今回、私のお気に入りのアーティストである大森靖子さんの楽曲「絶対彼女」という歌に対して、私なりの解釈を試みました。
主題
若い女性の心情(輝く感情、スタイリッシュな雰囲気、胸キュンな恋愛)から成熟した女性の感情(結婚や母親としての普遍的な幸福)への変遷。
具体的な歌詞の解釈
ディズニーランドに住もうとおもうの
ふつうの幸せにケチ付けるのが仕事
「絶対彼女」は、自身が少女であり続けたいという熱い気持ちと、結婚や子育てといった通常の幸福に対する反感を表現しています。
特に「仕事」という要素は、この歌詞の中で重要な位置を占めています。
通常は「趣味」「人生」「日常」といった言葉が使われることが一般的かもしれませんが、ここで「仕事」という言葉を用いることで、「普通の幸せを評価する」という行為に、ある種の義務感のようなニュアンスが含まれています。
このような表現により、単に普通の幸福を嫌悪しているのではなく、その幸福を願いつつも、自分の意志で拒否しているという、複雑な感情が感じられるのです。
まずずっと愛してるなんて嘘じゃない
若い子のとこにいくのを見てたよ
「絶対彼女」では、結婚してもパートナーが浮気することがあり、永遠の愛は存在しないという視点から、一般的な幸福を否定しているメッセージが表現されています。
ミッキーマウスは笑っているけどこれは夢
ミッキーマウスは、女性が感じる気持ちを象徴する隠喩として使用されており、自分に合わせて振る舞ってくれる男性が現実的ではなく幻想的であることを示しています。
キャラクターの中でもミッキーマウスは、ミニーマウスとの関係性を通じて、男性的な一面を強調されることから、このような解釈がされています。
スーパー帰りの電撃ニュース
もうお母さんになるんだね
自身が支持していた有名な「女性」アーティスト(アイドル)が母親として成長し、女性らしい一面を見せる姿を知る。
この出来事が主人公の心に新たな気づきをもたらし、女性らしい感情が芽生えるきっかけとなる。
この歌詞から始まり、主人公は普通の幸福を憧れ、女性らしい心情へと変わっていく過程が描かれている。
捨てるか迷って取っておいた
絶望も役立ちそうだね
この場面での「絶望」とは、将来結婚し子供を持つことという道を指していると考えられます。
主人公は、結婚や子育てといった選択肢を軽んじながらも、心の奥底に一応保持していました。
しかしこの選択肢も、意外にも役立つ可能性があるかもしれないと気付くのです。
普通の幸せも悪くないかもしれないと思いながら、主人公の心情が変化していく過程が描かれています。
古びたものは嫌いだって
あたし泣きついてたのに
よそ行きで使うシャネルのリップも
何時かは塗ってあげたいな
以前は、新しいものを好んで追い求め、流行に敏感なスタイルを持つ女性だった自分。
そうした自分が大切にしていたシャネルのリップも、将来は自分の子供に塗ってあげることを考えると、時が経つにつれて価値を感じるようになった。
やっぱ郊外に住もうとおもうの
誰にも二人みつからないように
ディズニーランドに行ったって
幸せなんてただの非日常よ
パートナーと共に田舎で暮らす通常の幸福を願う気持ち。
一週間お風呂は禁止
「産後一週間は入浴を避けるべき」という指針から発想された可能性があると思いました。
このことから、主人公が子供を出産した可能性が考えられます。
そのあとほらねわかるでしょ
新しい気持ちでいようね
普通の幸せ守るの
ディスったやつの家にバラの
花束を毎日送るの
平凡な幸福を重要視する表現。
ここで言う「ディスったやつ」は、二行目の「普通の幸せにケチつけるのが仕事」を果たす一派の女性たちで、かつて女の子だった主人公にはその心情が共感されます。
サビ部分の「絶対女の子がいいな」の意味は
自身が女性であり続けたいという願望と、将来の子供が女の子だと良いと望む気持ち。
