【BURN/THE YELLOW MONKEY】歌詞の意味を考察、解釈する。

「BURN」は、THE YELLOW MONKEY(ザ・イエローモンキー、通称:イエモン)の曲で、売り上げと人気の両方が高かった楽曲です。
この曲は、TBS系のドラマ「職員室」の主題歌としても知られており、そのクールな雰囲気からは熱血の女性教師の主人公を連想させます。
しかし、この楽曲にはさまざまな意味やイメージが含まれており、単なるドラマのテーマ曲以上の魅力があります。
さらに、楽曲のPVには燃えるような色男たちの姿も登場し、視覚的な魅力も存分に楽しむことができます。

最大のヒット曲

突然ですが、THE YELLOW MONKEYと言えば、どの楽曲が最も印象的ですか?
彼らの楽曲はインパクトが強く、数多くの名曲が存在しますが、今回紹介するのは最もヒットした楽曲の一つ、「BURN」です。
「BURN」は1997年にリリースされ、その魅力は未だに色あせていません。
このシングルには、前作「LOVE LOVE SHOW」の英語バージョンも含まれており、特にこの英語バージョンは、ファンにとっては貴重なアイテムと言えるでしょう。


THE YELLOW MONKEYの楽曲には、女性を愛する対象としてではなく、女性としての個性が描かれた曲も存在します。
今回紹介する「BURN」は、傷つきながらも前進する強い女性像を表現した楽曲です。
この曲はラテン調の要素も含まれており、さらに東北地方にも深い意味が込められています。

「BURN」と言えば、独特の歌唱スタイルも印象的ですね。
この歌唱法やフレーズには、東北地方の民謡の影響が感じられます。
実際、PVは山形で撮影され、さらに「帰ってきたウルトラマン」のイメージも取り入れられています。
これらの要素が結合することで、不思議ながらセクシーな雰囲気が生まれています。

ドラマ主題歌

「BURN」は1997年に発表され、TBS系列で放送されたドラマ「職員室」の主題歌としても知られています。
このドラマの主人公は、矢崎葉子役を演じた浅野温子さんが扮するキャラクターです。
物語は、心に傷を負った元教師が長距離トラックのドライバーから教育現場に戻り、さまざまな困難に立ち向かう姿を描いています。

矢崎葉子はクールで感情を表に出さない性格で、その美しさは彼女が様々な問題に立ち向かう様子と共に際立ちます。
彼女の強さが「BURN」の歌詞と共鳴し、ドラマとの調和が実現しました。
歌詞の変更案が浮上したものの、吉井和哉の意向により初期の歌詞が採用されたとのことです。
この楽曲、バンドメンバー、そしてドラマとの一体感から、熱烈な情熱が伝わってきます。

彼女がその感情と戦っている

赤く燃える孤独な道を
誰のものでもない 髪をなびかせ
道の先には蜃気楼
あの日を殺したくて閉じたパンドラ

人々は傷つきながらも生きています。
その中で、孤独な道を進むことを決意した女性の決然とした姿勢が浮かび上がります。
歌詞中の「髪をなびかせ」る表現は、この楽曲の主人公が女性であることを強調するためのものかもしれません。
その長い髪は誰かの所有物ではなく、彼女自身のものであり、その髪には誰かのために大切にしてきた思い出や、誰かに触れられることを待ち望んだ願望が込められているかもしれません。
男性にとって、長い髪はしばしば女性の象徴とされており、この歌詞もそのようなイメージを反映しているのかもしれません。


燃え盛る炎と蜃気楼の光景は、情熱的な赤色を連想させ、熱さを感じさせます。
しかし、彼女が選んだこの未知の道にはまだ先が見えず、未来に待ち受けるものは分からないでしょう。
歌詞には、「あの日」に彼女を後押しするほどの、忘れたい出来事があったことが示唆されています。
命以外のものに対して「殺す」という言葉が使われており、日々の過去や時間に対する強い決意や別れを表現しています。
「殺す」という表現は、出来事の重要性と決定的な影響を強調するために選ばれたものと考えられます。

一方で、この表現の冷酷さに対照的に、炎はそのまま情熱を感じさせます。
また、「パンドラ」という人物の名前は登場しますが、「閉じた」という言葉が付け加えられており、これはおそらくパンドラの箱に言及しているのかもしれません。


悲しい気持ちないわけじゃない
遠い昔に無くしてきたの

傷ついた経験から悲しみを完全に克服することは、稀なことでしょう。
どれほど強く意志を持っても、時には悲しみや辛い感情の記憶が、喜びなどの記憶に優ることがあります。
主人公は、その悲しみの感情を徹底的に排除しようと努力しているようです。
言葉の選び方にも注目ですね。
彼女は感情を「失くした」のではなく、「無くした」と表現されています。
これは、彼女が積極的にその感情を排除しようとしていることを示唆しています。
しかし、その一方で、今後の展開からは彼女がその感情と戦っている様子も見て取れます。

自己成長と向上心

限りない喜びは遥か遠く
前に進むだけで精一杯
やわらかな思い出はあそこにしまって
BURN BURN BURN BURN BURN
OH…

彼女が選んだ道は、平坦ではありません。
古傷が時折痛み出し、痛みの記憶が蘇り、前に進もうとする決意を困難にする瞬間もあるでしょう。
幸せを手に入れることは容易ではなく、その道のりはまだ厳しいものです。
しかし、彼女は「喜び」という目標を持ちつつも、急いで進む様子は見せません。
記憶を上書きしようとせず、むしろ戦いながら着実に1歩ずつ前進しているのかもしれません。
「あそこ」という表現は、吉井和哉ならではのユニークな言い回しでしょう。


この楽曲には、印象的なメロディと特徴的な歌唱法がサビでも際立っています。
特に、民謡のコブシを思わせる歌唱法と、歌詞の表記とは異なる発音が印象的です。
特に「思い出」の部分を「おもいでぃ」と聞こえることもあるかもしれません。
これらの要素は、東北地方の影響が感じられる部分の一例でしょう。


夜は薄紅色の夢を見て
朝は希望のブラインド開けることなく
せめて身体だけはキレイに
可愛い可愛い寂しくはない
OH…

薄紅色は、わずかに赤みを帯びた色合いであり、紅としての化粧を軽くほのめかす意味も含まれています。
微かな赤みのついた唇や頬は、どこか官能的な光景を思い浮かべさせます。
また、日の光を浴びずに清潔を保ちたいという気持ちは、夜の仕事を連想させるかもしれませんが、それでも「可愛い」と「寂しくはない」と自己説得しているように感じられます。
おそらく、寂しさや悲しみといった感情に襲われたことから、自己暗示をかけているのかもしれません。


夏の海とか冬の街とか思い出だけが性感帯 OH YEAH
なぜか今夜は眠ったはずの魂が燃える
AH…HOLD ME HOLD ME
HOLD ME HOLD ME

吉井和哉には、こうしたエロスの要素を巧みに取り入れる才能がありますね。
四季や風景には、感情豊かで郷愁にかられる思い出が詰まっています。
どんなに温かく優しい思い出であっても、触れたくない、秘めておきたいという気持ちから、それを押し込めていたのでしょう。
一旦触れてしまうと、性的興奮と同じように、精神的な反応が引き起こされてしまいます。
思い出の中には、寂しさや悲しみの記憶も潜んでいます。
自分を抑え込もうとすればするほど、感情が突如として溢れ出す瞬間があることもあります。
その瞬間、ただ抱きしめてほしいと思うこともあるでしょう。
言葉や説明は必要なく、ただ抱かれていたいのです。


飛べない鳥はとり残されて
胸や背中は大人だけれど

自然界において、鳥たちは飛ぶ技術を習得しなければ、餌を捕らえることすら難しい状況に直面します。
美しい声や鮮やかな体色を持っていたとしても、その生存競争の中で成功することは難しいでしょう。
同様に、人間においても同じことが言えます。
外見や外部の印象が大人らしいものであっても、自己成長と向上心がなければ、自力で困難を乗り越えなければならないことがあります。

彼女は激しく燃えている

限りない喜びは遥か遠く
人に話すだけで精一杯
やわらかな思い出は心にしまって

まだまだ未来の到達点は見えていないかもしれませんが、彼女は自身の苦しみを他人に分かち合うことができるようになりました。
かつて「あそこ」にしまい込んでいた思い出も、今では引き出すことのできる「心」へと変わっています。
これは僅かな変化かもしれませんが、過去を受け入れることができるようになった兆候かもしれません。
進歩していないと感じますか?
それとも、1歩、いや半歩でも前進できたと捉えますか?


BURN BURN BURN
BURN BURN BURN
BURN BURN BURN BURN BURN
BURN BURN
BURN BURN
BURN BURN
BURN BURN

「BURN」というタイトルを連呼しているだけのように感じるかもしれませんが、私は彼女の内面に焦点を当ててみました。
彼女は未来に向かって情熱を燃やしています。
まるで業火に身を投じたかのように、彼女は激しく燃えているのです。

まとめ

「BURN」は、THE YELLOW MONKEYの名曲の中でも、特に顕著な存在です。
吉井和哉自身もこの楽曲を「THE YELLOW MONKEYの頂点」と評価しています。
この曲は、ロックにラテン、民謡、歌謡曲など、日本の音楽の歴史的要素を巧みに組み合わせており、その多様性が時代を超えて愛され続ける理由の一つでしょう。
売り上げを含め、THE YELLOW MONKEYの代表曲の中でもトップクラスに位置する楽曲と言えるでしょう。