【夢叶う/MONGOL800】歌詞の意味を考察、解釈する。

MONGOL800が380万枚の売り上げを記録したアルバムに収録されている隠れた逸品、「夢叶う」。

この曲は、リスナーの自己肯定感を高め、前向きな気持ちにさせてくれる力があると言われています。

シンプルな響き、深い感動―MONGOL800『夢叶う』の不朽の魅力

モンパチことMONGOL800の楽曲群の中でも、「夢叶う」は特に「歌詞が素晴らしい!」と評価されることが多く、ファンからの支持も厚い一曲です。

この楽曲は、ギター、ベース、ドラムのみのシンプルな編成で演奏されていますが、そのシンプルさがかえってモンパチの魅力を際立たせる作品となっています。

素敵な歌詞と演奏だけで、他に何も要らない―その考えが、この楽曲の根底にあります。

モンパチがインディーズの枠を超えてミリオンセラーを達成したのは、彼らの楽曲が単純に素晴らしかったからに他なりません。

特に大規模な宣伝をせずとも、これほどまでに成功を収めたのは、まさに奇跡と言えるでしょう。

それでは、「夢叶う」の魅力を一緒に探ってみましょう。

自己肯定と本心からの情熱:真の幸福への道

明日には夢叶う夢叶う
いい風が吹く
明日には夢叶う夢叶う
いい風が吹く

人生では困難や挑戦、苦悩を避けては通れないものです。

皆さんはそういった状況にどのように対処していますか?

対応は人それぞれで、立ち向かうものもいれば、逃避を選ぶもの、あるいは思い悩んでしまうものまで様々です。

だが、共通しているのは、どこかで「明日はもっと良い日になる」という希望を持ち続けているからこそ、前へと進めるのだと思います。

時には不安が心を覆い隠すこともあるでしょうが、それでもなお前を向いて歩き続ける力が私たちにはあります。

「明日、夢が叶うかもしれない」と信じながら、この人生を歩んでいきたいものです。

春夏秋冬 季節は変わりゆく
僕らの進む道 己の中で風は吹く
周りへの優しさ忘れ 先立つ個人の主張
頼れない大人達の好きな
意味の無い価値観競走
同じ土の上でなぜに人は殺し合う
お国のために命捨てる
そんな常識従うな 自分を信じて

日本は戦後、著しい経済成長を遂げ、世界でも際立つ経済大国へと躍進しました。

これは、日本の前世代の人々の努力の賜物であり、私たちはその恩恵を享受しているため、深く感謝する必要があります。

しかし、この発展の過程で、多くの犠牲も払われてきました。

とりわけ、自身の価値観を信じる自信の喪失が挙げられます。

高度経済成長期には、努力が報われる社会でしたが、今や経済は停滞期に入り、かつてのような成長は期待できません。

昔は共通の価値観を持つことで幸せを感じられた時代もありましたが、今は時代が変わりました。

物価が下がり続けるデフレの時代では、古い価値観に固執しても苦しむだけです。

「みんなと同じであるべき」という価値観は、自分を追い詰める原因になります。

「みんながいいと言っている」幻想的な価値観に束縛されず、自分自身が信じる価値観を大切にすることが、もっと楽に生きる秘訣です。

しかし、この幻想的な価値観に従うことが、今後の日本では幸せへの道ではなくなるでしょう。

集団の価値観に自分を合わせようとすることの苦悩は計り知れず、自身の価値観に従って生きることの大切さを、改めて考えさせられます。

また、「なぜに殺し合う」という戦争批判のメッセージも見られます。

これは、個人の価値観ではなく、集団に流されて無駄な犠牲を払ったことへの疑問を呈しています。

特に沖縄のように戦争の犠牲者が多かった地域では、これらの問題を歌わざるを得ないという状況があります。

何を急いで何競う
早々歩く大人よ
言葉の意味を忘れ
我がもの顔で歩く大人よ
誰が作った
あたりまえ

「普通」とされる基準は、何を意味するのでしょうか。

例えば、日本で普通と考えられる行動が、アメリカでは理解されないことがあります。

国や文化、さらには世代によって、普遍的な「普通」の定義は大きく異なります。

気づかないうちに、自分たちの思考は既成概念によって停滞し、常識を疑うことを忘れてしまっているのではないでしょうか。

実際に、私たちが無意識に受け入れているその「普通」が、実は自分自身にとっての負担となっている可能性があります。

誰の目を気にし生きてゆく
勉強よりも何よりも 素晴らしい友をつくる

かつては、一流の大学への進学が幸福への直通券だという考え方がありましたが、その信念はもはや成り立ちません。

大手企業が次々と経営危機に直面するような不確実な時代になりました。

例えば、シャープが他社に買収される事態を予想した人はほとんどいなかったでしょう。

また、東芝が経営破綻の危機に陥るというニュースは信じがたいものでした。

学問を追求し、自己のスキルや知識を拡充することの重要性を否定するものではありませんが、名門大学への進学が全てを解決するわけではないという現実を受け入れる必要があります。

勉強は確かに大切ですが、それだけではなく、人との関わり合いも同じく重要です。

また、金銭的な豊かさがすべてを意味するわけではなく、人間関係によってのみ得られる幸福もあるということを理解することが大切です。

大切な人は後回し
そろそろ気づけよおバカさん達
これが人の運命だと
偉そうな言葉は胸にしまえ
守るほどの地位はない

これはパンクの精神を反映した批評的な歌詞の一例と言えるでしょう。

他人を大切にしない人は、結局のところ幸せを掴むことはできません。

昭和の時代を振り返ると、多くの男性が家庭を顧みずに「家族のため」という名目で長時間労働をしてきました。

しかし、その結果、退職時には配偶者から離婚を申し出られることがあります。

これは一体どういうことなのでしょうか。

果たして彼らは真に家族のためだけに働いていたのでしょうか。

もし仕事を通じての自己満足が目的だったとしたら、それはとても悲しいことです。

明日には夢叶う夢叶う
いい風が吹く
明日には夢叶う夢叶う
いい風が吹く

「夢が実現する」と信じて前に進む他に道はないです。


親が子の道
つくりすぎて夢持つ事
忘れた子
自分を責めないで
劣等感におびえないで
あなたには
あなただけの
大切な意味がある

経済的繁栄を達成した日本では、夢を追求する人が減ってきています。

経済的に余裕があるため、親の支援に頼って生活することが可能です。

また、その親たちは子どもたちに同情し、成人しても金銭的なサポートを提供し続けます。

このような状況では、若者が自立するのが難しいのは明らかです。

自立する動機がなければ、自立への行動を起こす理由もありません。

人は困難に直面した時にのみ、積極的に行動を起こすものです。

労働せずとも生活が保証されている場合、その快適な状況から抜け出す意欲がわかないのは自然なことです。

重ねゆく歴史は思い出
人は日々生まれ変わる
僕らはどこかで間違った
下手くそな生き方を学んだ
人として生きる意味

人として生きるため
大切な何か忘れてる
小さな頃描いた夢は
今でも消えず心の奥
夢追う事
忘れたあなたを
いつまでも
やさしく待ってる

毎日の暮らしの中で「夢を追求すること」を一時的に忘れ去ることがあっても構わないでしょう。

何らかの動機が生じて夢を追いかけたくなる瞬間が来れば、それが新たな出発点となります。

夢を追い求めることが義務付けられるべきではないと思います。

夢追い人になるかどうかは、個人の意志によるものですから、追い求めたくないなら追わなくても、夢を追わないことで自分を責める必要はまったくありません。

現実の海に溺れ
常識に泣くヒマはない
ありのままの
あなたの姿で
好きな事をやるだけさ

究極には、自分が愛する活動に没頭することが真の幸福をもたらします。

自己肯定を実践しているでしょうか。

自己嫌悪に陥ると、生きがいを感じることが難しくなります。

他人の意見に左右されず、心の底から本気で取り組みたいことは存在しますか?