SIX LOUNGEの「アザス feat. Skaai」では、逃げ出したい気持ちがこぼれたあと、急に返事だけが軽くなります。余裕を装う声のすぐあとに、焦りを認める言葉が続く。このちぐはぐなやり取りに、弱さを隠したい気持ちと、ここで踏みとどまりたい意地が重なっています。
「アザス feat. Skaai」はどんな曲?
SIX LOUNGEがラッパーのSkaaiを迎えた「アザス feat. Skaai」は、2026年8月12日に先行配信された楽曲です。8月26日発売のアルバム『逆夢』の4曲目に収録され、10月30日にミュージックビデオが公開されました。 先行配信のお知らせ / 『逆夢』収録曲 / 公式MV公開のお知らせ SIX LOUNGE official site
| 項目 | クレジット |
|---|---|
| 作詞 | ナガマツシンタロウ・Skaai |
| 作曲 | ヤマグチユウモリ・Skaai |
| 編曲 | SIX LOUNGE |
タイトル「アザス」は、言葉を飲み込んだあとの返事
「アザス」は「ありがとうございます」を縮めた、くだけた言い方です。歌詞では、語り手が言いたいことを飲み込んだ直後に、ひらがなの「あざす」が出てきます。短い礼なら、気持ちを説明する前にひと息つけます。この曲の返事も、会話をつなぎながら、どこまで本音を明かすかを自分で決めるための言葉に聞こえます。
中盤で「あざす」が戻ってくると、その直後には、まだ続けるという意志が表れます。誰かに返事をするような短い礼が、今度は自分を奮い立たせる掛け声にも聞こえます。 歌ネット
なぜ、あさってなら笑えそうなのか
サビには、大げさに褒めるような掛け声も入ります。その勢いのあとに浮かぶのは、あさってには笑えているかもしれない、という小さな見通しです。ここで笑える時期を少し先に置くことで、語り手には、今すぐ元気に振る舞うことから離れる猶予が生まれます。
あさってという具体的な近さに、笑えるかどうかはまだ分からないという曖昧さが残る。大きな目標を思い描くには苦しい夜でも、二日先の自分の顔なら想像できる。そのくらいの希望が、このサビには似合います。 歌ネット
Skaaiとの共作で、焦りを分け合う声が生まれた
作詞を手がけたナガマツシンタロウは、歌ネットのエッセイ「New Born」で、バンドのことや先行きへの焦りを曲のテーマとしてSkaaiに伝えたと振り返っています。Skaaiは自分にも通じる話だと応じ、ナガマツはその返事に救われたといいます。曲作りのやり取りを、バトンを受け渡すようだったとも表現しています。 ナガマツシンタロウ「New Born」 歌ネット
この経緯を知って聴くと、後半で一人称が複数形になり、飲みに行こうと誘うくだりが耳に残ります。自分の中で回り続けていた言葉が、返事をくれる相手に届く。そんなふうに読むと、気軽な誘いにも、誰かと次の一日を迎えようとする気持ちがにじみます。
絶望にまで、なぜ声をかけるのか
曲の中盤と終盤で、語り手は絶望に挨拶をして、一緒にやってみようと持ちかけます。ここで急に丁寧な誘い口調になるのが面白いところです。自分を圧倒する気分を話し相手のように扱い、自分から会話を始める。その冗談めいた態度に、語り手の反抗心が表れています。
冒頭に出てくる「革命」という言葉は、最後に敗者を指す言葉と結びついて戻ってきます。うまくいかない側にいる自分にも、何かを変える余地がある。そう読むと、絶望への誘いは、焦りが残る今から自分で次の一手を決めるための言葉に聞こえます。 歌ネット


