これは風俗用語として知られているが、ここでは単なるエロティック表現として片付けるのではなく、「非日常的な快楽体験」や「社会のルールから解き放たれた自由」を象徴しているとも解釈できる。
さらに「股間に響いた Diki DanDan」というユニークな擬音も、肉体的な快感をユーモラスに描写している。WANIMAらしい、ギリギリを攻める言葉選びが、リスナーの記憶に残る構成になっている。
夏・祭り・夜の舞台設定：曲が描く情景背景とリズム構造
タイトルの「オドルヨル」＝「踊る夜」が示すように、楽曲の全体構成はまるで“真夏の一夜の夢”のよう。歌詞の中に「花火」や「踊り」が散りばめられており、日本の伝統的な祭り文化を連想させる演出が随所に見られる。
テンポの良いビートと跳ねるようなリズムは、夜祭の高揚感を巧みに表現し、聴いているうちに自然と身体が動いてしまうような中毒性を持っている。
WANIMAはあえて、祭りという“日常からの逸脱”の象徴を用いることで、心の解放を促しているのかもしれない。
「アモーレ」「触って勃っても」など、言葉選びが示す男女の駆け引きと本音
サビで登場する「アモーレ」という単語も印象的だ。イタリア語で「愛」を意味するが、ここでは“軽い愛のささやき”という意味合いで使われているように見える。
「触って勃っても」など、際どい表現も飛び出すが、これは単に性的な意味だけでなく、「本音を隠さない」WANIMAの姿勢が現れている。
恋愛や性愛においても、建前ではなく、直球でぶつかることの大切さを、彼らなりのユーモアを交えて伝えているのではないだろうか。
ライブ・インタビューから読み取る、WANIMAがこの曲に込めた“挑戦”と“解放”
実際、WANIMAのインタビューでは「オドルヨル」はライブのために作られた楽曲であることが語られている。ライブでは一体感と解放感が最も重視されるが、その空気感を最大限に活かすための“言葉遊び”や“リズムのノリ”が重視されたという。
KENTAは「恥ずかしがらずに全力で楽しんでほしい」とコメントしており、まさにこの楽曲はリスナーに“自分をさらけ出す勇気”を与える存在として位置づけられている。
総括：WANIMA「オドルヨル」は何を伝えたい曲なのか？
WANIMAらしいユーモアと衝動、そして大胆な表現が詰まった「オドルヨル」は、単なるエロソングではなく、むしろ“抑圧された本能の解放”をテーマとしたメッセージソングである。
Key Takeaway
「オドルヨル」は、WANIMAの挑戦的かつ本能的な一面が全開になった楽曲であり、恥ずかしさや理性の壁を超えて“本当の自分を出す”ことの爽快さを教えてくれる一曲だ。
