「First Love」という曲は、宇多田ヒカルのデビューアルバムのタイトル曲として1999年に発売されました。
16歳の若干ながら才能あふれる宇多田ヒカルの登場は、その後のJ-POPの歴史に大きな影響を与えました。
この素晴らしいラブソングの歌詞を解釈しながら、再び宇多田ヒカルの才能を確認したいと思います。
デビューアルバムのタイトル曲
1999年3月10日に、宇多田ヒカルのデビューアルバム「First Love」が発売されました。
その前に、既にデビューシングル「Automatic」がチャートを席巻し、話題を集めていました。
結果として、「First Love」は800万枚以上の売り上げを達成しました。
この記録は、現在も破られていない日本国内のアルバムセールス数です。
このデビューアルバムのタイトル曲である「First Love」は、16歳の少女が歌うラブソングとして、セールス数字以上の衝撃を与えるものでした。
それでは、歌詞をご覧いただきましょう。
恋の終わりの切なさ
最後のキスは
タバコの flavorがした
ニガくてせつない香り
明日の今頃には
あなたはどこにいるんだろう
誰を想ってるんだろう
「First Love」は、その名の通り初恋に関する曲です。
この曲は、すでに終わった恋を回想する形で表現されています。
「最後のキスはタバコのflavorがした」というフレーズから、相手は喫煙者であったことがわかります。
しかしその相手はもはや主人公の傍にはいません。
別れた相手を思い出し、切ない心情が描かれています。
You are always gonna be my love
いつか誰かとまた恋に落ちても
I’ll remember to love
You taught me how
You are always gonna be the one
今はまだ悲しい love song
新しい歌 うたえるまで
「You are always gonna be my love」は、「あなたはいつまでも私の愛」という意味です。
そして、「I’ll remember to love you taught me how」は、「あなたが教えてくれた愛のあり方を忘れない」という意味になります。
この歌詞のメッセージから、あなたとは別れてしまったけれども、あなたを愛した日々は忘れないことを伝えたいのでしょう。
初めて人を愛した経験や思い出は、誰を愛したとしても消えることはありません。
別れの痛みはまだ鮮明で、振り返っても悲しい気持ちになります。
新たな歌を歌うことは、新しい恋へ進んでいく意味を持っているでしょう。
ただ、それにはまだ少し時間が必要なのかもしれませんという思いが感じられます。
消えてくれない想い
立ち止まる時間が
動き出そうとしてる
忘れたくないことばかり
明日の今頃には
わたしはきっと泣いている
あなたを想ってるんだろう
主人公は、破れた初恋の痛みに沈んでいます。
しかし、彼女はいつまでも停滞するわけにはいかず、前に進もうと努力します。
それでも、忘れられない思い出が次々とフラッシュバックしてきます。
明日も彼女はあなたを思い出して泣いている姿が思い浮かびます。
前進しなければならないことを理解しながらも、一歩を踏み出すことができません。
失恋の痛みに苦しむ葛藤が、リアルに描かれていると思われます。
You will always be inside my heart
いつも あなただけの場所があるから
I hope that I have a place in your heart too
Now and forever you are still the one
今はまだ悲しい love song
新しい歌 うたえるまで
「You will always be inside my heart」は、「あなたは私の心の中にずっと存在している」という意味です。
別れても、その存在を心から消すことはできません。
「I hope that I have a place in your heart too」は、「私もあなたの心に場所があればいいな」という意味です。
私の心にあなたがいるように、あなたの心にも私がいてほしいという切なる願いです。
しかしそれは叶わないかもしれません。
主人公も、あなたへの思いを超えなければ前に進むことができないことを理解しています。
しかし、現時点では新しいラブソングを歌うことはできません。
それほど、この初恋は彼女にとって重要なものだったのでしょう。
16歳が作ったという衝撃
誰もが「初恋」の思い出を持っていると思います。
ただし、この曲がそれを非常に感情豊かに、大人のラブソングとして描いたものは他にはないと考えます。
驚くべきことは、この曲を作った宇多田ヒカルが当時わずか16歳の少女だったということです。
「First Love」の内容が宇多田ヒカルの実体験なのか、想像上の物語なのかはわかりません。
どちらにせよ、16歳の少女がこのようにリアルに恋愛の感情を描いたことは驚きです。
大人の作家が書いたラブソングを歌うのは10代の歌手がほとんどでしたが、16歳の彼女が自分の言葉で恋愛の苦しみをリアルに歌ったのです。
新たな世代のアーティストが登場したことを、多くのファンが実感したことでしょう。
宇多田ヒカルは、彼女自身の才能によってその後のJ-POPの流れを変えるほどの衝撃を与えたのです。