1. 「BIG UP」の言葉のルーツと意味：レゲエ・ヒップホップ由来の賛辞表現とは
「BIG UP」というフレーズは、もともとジャマイカのレゲエやダンスホール文化にルーツを持つ言葉です。英語で「大きく持ち上げる（＝称賛する）」というニュアンスを含み、誰かを讃える際に使われます。
レゲエでは「Respect（リスペクト）」と並んで頻繁に使われ、「お前すごいな！」「その心意気に敬意を表する！」というニュアンスで使われることが多いのが特徴です。
WANIMAの「BIG UP」では、この言葉が象徴するポジティブなエネルギーが楽曲全体に満ちています。ただの誉め言葉ではなく、歌詞の中で相手を尊重し称える意思表明として、非常に重要な役割を担っているのです。
2. クラブで熱帯夜を踊る男女のスパーリング：歌詞に描かれる夜の人間模様
「BIG UP」の歌詞に登場するシーンは、明らかにクラブやバーなど夜の都市を舞台にしており、そこで出会う男女の関係性が描かれています。
「熱帯夜」「踊れ」「週末のご褒美」などのキーワードから、非日常の開放感や刹那的な恋愛模様が垣間見えます。
この夜のスパーリングは、単なる「遊び」や「ナンパ」ではなく、どこか不器用でありながら本気の感情を交差させる、WANIMAらしい人間臭さを含んでいます。踊りながらも心の距離を探る、そんなもどかしい関係がリアルに伝わってくるのです。
3. エロかっこいい歌詞考察：過激な比喩と肉感的描写の真意
「暗くて狭いとこで1度イカしとくれよ baby」など、非常に直接的かつ過激な歌詞表現が登場する「BIG UP」。WANIMAは、こうした“エロかっこいい”とも称されるスタイルを楽曲に取り入れることで、衝動や欲望のリアルさを描いています。
このような表現には批判もある一方で、ストレートな感情表現としてリスナーからの共感を呼んでいるのも事実です。特に若者層にとっては、「言えないけど分かる」衝動を代弁する存在ともなっています。
過激な歌詞もただのネタではなく、人間の本質を描く手法のひとつ。WANIMAの歌詞世界は、こうしたギリギリの表現によってより立体的になっているのです。
4. 「Aから始まり」の意味って？ヤフコメ＆知恵袋で語られる解釈
歌詞の中に出てくる「Aから始まり」は、一見すると抽象的な表現ですが、インターネット上ではさまざまな解釈が飛び交っています。
Yahoo!知恵袋では「これは“キス”を意味しているのでは？」という説が有力です。アルファベットの始まり＝行為のスタートと捉え、「A→Z」まで続く関係性を暗示しているとも読み取れます。
このような暗喩的表現は、直接的な言葉ではなく行間で意味を読ませる高度なテクニックとも言えます。リスナーの想像力を刺激する、WANIMAならではの“余白”を持った歌詞なのです。
5. ZionとHi and Lowの象徴性：歌詞に込められた欲望とリスペクトの狭間
「Zion（ザイオン）」という言葉は、旧約聖書に登場する「理想郷」を意味します。レゲエ文化では「自由」や「希望」を象徴する言葉として頻繁に使われます。また「Hi and Low」は高揚と落差を表し、感情のジェットコースターを暗示しています。
この２つの言葉を同じ歌詞の中に入れ込むことで、「BIG UP」はただのラブソングではなく、人生の矛盾や人間の欲望、そしてその先にある“理想”をも描いているのです。
WANIMAの歌詞は一見すると軽快でノリのいいパーティーチューンに聞こえますが、実は深層に非常に豊かな象徴性とメッセージ性を持っています。
