ワイドショーを騒がせる兄弟の兄と言えば
90年代を代表するバンドの一つに数えられるオアシス。
兄であるノエル・ギャラガーが紡ぎ出す類稀なメロディと、弟であるリアム・ギャラガーの唯一無二のボーカルで母国UKのみならずアメリカでもブレイクを果たし、ロック史に名を刻むバンドの一つである事は間違いないだろう。
オアシスは楽曲のクオリティは勿論の事、デビュー当時からブラーとの「ブリット・ポップ戦争」を経て、解散後の現在に至るまでギャラガー兄弟の「放言」が話題を集めてきた。
今回は兄であるノエル・ギャラガーが吐いた数々の名言(暴言含む)をまとめてみた。
世界中を熱狂させたオアシスの頭脳・中枢であるノエル・ギャラガーとはどういう人物なのか、その人となりを知った上でオアシスを聴くと楽曲の印象も変わるかも知れない。
傲慢な言動は意気込みの裏返し
世界最大のバンドになりたくねえんならやめちまえ
常にオアシス(というか自分)がナンバーワンだと言い放ち、またその言葉を裏切ること無く数々の名曲を生み出してきたノエル。
ノエル曰く、「オレは現実的で、リアムは非現実的」だそうだが、現実的に考えて世界最大のバンドになる、などと中々言えるものではない。
おそらくノエルは「自分が世界最高だと思えば最高になれる」というアティテュードの事を言っているのだと思う。
傲慢で厳しい事を言っているようで、器の大きい優しさが垣間見える一言だ。
最も問題となったエイズ発言
(ブラーのデーモン・アルバーンとアレックス・ジェイムスについて)
エイズにかかって死ねばいい
良くも悪くも最も話題を集めたノエルの言葉の一つ。
後に母親に叱られて反省し「彼等には長生きして貰いたい」と謝罪したが、その他にも
「デーモン・アルバーンはチ○コ野郎だ。奴のギタリスト(グレアム・コクソン)のことはまともだと思ってたのに、そいつは自分のことを頭の切れるスーパーマンだと勘違いしていやがる。気に食わないマ○コ野郎のドラマー(デイヴ・ロウントゥリー)とベーシスト(アレックス・ジェイムス)には会ったことはないが、奴らは俺が思ってたよりまともだったみたいだ。でも、俺はあいつらの音楽もヴォーカルも嫌いだね」
という暴言を放っている。
事の発端はオアシスのシングル「ロール・ウィズ・イット」とブラーのシングル「カントリー・ハウス」が同じ日にリリースされることになり、どちらが売れるかという勝負をマスコミが煽った結果、(主にギャラガー兄弟が)ブラーに対して暴言を吐くという事態となった。
ちなみに販売枚数は「カントリー・ハウス」が「ロール・ウィズ・イット」を上回ったが、「ロール・ウィズ・イット」の集計に問題があった事、また各作品が収録されたオアシスのアルバム「モーニング・グローリー」とブラーのアルバム「ザ・グレイト・エスケープ」では圧倒的に「モーニング・グローリー」が販売枚数を伸ばし、2000万枚を超える世界的メガヒットとなった事もあり、勝負は引き分けと言ったところだろう。
その後、デーモン・アルバーンの「ブリット・ポップは死んだ」という発言もあり、不仲は徐々に収束。
ノエルはデーモンとグレアムのライブにゲスト参加しブラーの楽曲「テンダー」の演奏に参加するなど両バンドは雪解け状態となった。
前向きでない事を嫌うポジティブ精神
(リヴ・フォーエヴァーについて)
ニルヴァーナが「自分が嫌いだし死にたい」なんて歌ってるからその反発で「リヴ・フォーエヴァー(生き続ける)」って書いた
粗暴な言動とドラッグ中毒の告白などもあり、破滅的な人物のイメージもあるギャラガー兄弟だが、生きることについては前向きだ。
「貧乏だったから、生きているだけで嬉しく思う」といった発言もあり、前向きでない音楽については否定的。
しかし、ノエルは口を開けば他のバンドの非難こそするものの、きちんと話を聞くと「実は好き」という事も多く、純粋な一リスナーとして評価する事が殆ど。
ニルヴァーナも時によって「好き」と言う事もあり、一人のロック好きとして様々な音楽に興味があるのは間違いないだろう。
愛憎入り交じる奇跡の兄弟
(リアムの事を聞かれて)
あいつは無礼で傲慢で、威圧的でしかも怠け者だ。あんなに怒ってばかりいる奴も珍しい。まるで世界というスープにフォークで立ち向かおうとしているみたいだ
他のバンドに対して口が悪いノエルだが、バンドメンバーであり弟でもあるリアムに対しても辛辣。
「適当に盗作して弟の頭をひっぱたいてたらレコードが売れた」という発言や、
「(リアムの)インタビューを読んだけど、あれに答えてるのは誰なんだ?オレと一緒にバンドやってたやつは間抜けだったけど、インタビューに答えてたやつはクールだった」などと発言している。
しかし時には「リアムの事は愛してるよ。まあ、ポット・ヌードル(イギリスのカップ麺)に対する愛ほどじゃないけど」と弟に対する愛情を垣間見せることも。
結局、リアムの声あってのオアシスだった、というのはノエルも認めているところだろう。
マンチェスター・ユナイテッドのエースに対して
ハッピーバースデー、スポンジボブ
ノエルは生粋のマンチェスター・シティサポーターで、同じくマンチェスターを本拠地にするマンチェスター・ユナイテッドを目の敵にしている。
そのユナイテッドのエース、ウェイン・ルーニーの妻から
「(ルーニーが)オアシスのファンだから、誕生日プレゼントにギターにサインしてくれないか」
とギターを送られた際、ノエルはそのギターをシティの色である水色に塗り替え、シティのチャントの歌詞を書き込み、
「ハッピーバースデー、スポンジボブ。次に何かにサインしてもらいたかったら、お前のベントレーを送ってこい」
というメッセージを添えて送り返した。
ルーニーはそれを見て大笑いし、後日のシティ戦でゴールを決めた際「スポンジボブは最高だろ」というメッセージ付きの写真をノエルに送ったらしい。
この曲こそノエルの、オアシスの全て
(ファーストアルバムの一曲目、「Rock ‘n’ Roll Star」について)
オレが言いたいことは全てこの曲に書いた
リアムがやっていたオアシスの前身バンド、レインにバンドを半ば乗っ取るような形で加入したノエル。
この曲以外にも大ヒットした名曲は多くあるが、ノエルが言いたかった事はシンプルな衝動を少年のような純粋さで歌ったこの曲に込められている。
デビュー前のライブで観客が数人しかいなくとも「今夜、オレはロックンロールスターだ」なんてなかなか歌えるものではない。
いきなりそう書いたノエルもスゴイが、胸を張ってそれを歌ったリアムもスゴイ。
やはり兄弟、仲は悪いが傲岸不遜なところは似ている。
ステージに立つものだけが得られる快感
「ワンダーウォール」を観客が歌っているのを聴くのは勃起するくらいイイ
「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」や「ホワットエヴァー」など多くのシンガロング・ナンバーを持つオアシスの楽曲の中でも、観客が歌う「ワンダーウォール」をステージから聴くのはこの上ない快感のようだ。
まあ、気持ちいいのは観客も一緒だが。
(余談ですが、私もフジ・ロック・フェスティバルで「ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ」が来日した際、それはそれは歌いまくりました。しかも横に居たオーストラリア人と何故か意気投合して肩を組んで「ドンルク」や「ハーフ・ザ・ワールド・アウェイ」を気持ちよく大声で歌ったものです。名曲に国境はないですね)
オアシスの再結成は?
この他にも名言・迷言・暴言を多く放ってきたノエル・ギャラガー。
自身のバンドも好調なようだが、オアシスの姿をもう一度・・・というファンも多いはず。
現時点ではノエルは再結成に対して素っ気ない様子だが、リアムはちょっぴり未練があるような素振りも。
果たして再結成はあるのか、兄弟の共演は再び見られるのか、気長に待つとしよう。
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