04 Limited Sazabys(通称:フォーリミ)の楽曲「Squall」は、疾走感のあるメロディにのせて、内面の葛藤と前向きな決意を描き出す1曲です。リリース当初からファンの間では“背中を押される曲”“自己対話のような歌詞”として高い支持を得ており、今なおライブでも人気の定番ナンバーとなっています。
この記事では、「Squall」の歌詞の意味を深く掘り下げながら、04 Limited Sazabysらしい表現やメッセージ性について考察していきます。
歌詞に込められたテーマ:『自分自身に生まれ変われ』というメッセージ
「Squall」というタイトルは“にわか雨”や“突風”を意味しますが、本楽曲では心の嵐や一時的な感情の乱れと重ねられていると考えられます。歌詞全体を通じて読み取れるテーマは「自己再生」や「新たなスタート」です。
「今日までの自分に別れを告げて、生まれ変わろうとする決意」が明確に描かれており、過去の迷いや後悔に区切りをつけ、前に進もうとする意思が込められています。
特に《生まれ変わるなら今しかない》というフレーズには、フォーリミが常にリスナーに寄り添いながらも“現状を変えるのは自分自身”という強い自立性を訴える姿勢が表れています。
ネガティブからポジティブへ:歌詞に見る感情の変遷と構成
「Squall」の歌詞は、前半で弱さ・迷いといったネガティブな感情が描かれ、後半にかけて希望や前進といったポジティブな方向へと展開していきます。
例えば、《雨が止んだあと 虹がかかるように》という表現は、苦しみの先に訪れる希望を象徴しています。また、Aメロでは内向的な視点が目立ちますが、サビに入ると“今の自分を変えたい”という積極的な意志へと変わっていきます。
このような構成は、感情の流れそのものをリスナーに体感させる効果があり、まるで一つの短編ドラマを見ているかのような没入感を与えます。
キーワード「五月雨/太陽/虹」が象徴するもの
歌詞中には「五月雨」「太陽」「虹」といった自然を表す言葉が印象的に使われています。これらは単なる景色の描写ではなく、心情のメタファーとして機能しています。
- 「五月雨」=繰り返し襲う不安や憂鬱な気分
- 「太陽」=未来の希望、自分を照らす力
- 「虹」=困難を乗り越えた先に見える達成感や癒し
といったように、それぞれの自然描写が心の動きとシンクロしており、感情の変化に説得力を与えています。
04 Limited Sazabysは、日常にある景色をうまく比喩として取り入れることで、リスナーが自分自身の体験に重ねやすい世界観を築いています。
二人称を使わず“自分”に語りかける歌詞設計の意図
「Squall」では、“君”や“あなた”といった二人称がほとんど登場せず、すべてが“自分自身”に向けた語りで構成されています。これは、他者への依存や慰めではなく、あくまで「自分の力で変わる」ことへの意識を強く示しています。
多くのロックバンドが恋愛や友情をテーマに“君”に語りかけるスタイルを取る中で、「Squall」は内省的で個人に焦点を当てた希少な楽曲です。これにより、リスナーが歌詞を自分の心に直接落とし込みやすく、より深い共感が生まれます。
バンド・メンバー/制作背景から読み解く“背中を押す”楽曲としての役割
「Squall」は2018年リリースのシングルであり、当時のバンドはメジャーデビューから数年を経て、音楽的にも精神的にも成熟期に差しかかっていました。ボーカルのGEN(ゲン)自身が、過去インタビューで「弱さを認めることが強さだと思えるようになった」と語っていたことから、この曲が自分自身への応援歌であると同時に、リスナー全員への応援メッセージでもあると捉えられます。
また、ライブでこの曲を披露する際のエネルギーや一体感は特筆すべきもので、歌詞の持つ力が音としても強く体感される瞬間でもあります。
Key Takeaway
04 Limited Sazabysの「Squall」は、感情の嵐の中で“自分を変えたい”と願う人に向けた、等身大の応援ソングです。歌詞は一貫して“自分自身”との対話を描き、自然のメタファーを巧みに織り交ぜながら、ネガティブからポジティブへの転換をリスナーに体感させます。フォーリミならではの誠実なメッセージ性が、多くの共感を呼ぶ理由となっています。


