Novelbright「愛とか恋とか」歌詞の意味を考察|“君色に染まる”恋は依存なのか、それとも愛なのか

好きな人ができると、それまで興味のなかったものまで特別に見えることがあります。

相手が好きな音楽を聴く。

勧められた映画を見る。

同じ香りを街で感じるだけで、その人を思い出す。

退屈だった一週間も、会える予定があるだけで少し明るくなる。

恋によって変わるのは、相手との時間だけではありません。

自分が見ている日常そのものです。

Novelbrightの「愛とか恋とか」は、そんな幸福の中にいる主人公を描いたラブソングです。

主人公は、“君”と出会ったことで多くのものを好きになります。

昔なら選ばなかった音楽。

自分からは見なかった映画。

何気ない香り。

相手が大切にするものへ触れるうちに、自分の世界も広がっていきます。

一見すると、好きな人へ夢中になった幸福な人物の歌です。

しかし、歌詞を丁寧に見ていくと、少し危うい感情も浮かび上がります。

主人公は、相手との時間を人生の中心に置いています。

会えない日は思い出によって気持ちを支え、相手も自分と同じ強さで愛しているのかを何度も確かめようとします。

“君色に染まる”ことは、相手の世界を受け入れる美しい愛なのでしょうか。

それとも、自分自身を失い、恋人へ依存していくことなのでしょうか。

では、タイトルの「愛とか恋とか」は何を意味しているのでしょう。

なぜ単純に「愛」や「恋」ではなく、少し曖昧な「とか」が付けられているのでしょうか。

本記事では、Novelbright「愛とか恋とか」の歌詞に込められた意味を、楽曲やミュージックビデオの背景から詳しく考察します。

  1. Novelbright「愛とか恋とか」とは
  2. 【結論】「愛とか恋とか」は、相手を好きになることで世界まで好きになる歌
  3. タイトル「愛とか恋とか」の意味
  4. なぜ「とか」が付いているのか
  5. 愛と恋の違いを決める必要はない
  6. 月曜日の朝が憂うつな理由
  7. “君”は日常を変える存在
  8. 主人公が昔は聴かなかった音楽を好きになる意味
  9. 映画は相手の価値観を知る入口
  10. 香水の匂いが記憶を呼び起こす理由
  11. 好きな人の好みへ影響されるのは悪いことか
  12. “君色に染まる”とはどういう意味か
  13. 染まることと自分を失うことの境界
  14. 恋愛における「自分らしさ」とは何か
  15. 会えない時間に思い出を振り返る意味
  16. 主人公は“君”に依存しているのか
  17. “君以外は何もいらない”という愛の危うさ
  18. “君も同じかな”に隠された不安
  19. 愛の大きさは同じでなければならないのか
  20. 目を見て伝えることの意味
  21. 普通の日々が特別になる理由
  22. 「普通」は退屈ではない
  23. 恋は始まり、愛は日常なのか
  24. タイトルが示す“名前より大きい感情”
  25. ミュージックビデオが単純な恋愛物語ではない理由
  26. MVに映る表情が意味するもの
  27. バンドサウンドを抑えた理由
  28. ポップな曲調が表す恋の軽やかさ
  29. 「愛とか恋とか」が長く聴かれる理由
  30. 「愛とか恋とか」に関するよくある疑問
    1. 「愛とか恋とか」はどのような歌ですか?
    2. タイトルの「愛とか恋とか」とはどういう意味ですか?
    3. なぜ「とか」が付いているのですか?
    4. 主人公と“君”は恋人ですか?
    5. “君色に染まる”とはどういう意味ですか?
    6. 主人公は依存しているのですか?
    7. 月曜日にはどのような意味がありますか?
    8. 音楽や映画、香水が登場するのはなぜですか?
    9. ミュージックビデオには誰が出演していますか?
    10. 「愛とか恋とか」はいつリリースされましたか?
  31. まとめ|「愛とか恋とか」は“君”を愛することで、自分の世界まで愛せるようになる歌

Novelbright「愛とか恋とか」とは

「愛とか恋とか」は、Novelbrightが2022年4月15日に先行配信した楽曲です。同年5月18日発売のメジャー2ndアルバム『Assort』では、リード曲として収録されました。作詞は竹中雄大、作曲は竹中雄大と沖聡次郎が担当しています。

Novelbright公式サイトは、本作を心温まるポップで前向きなラブソングとして紹介。ミュージックビデオについては、単純なラブストーリーやヒューマンドラマではなく、言葉だけでは片付けられないほど大切な“君”を描いた作品だと説明しています。

竹中雄大によると、従来のNovelbrightとは異なり、一般的なバンドサウンドを前面に出さず、アコースティックギター、シンセベース、電子ドラムを中心に制作した挑戦的な楽曲でもあります。

配信後は徐々に人気を拡大し、Billboard JAPANでは2024年3月にストリーミング累計3億回を突破。さらに2025年7月には、Novelbright公式が同チャートでの4億回突破を報告しました。

【結論】「愛とか恋とか」は、相手を好きになることで世界まで好きになる歌

「愛とか恋とか」の意味をひと言で表すなら、一人の大切な相手を知ることで、その人が見ている世界や、何でもなかった日常まで愛せるようになる歌です。

主人公が好きなのは、“君”という人物だけではありません。

“君”が好む音楽。

“君”が見てきた映画。

“君”を思い出させる香り。

“君”と過ごす予定がある一日。

相手と結びついたものが、次々に主人公の世界へ入り込みます。

恋とは、自分とは異なる人生を生きてきた人に興味を持つことでもあります。

相手がなぜその曲を好きなのか。

どの場面で笑い、何を悲しいと感じるのか。

相手の世界へ触れることで、自分一人では出会えなかった価値観を知る。

主人公は“君”へ近づきながら、同時に自分の世界を広げているのです。

タイトル「愛とか恋とか」の意味

「愛とか恋とか」というタイトルには、明確に定義することを避けるような響きがあります。

愛。

恋。

それに似た何か。

二人の関係を一つの言葉へ固定せず、複数の感情をまとめて表しているのでしょう。

一般的に「恋」は、相手を強く求める感情と結びつきます。

会いたい。

自分を見てほしい。

相手の特別な存在になりたい。

一方の「愛」には、相手を大切にし、幸福を願い、長い時間を共にする感覚があります。

ただし、現実の恋愛で二つを完全に区別することはできません。

相手を求める恋の中にも、相手を思いやる愛があります。

長く続く愛の中にも、会いたくて苦しくなる恋があります。

タイトルは、二人の関係が「恋」か「愛」かという分類を超えるほど大きくなったことを表しているのでしょう。

なぜ「とか」が付いているのか

「とか」は、例を挙げるときに使う言葉です。

音楽とか映画とか。

休日とか仕事帰りとか。

すべてを厳密に説明するのではなく、「そのようなものを含む」という余白を残します。

そのため「愛とか恋とか」には、恋愛用語だけでは説明し切れない感情があるという意味を読み取れます。

安心。

尊敬。

憧れ。

独占欲。

依存。

友情に似た親しさ。

一緒に生活する家族のような感覚。

相手に向けられる感情は、一つではありません。

主人公は、自分の思いを愛か恋かに分類するより、そのすべてを含めて“君”が大切だと伝えようとしているのです。

愛と恋の違いを決める必要はない

二人の関係を説明しようとすると、私たちは名前を求めます。

付き合っている。

友達である。

家族である。

片思いである。

名前が付けば、相手との距離や行動の基準が分かりやすくなります。

しかし、名前が感情のすべてを表すわけではありません。

恋人ではなくても、人生を支えるほど大切な人がいる。

家族であっても、深く理解し合えない場合がある。

「愛とか恋とか」は、関係の名称よりも、実際に相手をどれだけ大切にしているかへ視線を向けています。

月曜日の朝が憂うつな理由

月曜日は、休日が終わり、学校や仕事へ戻る日です。

楽しい時間から現実へ戻されるように感じる人も多いでしょう。

主人公にとっても、本来なら気持ちが重くなる朝です。

しかし、“君”に会える予定を思い浮かべるだけで、その日の景色が変わります。

仕事や学校の内容が変わったわけではありません。

月曜日が休日になったわけでもない。

主人公の気持ちだけが変化しています。

ここには、幸福が環境だけで決まるものではないことが描かれています。

同じ道。

同じ朝。

同じ予定。

それでも、心に誰を思い浮かべるかによって世界の見え方は変わります。

“君”は日常を変える存在

恋愛作品では、特別なデートや劇的な告白が描かれがちです。

しかし「愛とか恋とか」の中心にあるのは、何でもない日常です。

一週間の始まり。

普段歩いている道。

音楽や映画。

香り。

会えない時間。

主人公の幸福は、非日常へ逃げることではありません。

日常の中に“君”を見つけることです。

恋によって現実を忘れるのではなく、以前より現実を楽しめるようになる。

“君”は主人公を別世界へ連れていく人物ではなく、今いる世界の価値を変える人物なのです。

主人公が昔は聴かなかった音楽を好きになる意味

音楽の好みは、その人の経験や性格と結びついています。

どのような歌詞に共感するか。

どの音に心地よさを感じるか。

思い出と結びついた曲があるか。

主人公は、“君”の好きな音楽へ触れます。

最初は相手を知るために聴き始めたのかもしれません。

しかし繰り返し聴くうちに、その音楽は主人公自身の好きなものへ変わっていきます。

これは単なる好みの模倣ではありません。

相手を通して、新しい感性を手に入れたということです。

映画は相手の価値観を知る入口

同じ映画を見ても、心に残る場面は人によって異なります。

恋愛場面に感動する人。

家族の関係へ共感する人。

主人公の決断へ怒りを感じる人。

映画について話すことは、相手が世界をどう見ているかを知ることでもあります。

主人公は、“君”が好きな映画を通して、相手の内側へ近づこうとしているのでしょう。

何が好きかを知るだけではありません。

なぜ好きなのかを知ろうとする。

その姿勢が、恋を愛へ近づけます。

香水の匂いが記憶を呼び起こす理由

香りは、記憶と強く結びつく感覚です。

街ですれ違った人から似た香りがしただけで、昔の恋人や特定の場所を思い出すことがあります。

主人公にとって、“君”と結びついた香りは、相手がそばにいない時間にも存在を感じさせるものです。

香りには形がありません。

手でつかむこともできず、しばらくすれば消えてしまいます。

そのため、会えない相手を思う気持ちにも似ています。

確かに感じる。

けれど、直接触れることはできない。

主人公は香りによって、幸福な記憶と現在の距離を同時に感じているのでしょう。

好きな人の好みへ影響されるのは悪いことか

恋人の好きなものへ興味を持つと、「自分がない」と言われることがあります。

音楽の趣味を合わせる。

服装が変わる。

相手の好きな料理を選ぶ。

確かに、嫌なものまで無理に好きになる必要はありません。

相手から嫌われないために自分を偽り続ければ、関係は苦しくなります。

しかし、人から影響を受けること自体は悪いことではありません。

人間は、家族や友人、恋人との関係によって変化します。

自分一人だけで作られた個性は存在しないでしょう。

重要なのは、相手の好みを取り入れることが、自分の世界を広げているのか、それとも自分を消しているのかという違いです。

“君色に染まる”とはどういう意味か

“君色に染まる”とは、相手の価値観や好みが主人公の生活へ深く入り込んだことを表します。

主人公は、“君”と出会う前と同じ人物ではありません。

好きなものが増えた。

一日の感じ方が変わった。

未来の想像に、相手が登場するようになった。

この変化を、主人公は幸福なものとして受け入れています。

恋をすると、自分の中に相手の一部が残ります。

二人が同じ時間を過ごすほど、言葉遣いや考え方が似ることもあるでしょう。

“君色に染まる”とは、相手によって自分が失われることだけではありません。

自分の中に、以前はなかった色が増えることでもあるのです。

染まることと自分を失うことの境界

相手へ合わせ続けると、何が自分の好みなのか分からなくなる場合があります。

本当は行きたくない場所へ行く。

嫌いなものを好きなふりをする。

自分の友人や時間より、恋人だけを優先する。

そこまで進めば、“君色に染まる”ことは依存へ近づきます。

しかし歌の主人公は、すべてを我慢して相手へ合わせているようには見えません。

相手との出会いによって新しいものを自発的に楽しんでいます。

染められたのではなく、染まっていく自分を喜んでいる。

受動的な支配ではなく、相手からの影響を選んで受け入れているのです。

恋愛における「自分らしさ」とは何か

自分らしさは、変化しない性格や好みではありません。

経験や出会いによって変わることも、自分の一部です。

以前は興味がなかった。

けれど、“君”と出会って好きになった。

その新しい好みも、本物の自分でしょう。

大切なのは、変化した理由が恐怖ではないことです。

嫌われたくないから変わる。

見捨てられないために我慢する。

それでは、自分の意思が失われます。

相手をもっと知りたい。

一緒に楽しみたい。

自分の世界も広げたい。

その気持ちから生まれた変化なら、恋愛による成長といえます。

会えない時間に思い出を振り返る意味

主人公は、“君”と会えない時間にも二人の記憶を思い返します。

次に会える日まで、過去の幸福によって心を支えているのでしょう。

人間関係は、一緒にいる時間だけで作られるものではありません。

会えないときに相手をどう思うか。

離れていても信じられるか。

一人の時間を、自分の生活として過ごせるか。

そこにも関係の状態が表れます。

主人公が思い出を楽しんでいるのであれば、記憶は愛を育てるものです。

しかし、思い出がなければ一人の時間を耐えられないなら、依存の兆候にもなります。

主人公は“君”に依存しているのか

主人公の生活は、“君”によって大きく変化しています。

会えると思えば元気になる。

会えないときには思い出へ戻る。

ほかには何も必要ないと思うほど、相手を求めています。

この強さから、依存的な人物だと読むこともできます。

しかし、恋愛の最も幸福な時期には、相手が世界の中心に見えることがあります。

大げさな言葉が、必ずしも病的な依存を意味するわけではありません。

重要なのは、その状態が一時的な高揚なのか、長期的に自分の生活を失わせているのかです。

歌詞では後者まで明確に描かれていないため、主人公の言葉は恋の幸福を強調する表現として受け取るのが自然でしょう。

“君以外は何もいらない”という愛の危うさ

一人の相手を最も大切にすることと、ほかのすべてを捨てることは違います。

恋人がいれば、友人も仕事も夢も不要だと考える。

相手が離れれば、自分の人生には何も残らない。

その状態は、二人の関係にも大きな負担を与えます。

恋人は、相手の人生全体を一人で支えなければならなくなるからです。

「愛とか恋とか」に感じられる強い愛情は魅力的です。

同時に、愛する人へ自分の幸福をすべて預けないことも必要でしょう。

相手を大切にしながら、自分自身の生活も大切にする。

そのバランスによって、恋は長く続く愛へ変わります。

“君も同じかな”に隠された不安

主人公は、自分の気持ちをよく理解しています。

“君”が大切で、強く愛している。

一方、相手の感情は直接見ることができません。

自分と同じ強さで思っているのか。

会えない日に、自分のことを考えているのか。

二人の未来を同じように望んでいるのか。

その不安が、相手の気持ちを確かめる問いになります。

どれほど幸福な恋愛でも、完全な安心はありません。

相手の心は相手のものであり、自分には支配できないからです。

愛の大きさは同じでなければならないのか

恋人同士でも、愛情の表現方法や強さは異なります。

言葉で伝える人。

行動で示す人。

頻繁に会いたい人。

一人の時間も必要な人。

主人公が求める「同じ気持ち」は、必ずしも同じ量や形である必要はありません。

相手が同じ言葉を使わなくても、別の方法で愛している可能性があります。

愛を自分の基準だけで測ると、相手の愛情を見落とします。

主人公に必要なのは、相手も自分と同じかを確認するだけでなく、“君”がどのように愛を示す人なのかを知ることでしょう。

目を見て伝えることの意味

主人公は、心の中で思い続けるだけではなく、相手へ直接気持ちを届けようとします。

目を見ることには、逃げずに向き合う意味があります。

メッセージであれば、送る前に書き直せます。

文章なら、表情を見せずに済みます。

しかし対面では、緊張や迷いも伝わります。

主人公は、完璧に整えた告白ではなく、あふれた思いをそのまま届けようとしているのでしょう。

愛情は、持っているだけでは相手へ伝わりません。

言葉や行動へ変えることで、初めて二人の関係を作る力になります。

普通の日々が特別になる理由

主人公が求める幸福は、豪華な暮らしや劇的な出来事ではありません。

“君”と何でもない時間を過ごすことです。

恋愛の始まりでは、特別なデートや記念日が強く印象へ残ります。

しかし、長く続く関係を作るのは普通の日です。

疲れているときの会話。

一緒に食べる食事。

機嫌が悪い日の対応。

予定がない休日。

そのような日常を心地よく過ごせる相手だからこそ、主人公は“君”との未来を望むのでしょう。

「普通」は退屈ではない

特別な刺激が続けば、やがて疲れます。

毎日が記念日である必要はありません。

安心して沈黙できる。

無理に面白い話をしなくてもよい。

相手の前で、立派な自分を演じなくてよい。

そのような普通の時間は、関係が安定している証拠です。

「愛とか恋とか」は、恋の強い高揚を歌いながら、その先にある日常の幸福も求めています。

一瞬のときめきだけでなく、生活を共有する愛へ進もうとしているのです。

恋は始まり、愛は日常なのか

恋は、相手をまだ十分に知らない段階でも始まります。

声。

外見。

仕草。

一部の魅力へ強く引かれる。

その後、関係を続ける中で相手の弱さや欠点も見えてきます。

理想とは違う部分を知ったうえで、どう関わるか。

そこから愛が育つのでしょう。

「愛とか恋とか」の主人公は、まだ恋の高揚の中にいます。

同時に、相手の好みや日常を受け入れ、長い時間を共にしたいと願っています。

恋から愛へ移る途中の人物だと考えられます。

タイトルが示す“名前より大きい感情”

主人公は、自分の気持ちを説明しようとしても、一般的な言葉では足りないと感じています。

愛。

恋。

好き。

大切。

どれを使っても、自分の感情の一部しか表せない。

これは、気持ちが特別だからというだけではありません。

人の感情そのものが、言葉より複雑だからです。

好きだから幸せ。

好きだから不安。

一緒にいたい。

けれど嫌われるのが怖い。

相手の色に染まりたい。

同時に、自分自身も失いたくない。

矛盾する気持ちが同時に存在するため、一つの名称では片付けられないのです。

ミュージックビデオが単純な恋愛物語ではない理由

公式サイトは、「愛とか恋とか」のMVについて、ラブストーリーでもヒューマンドラマでもなく、視聴者それぞれが思い浮かべる大切な“君”を描く作品だと紹介しています。映像には関水渚が出演しています。

この説明によって、歌の“君”は恋人だけに限定されなくなります。

家族。

親友。

離れて暮らす大切な人。

亡くなった人。

ペット。

聴き手が強く思う存在であれば、誰でも重ねられます。

歌詞には恋愛的な感情が強くあります。

しかし、誰かの影響によって日常の見え方が変わる経験は、恋人以外との関係にも存在します。

MVに映る表情が意味するもの

言葉では「愛している」と伝えられても、感情のすべてを説明することはできません。

表情。

視線。

動作。

沈黙。

映像では、そのような言葉にならない感情が描かれます。

主人公がタイトルで「愛」や「恋」という言葉へ収め切れないと感じた思いを、MVは表情や風景によって補っているのでしょう。

言葉が足りないから音楽があり、音楽だけでは見えないものを映像が伝える。

楽曲とMVが重なることで、“君”を思う気持ちが立体的になります。

バンドサウンドを抑えた理由

竹中雄大は、本作がアコースティックギター、シンセベース、電子ドラムを中心にした、Novelbrightとして異なる角度へ挑戦した楽曲だと説明しています。

力強いロックサウンドを抑えることで、歌声と歌詞の距離が近く感じられます。

大勢へ向けて叫ぶ告白ではありません。

目の前の一人へ話しかけるような親密さがあります。

また、電子的なリズムと柔らかなアコースティックギターの組み合わせは、日常の軽やかさにも合っています。

大事件ではなく、普通の生活が恋によって色づいていく。

その内容を、音の構成も支えているのでしょう。

ポップな曲調が表す恋の軽やかさ

この曲には、深刻な苦しさより、恋によって気持ちが浮き上がる感覚があります。

好きな人へ会える。

新しいものを知る。

今日が少し楽しみになる。

恋の力によって、主人公の歩く速度まで変わったように感じられます。

一方、歌詞には相手の気持ちを確かめたい不安もあります。

明るい曲調の中に小さな不安があることで、作り物ではない恋愛感情になります。

幸福だけではない。

けれど、不安より幸福のほうを信じたい。

主人公はその状態にいるのです。

「愛とか恋とか」が長く聴かれる理由

本作は、2022年4月の先行配信後に徐々に再生数を伸ばし、Billboard JAPANのストリーミングチャートでは10週連続でトップ10に入りました。99週目で累計3億回へ到達し、2025年には4億回を超えています。

長く支持される理由は、幸福な恋愛を分かりやすい言葉で歌いながら、聴き手が自分の大切な人へ置き換えられる余白があるからでしょう。

恋人ができたばかりの人。

長く交際している人。

好きな人へ気持ちを伝えたい人。

大切な人との普通の日常を守りたい人。

人生のさまざまな段階で、違う部分へ共感できます。

「愛とか恋とか」に関するよくある疑問

「愛とか恋とか」はどのような歌ですか?

好きな人と出会ったことで、それまで興味のなかった音楽や映画、何でもなかった日常まで大切に感じられるようになった主人公の歌です。

恋の高揚と、長く一緒に生きたいという愛情の両方が描かれています。

タイトルの「愛とか恋とか」とはどういう意味ですか?

“君”への気持ちが、愛や恋という一つの言葉だけでは説明し切れないことを表していると考えられます。

安心、尊敬、憧れ、独占欲など、さまざまな感情が含まれています。

なぜ「とか」が付いているのですか?

感情を愛か恋かへ限定せず、それ以外の名前を付けにくい思いまで含めるためでしょう。

少し曖昧な言葉を使うことで、聴き手が自分の大切な関係を重ねられます。

主人公と“君”は恋人ですか?

歌詞では恋人同士として読むのが自然です。

ただし、公式はMVを、視聴者それぞれが思う大切な“君”を描く作品と説明しているため、家族や友人などへ重ねることもできます。

“君色に染まる”とはどういう意味ですか?

相手の好きなものや価値観が、自分の日常へ入り込むことを表しています。

自分を失うだけでなく、相手との出会いによって自分の世界に新しい色が増えるという意味にも解釈できます。

主人公は依存しているのですか?

相手を人生の中心へ置き、強く必要としているため、依存的な面を感じることはできます。

ただし、歌詞では自分の生活を完全に失っているところまでは描かれず、恋愛初期の高揚を強調した表現とも読めます。

月曜日にはどのような意味がありますか?

仕事や学校が始まる憂うつな日常の象徴です。

“君”へ会えると思うだけで、その変わらない日常の見え方が明るくなることを表しています。

音楽や映画、香水が登場するのはなぜですか?

相手の好みを通して、その人の価値観や世界へ近づくことを表していると考えられます。

香りには、会えない時間にも相手を思い出させる記憶の象徴という意味もあります。

ミュージックビデオには誰が出演していますか?

女優の関水渚が出演しています。公式は、単純なラブストーリーではなく、視聴者が思う大切な“君”を描いた作品だと紹介しています。

「愛とか恋とか」はいつリリースされましたか?

2022年4月15日に先行配信され、同年5月18日発売のアルバム『Assort』へ収録されました。

まとめ|「愛とか恋とか」は“君”を愛することで、自分の世界まで愛せるようになる歌

Novelbrightの「愛とか恋とか」は、一人の相手へ強い思いを伝えるラブソングです。

主人公は、“君”と出会ったことで変化します。

憂うつだった月曜日。

いつも歩いていた道。

自分からは選ばなかった音楽。

知らなかった映画。

何気ない香り。

それまで普通だったものが、“君”と結びつくことで特別になります。

恋は、世界そのものを変えるわけではありません。

同じ月曜日が来る。

同じ道を歩く。

仕事や学校もなくならない。

それでも、心の中に誰かがいるだけで景色の受け取り方が変わります。

幸福とは、すべての環境が理想的になることではないのかもしれません。

変わらない日常の中に、帰りたい場所や会いたい人がいることです。

主人公は、“君”が好きなものへ興味を持ちます。

音楽や映画を通して、相手が見ている世界へ近づいていく。

その過程で、主人公自身の好きなものも増えていきます。

ここに、“君色に染まる”という言葉の美しさがあります。

相手によって自分が消えるのではない。

相手との出会いによって、自分一人では持てなかった色が加わる。

誰かを愛することは、相手を自分のものにすることではなく、その人の世界を尊重し、自分の世界にも迎え入れることなのでしょう。

ただし、主人公の愛には危うさもあります。

“君”だけがいればよいと思うほど相手を必要とし、自分と同じ強さで愛されているのかを確かめたがっています。

他人の心は、完全には見ることができません。

だから愛するほど、不安も大きくなります。

自分ばかりが好きなのではないか。

いつか相手の気持ちが変わるのではないか。

この不安を消すため、主人公は相手の目を見て思いを伝えようとします。

愛は、心の中に持っているだけでは関係になりません。

言葉。

表情。

行動。

一緒に過ごす時間。

そのような形へ変えることで、相手へ届きます。

主人公の成長は、好きだと感じるだけの状態から、その感情を伝える側へ進んだことです。

タイトルが「愛」でも「恋」でもないことにも意味があります。

恋には、会いたい、選ばれたいという欲求があります。

愛には、相手を大切にし、日常を共にしたいという願いがあります。

主人公の中には、その両方があります。

幸福。

不安。

憧れ。

独占欲。

安心。

一つの感情だけではありません。

だから「愛とか恋とか」という曖昧な言葉が選ばれています。

しかし、主人公は最終的に、その曖昧さを問題にしていません。

これが恋なのか。

すでに愛なのか。

その名前を決めることより、“君”が大切だという事実を伝えようとします。

人間関係は、名前を付ければ完成するものではありません。

恋人と呼ばれていても、互いを大切にできない関係があります。

愛という言葉を使わなくても、深く支え合っている人たちもいます。

重要なのは、感情の名称ではなく、目の前の相手へどのように接するかです。

そして、この曲が最も大切にしているのは、華やかな恋愛ではなく、普通の日々です。

何でもない朝。

会えない時間。

一緒に見る映画。

同じ香りを感じる瞬間。

特別な出来事がなくても、そばにいるだけで幸福だと思える。

恋の高揚が落ち着いた後にも、その普通を守りたいと思えるなら、二人の感情は愛へ近づいているのでしょう。

Novelbrightの「愛とか恋とか」は、“君”だけを好きになる歌ではなく、“君”が大切にしているものや、“君”と過ごす普通の日々まで愛することで、自分の世界そのものを広げていく歌なのではないでしょうか。