【優しさ/藤井風】歌詞の意味を考察、解釈する。

今何を見ていた あなたの夢を見た
優しさに殺られた あの人の木陰で
今何を見ていた あなたの影を見た
優しさに震えた あの腕の中で

楽曲を通して表現されるのは、私とあなたの関係です。
私はあなたにとって母のような存在であり、愛情と優しさを注いでいます。
青いバラを身に纏った人物が音楽ビデオに登場します。
青いバラは「不可能」を意味する花言葉ですが、私にとっては「愛を手に入れる前の自分が感じる愛」を象徴しているのでしょう。
歌詞の一節「今何を見ていた あなたの夢を見た」は、私が優しさに触れた時の感動を思い出している瞬間を表現しています。
私はあなたの後ろについて木陰で寄り添い、あなたの腕に包まれながら、ただあなたの優しさを強く感じる夢のような記憶を持っています。
そして「優しさに殺られた」というフレーズは、優しさに触れることで私の人生観が一変したような衝撃を表現しています。

ちっぽけで からっぽで 何にも持ってない
優しさに 触れるたび わたしは恥ずかしい

知らぬ間に 失くしちゃうから
心に深く刻み込んだ あなたの眼差し

あなたが与えてくれる無償の愛と優しさに対して、私は優しさを返すことができないのです。
あなたの優しさに触れると、私はその衝撃に心を奪われ、自分も優しくなろうと試みますが、日常の喧騒に埋もれ、すぐに忘れてしまうのです。
だからこそ、私はあなたの優しい眼差しを深く心に刻み、忘れないようにします。

今何を見ていた あなたの目を見てた
優しさに殺された あの人の木陰で
今何を見ていた あなたの影を見た
優しさに震えた あの腕の中

サビの最初のフレーズ「あなたの夢を見た」が「あなたの目を見てた」に変わっています。
私はあなたの目を見つめながら、優しさを忘れないようにしています。
そして、優しくなる過程において、私自身が徐々に優しくなっていることを実感しています。
つまり、愛を理解し、実践していると言えるのです。

置き去りにした愛情を 探しに帰って
温もり満ちた感情を いま呼び覚まして
凍えた心が愛に溶けてゆく
花の咲く季節が戻ってくる

人々は皆、生まれつき持っている「愛」を求めて旅立ちます。
社会の中で様々な価値観にまみれながらも、本来の純粋さとありのままの心に還りたいと願うのです。
私たちは忘れ去ってしまった愛や、生まれながらに持っていた愛を取り戻すために、感情に満ちた場所へ向かっています。
ここからの歌詞からは、藤井風の「ハイヤーセルフ」という思想が歌の世界観から伺えます。

ハイヤーセルフとは?

藤井風本人が口にした概念である「ハイヤーセルフ」は、一般的にスピリチュアルや宗教的な意味合いで理解されるものであり、簡潔に言えば「より高次の自己」を指します。
彼は解説動画の中で、ハイヤーセルフについて以下のように述べました。
・神様みたいな存在
・一人ひとりの内部に存在する
・ネガティブな感情であるエゴ、利己心、嫉妬とは無縁なもの
・そのすべては愛である
これらの言葉を考慮すると、ハイヤーセルフを見つけることと優しさを取り戻すことは、広い意味で「悟り」に近い状態と言えるのでしょう。

今何を見ていた あなたの目を見てた
優しさに殺られた あの人の木陰で
それだけで良かった 何より強かった
優しさでよかった ただそれだけで

優しさについて言えば、それだけで十分でした。
優しさは頼りないものではなく、また弱いものでもありません。
むしろ、優しさは強さを持ったものなのです。