【東京/きのこ帝国】歌詞の意味を考察、解釈する。

2014年9月9日に先行シングルとして公開された「東京」。
今、きのこ帝国の活動が休止していますが、一般的に人々がきのこ帝国の代名詞として挙げる曲は、「クロノスタシス」と「東京」の二つだと言えるでしょう。

「東京」が人気を保ち続ける理由は、その歌詞に描かれた美しい情景と率直なメッセージ性にあると考えています。
特に、東京出身ではない人々にとって、この曲やミュージックビデオを通じて感じる「東京」への爽やかな印象が魅力的です。
歌詞や映像を通して、「東京」がどんな場所なのかを垣間見ながらも、上京して夢を追いかけたボーカル佐藤千亜妃の強い思いが込められているように感じられます。

この曲が特別な理由は、言葉の一つ一つが適切な場所に位置していることだと思います。

赤から青に変わる頃に
あなたに出逢えた この街の名は東京

音楽に取り組む際に、日々の生活からインスピレーションを得て、こんな歌詞が生まれるのかと驚かされます。
曲の中で色彩を表す言葉を取り入れることで、聴く人の心には色とりどりの情景が広がります。
そしてこの曲が観客を魅了するのは、歌詞が端的に伝えるメッセージがあり、それが聴衆の心に深く響くからだと思います。

まだあなたの心の中 他の誰かがいるのだとしても
星のないこの空の下では
気づかないふりして 隣にいたい

ボーカルのソロが始まる場面ですが、2番のメロディでの勢いが急速に静まり、情景は急速に穏やかになります。
ここで注目すべきは、この曲を通じて「思えた」「出会えた」といった過去形が、急に「隣にいたい」という現在形に変わる部分です。
これが非常に興味深いところです。
このボーカルソロのパートでは、バッキングと声のみが聞こえます。

きのこ帝国の「東京」は間違いなく今後も名曲であり続けるでしょう。
バンドについて語りたいことはまだまだありますが、その話はまたの機会にします。