FRUITS ZIPPER「1,2,3,FOOOOUR」歌詞の意味を考察|「さよなら」を言わない理由と線路が象徴する未来

FRUITS ZIPPERの「1,2,3,FOOOOUR」は、明るく爽やかなサウンドの奥に、少しだけ切ない「別れ」を描いた楽曲です。

しかし、この曲が本当に伝えようとしているのは、別れることの寂しさではないのでしょう。

描かれているのは、

別れは終わりではなく、それぞれが次の景色へ向かうための“出発”である

という前向きなメッセージです。

特に印象的なのが、電車や線路、発車時刻といったモチーフ。そして、別れの場面でありながら「さよなら」を強く拒むような歌詞です。

なぜ、この曲では「さよなら」を言わないのでしょうか。

「1,2,3,FOOOOUR」というタイトルの意味とともに、歌詞に込められたメッセージを考察していきます。

FRUITS ZIPPER「1,2,3,FOOOOUR」とは?

「1,2,3,FOOOOUR」は、FRUITS ZIPPERが2026年8月6日に配信リリースした楽曲です。

作詞・作曲をGRe4N BOYZ、編曲をnishi-kenが担当しています。

さらに本作は、東武鉄道とのコラボレーション企画「TOBU KAWAII PROJECT」の楽曲として制作されました。

MVも東武鉄道の東上線新型車両90000系、川越駅、東武動物公園などで撮影されています。東武鉄道は本楽曲を使った発車メロディやコラボトレイン、駅・車内アナウンスなども展開しています。

つまり、歌詞に登場する「線路」や「発車」は、単に鉄道コラボだから取り入れられただけの言葉ではありません。

この曲のテーマである**「人生を前へ進めること」そのものを象徴する重要なモチーフ**になっているのです。

「1,2,3,FOOOOUR」というタイトルの意味

まず気になるのが、「1,2,3,FOOOOUR」という少し不思議なタイトルです。

普通なら「1,2,3,4」で終わるところを、最後だけ英語の「FOUR」、しかも「FOOOOUR」と大きく引き伸ばしています。

タイトルの詳細な意味について公式な説明は確認できませんが、歌詞全体から考えると、このカウントは何かが始まる直前の合図として読むことができます。

楽曲の中では、時間が進み、出発の瞬間が近づいていきます。

そこで鳴らされる、

1 → 2 → 3 → 4

というカウント。

これは単なる数字ではなく、

「怖くても、次へ行こう」

と自分の背中を押すためのカウントダウンなのではないでしょうか。

興味深いのは、「4」で終わるにもかかわらず、この曲が“終わり”を描いていないことです。

むしろ4まで数えた瞬間から、新しい旅が始まります。

タイトルそのものが、

終わりに見える瞬間こそ、新しい始まり

という曲のテーマを表しているようにも感じられます。

なぜ「さよなら」を言わないのか

この曲でもっとも重要なのが、「別れ」と「さよなら」を別のものとして描いている点です。

主人公たちは、同じ場所にずっといることはできません。

時間が来れば、それぞれが自分の未来へ進まなければならない。

だから別れそのものを避けることはできません。

それでも、この曲は「さよなら」で関係を終わらせようとはしません。

そこには、

離れることと、関係が終わることは同じではない

という考え方があるのでしょう。

今日まで一緒に過ごした人と、明日から違う場所へ向かう。

進む道が変わったとしても、そこで築いた思い出まで消えるわけではありません。

だから必要なのは「さよなら」ではなく、「また会おう」という感覚なのです。

一見すると卒業ソングのようにも聞こえますが、学校を卒業する場面だけに限定された歌ではありません。

転校、就職、転職、引っ越し。

あるいは、夢を追うために今までいた場所から飛び出す瞬間。

人生には何度も「ここを離れなければならない瞬間」が訪れます。

「1,2,3,FOOOOUR」は、そんなすべての旅立ちに重なる曲なのだと思います。

「線路」が象徴しているもの

そして本作を読み解くうえで欠かせないのが「線路」です。

線路とは不思議な存在です。

駅では一度、人と人を別々の場所へ運んでいきます。

しかし同時に、遠く離れた場所と場所をつないでいるものでもあります。

つまり線路には、

「別れ」と「つながり」

という正反対の意味が共存しています。

これは、そのまま「1,2,3,FOOOOUR」の人間関係にも当てはまります。

今は離れてしまう。

けれど、それぞれの未来は完全に切断されているわけではない。

どこかで再び交わる可能性がある。

だから、離れることを必要以上に恐れなくてもいい。

歌詞における線路は、

人と人の縁は、距離ができたからといって消えるわけではない

という希望の象徴なのではないでしょうか。

東武鉄道とのコラボという現実的な設定が、そのまま楽曲の人生観へと昇華されているところが、この曲の面白さです。

「今」を永遠にはできない

もう一つ、この曲が印象的なのは、楽しかった時間を無理に永遠にしようとしていないことです。

大切な人と出会えた。

楽しい時間を過ごした。

できることなら、この時間がずっと続いてほしい。

それでも時間は進んでしまいます。

ここで描かれているのは、その事実を悲観することではありません。

永遠ではないからこそ、今この瞬間を大切にする。

そんな考え方です。

もし楽しい時間が永遠に続くのであれば、「今日」を大切にしようとは思わないかもしれません。

いつか終わる。

いつか離れる。

だからこそ、一緒に笑える時間がかけがえのないものになる。

この曲は別れを否定するのではなく、むしろ別れがあるからこそ生まれる「今の尊さ」を歌っているのだと思います。

前に進まなければ「見たことのない景色」には出会えない

「1,2,3,FOOOOUR」には、旅立ちだけでなく「夢」というテーマも流れています。

これまで仲間と夢を語り合った時間。

何度もうまくいかなかった時間。

それでも笑い合いながら今日まで進んできた。

そして、次の景色を見るために再び歩き出します。

重要なのは、

見たことのない景色を見るためには、今いる場所から動かなければならない

ということです。

新しいものに出会いたい。

夢を叶えたい。

でも、慣れ親しんだ場所から離れるのは怖い。

そんな矛盾した感情を抱える人に対し、この曲は無理に「怖くない」とは言いません。

怖さや寂しさを抱えたままでもいい。

それでもまず、

1、2、3、4と数えて走り出してみよう。

そんな優しい背中の押し方をしているのではないでしょうか。

MVで「電車」が使われた意味

MVでは、実際の東武鉄道の車両や駅、東武動物公園を舞台に、FRUITS ZIPPERのメンバーが旅を楽しむような姿が描かれています。

ダンスを中心に構成するのではなく、自然体の7人を映した作品になっていることも特徴です。

東武鉄道のお披露目会で月足天音は、この曲について、これから楽しいことが始まるような高揚感やワクワク感のある歌詞に注目してほしいという趣旨のコメントをしています。

ここから考えると、本作の電車は「別れの乗り物」であると同時に、

まだ知らない世界へ自分たちを運んでくれる乗り物

でもあるのでしょう。

ホームに残る人に手を振りながら列車は動き出す。

少し寂しい。

それでも窓の向こうには、これまで見たことのない景色が広がっていく。

そんな旅の構造そのものが、この曲の人生観と重なっています。

FRUITS ZIPPER自身の物語としても読める?

そして「1,2,3,FOOOOUR」は、FRUITS ZIPPER自身の物語として聴くこともできます。

FRUITS ZIPPERは2022年4月にデビューし、2026年には活動4周年を迎えました。2026年2月には東京ドーム公演も開催し、グループはさらに大きなステージへと進んでいます。

もちろん、この曲が公式に「FRUITS ZIPPERの4年間」を題材にした作品だと発表されているわけではありません。

それでも、

1、2、3、4

という数字を、グループが歩いてきた年月と重ねて聴くことはできます。

出会ってから積み重ねてきた時間。

思い通りにならなかった日々。

仲間と語り合った夢。

そして、今までよりもさらに大きな景色へ向かって走り出していく現在。

そう考えると、この曲は単なる鉄道コラボソングを越えて、

「ここまで一緒に歩いてくれた人への感謝」と「これからも一緒に進んでほしいという約束」

のようにも聞こえてきます。

「みんな」という存在をメンバー同士だけではなく、FRUITS ZIPPERを応援してきたファンまで含めて考えると、より感情的な意味を持つ曲になるのではないでしょうか。

「1,2,3,FOOOOUR」が伝えたいこと

「1,2,3,FOOOOUR」が描いているのは、単純な別れではありません。

大切な人と過ごした時間を胸に抱えながら、それぞれが新しい未来へ走り出す物語です。

別れるからといって、すべてが終わるわけではない。

離れていても、同じ世界のどこかで旅は続いている。

そして再会したときには、それぞれが旅の途中で見つけた新しい景色について話せばいい。

だからこの曲では、悲しい「さよなら」よりも、未来の「また会おう」が大切なのでしょう。

線路が続く限り、旅も続いていく。

人生も同じです。

今いる場所から動き出すことには、いつだって少し寂しさがあります。

それでも、

新しい景色を見るためには、まず出発しなければならない。

そんなとき、自分の背中を押すように数える言葉。

それが、

「1,2,3,FOOOOUR」

なのではないでしょうか。

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