【罠/THE BACK HORN】歌詞の意味を考察、解釈する。

アニメのテーマに基づいて、戦争の無駄さを伝える曲をご紹介します。
THE BACK HORNの「罠」は、「機動戦士ガンダム00」のエンディングテーマとしても知られており、その熱い演奏シーンは必見です!

ロック好きはもちろん、そうでない方にも聴きやすい

今回は2007年11月14日にリリースされたTHE BACK HORNの16thシングル「罠」をご紹介いたします。

気づけば、この曲も既に15年以上前の作品となってしまいました。

そして、THE BACK HORNも結成25年以上となります。この節目にふさわしい曲をご紹介できる機会となりますね。

現代の若い世代には、この曲を知らない方も多いかもしれません。

この曲を一言で表現するとすれば、「激しい」「荒々しい」といった印象が浮かびます。

ロックが好きな方には、間違いなくおすすめできる一曲です。

しかしながら、ロックに馴染みのない方にとっても、聴きやすい楽曲と言えます。

この二つの意見は矛盾しているように思えますが、それがTHE BACK HORNというバンドの特徴です。

この点については、曲の内容に触れていただくと理解していただけるかと思います。

大人気アニメのタイアップに大抜擢

「罠」はTHE BACK HORNにとって初めてのアニメタイアップ楽曲でもあります。

そのアニメは「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」です。

「罠」はこのアニメのエンディングテーマとして選ばれました。

ガンダムシリーズは、アニメ界の伝説的な作品として広く知られています。

THE BACK HORNが初のタイアップとして選ばれ、その中でも「機動戦士ガンダム00」に起用されたことは、現在考えると非常に驚くべきことですね!


深いテーマと人間ドラマが詰まったガンダムシリーズは、多くの人々に愛されています。

「機動戦士ガンダム00」もその例外ではありません。

この作品は、長い歴史の中で一つにまとまることのできない世界で戦争が続く様子を描いています。

「罠」がこの作品のファーストシーズンで使用された際には、以下のようなキャッチコピーが用いられました。

キャッチコピーは「ガンダムによる全戦争行為への武力介入を開始する」(ファーストシーズン)

ガンダムシリーズでは、戦争の継続によって荒廃した世界にガンダムが介入し、その終結を目指す物語が展開されています。

「罠」の歌詞もこの物語に沿った内容となっています。

歌詞は戦争の無益さを訴えるメッセージを伝えています。

このテーマはアニメの世界だけでなく、現実社会にも通じるものです。

戦争を完全になくすことは困難かもしれませんが、音楽が発するメッセージによって変化を起こすことは可能です。

この曲には深いテーマが込められており、ますます興味が湧いてくるのではないでしょうか?

いろんな要素が共存する楽曲

それでは、ここからは「罠」の楽曲の魅力についてお話しましょう。


荒々しいギターの音色が導入となり、力強くバンドが始動するイントロ。

このイントロだけでも、ロック好きの心を引きつけてしまいそうな魅力があります。

Aメロでは、リズミカルに響く楽器隊に対して、淡々とした歌声で歌い上げるヴォーカル。

ヴォーカルの山田将司のキャラクターにはどこか影のようなものも感じられ、それもTHE BACK HORNの魅力の一つです。

緊張感漂う雰囲気が演出されています。

そしてサビに入ると、バンドサウンドの中で勇ましく歌声を高らかに響かせます。

Cメロでは、一変して凛とした美しい空気感を醸し出し、素早い展開を楽しむことができます。


「罠」は、そのエッジの効いたサウンドが特徴的です。

しかしながら、前述の通り、ロックに馴染みのない人にとっても聴きやすさが共存しています。

そのトゲトゲしさと聴きやすさの共存は、なんとも不思議な感覚を抱かせますね。

各メンバーの個性的な演奏や歌声も、この点をサポートしているのかもしれませんね。

私たちへの教訓

ここまで楽曲の魅力や込められたテーマについてお話ししましたが、次に気になるのは歌詞ではないでしょうか。

以下では「罠」の歌詞の一部を抜粋して紹介いたします。


絶望は甘い罠 鎖されたその扉
心が戦場だから誰にも救えない

ここでは、困難な経験をきっかけに心を閉ざしてしまった人の様子が描かれています。

歌詞は、そのような人を傍から救うことはできないと述べていますが、私は異なる意見です。

私は、手を差し伸べることは可能だと思います。

歌詞では、最終的にはその人自身が前に進むかどうかは本人次第であることが歌われているのではないでしょうか。


ゼンマイの心臓が運命に操られ
ブリキの兵隊達は殺戮を始める

「ゼンマイの心臓」「ブリキの兵隊」という歌詞は、ガンダムを連想させますね。

「運命に操られ」という表現は、おそらくパイロットのことを指しているのでしょうか。

これらの歌詞は、アニメの内容を考慮して制作されていることが伺えます。

また、その表現も独特であり、THE BACK HORNらしさを損なっていないと感じますね。


命さえも玩ぶのか 壊れかけたおとぎの国で
胸の奥に走る痛みをどうかずっと忘れぬままで

戦争が命を軽んじる行為であることを強く訴え、その無益さを伝えています。

命が奪われる瞬間、私たち人間は確かに胸が痛みます。

ここでは、その感覚を忘れてはならないと歌われています。

その痛みは、私たちに大切なことを思い起こさせるものなのかもしれません。


歌詞の一部をざっと見てみましたが、いくつかの教訓のようなものが見受けられます。

「最終的に前に進むかどうかは本人次第」

「その胸の痛みを忘れてはならない」

どちらも、人間として大切なことのように感じられます。

菅波栄純が作詞を担当したことからも、彼が多くの経験を積んできたのだろうと想像されます。

まとめ

今回はTHE BACK HORNの「罠」をご紹介しました。

この楽曲は、ロック好きな方はもちろん、ロックにあまり馴染みのない方にも聴きやすい内容です。

歌詞には考えさせられるテーマが込められており、THE BACK HORNの魅力が伝わったでしょうか。

彼らが結成25年以上を迎えた今、これからも彼らの活動が続いていくことを願っています。

また、THE BACK HORNの他の楽曲も魅力に溢れています。

きっとお気に入りの楽曲を見つけていただけることでしょう。