ハルカミライ「October’s」は、夕景の田舎道から始まって、高速道路、喫煙所、川の流れ、そして“浮ついた街”へ——映像みたいに場面が切り替わりながら、「君」と「僕ら」の居場所を探していく曲です。
聴き終わったあとに残るのは、爽やかさよりも、なぜか胸の奥がきゅっと痛むような余韻。
この記事では、「ハルカミライ october’s 歌詞 意味」という検索意図に合わせて、歌詞全体の流れを整理しつつ、特に刺さるフレーズ(例:「他の誰かじゃなく僕のために歌ってよ」など)を軸に、**“October’sが何を歌っているのか”**を丁寧に読み解いていきます。
- ハルカミライ「October’s」とは?(発売日・収録作品・作詞作曲など基本情報)
- まずは全体像|「October’s」の歌詞を“情景”で要約してみる
- タイトル「October’s(10月)」が示すもの|夕景・移動・季節の終わり/始まり
- 「君」の正体は恋人?それとも“居場所”そのもの?|二人称の揺れを読む
- キーフレーズ考察①「他の誰かじゃなく僕のために歌ってよ」の切実さ
- キーフレーズ考察②「自由になればそれだけ身動き取れないな」—自由の代償
- キーフレーズ考察③「川の流れに沿って 次第に時代を失って行く」—時間と喪失
- 「浮ついた街」vs「いつでもそこで待つ君の前」|帰る場所の物語
- ハルカミライらしさから読む結論|“俺とお前”の歌としての「October’s」
- まとめ|「October’s」が残す余韻(今を抱きしめて未来へ行く)
- よくある質問(失恋歌?実話?/どの音源・ライブで聴くと刺さる?)
ハルカミライ「October’s」とは?(発売日・収録作品・作詞作曲など基本情報)
まずは基本情報をコンパクトに。
- 曲名:October’s
- 作詞・作曲:ハシモトマナブ
- 編曲:須藤俊
- 発売日:2017/11/22
- 収録:ミニアルバム『星屑の歌』収録曲(7曲目)
『星屑の歌』は、ハルカミライの熱量が“アルバムの形”として刻まれた作品で、公式ディスコグラフィにも収録曲として掲載されています。
この「October’s」も、まっすぐなバンド像とは別の角度から、“時間”や“居場所”を掘り下げる楽曲として異彩を放っています。
まずは全体像|「October’s」の歌詞を“情景”で要約してみる
「October’s」はストーリーを“説明”する歌ではなく、場面(情景)を積み重ねて感情に触れてくる歌です。ざっくり情景で追うと、こんな流れになります。
- 夕景の田舎道:二人で走っていく。沈黙さえも、どこか愛おしい。
- 光(エフェクトライト):光の加減で「君」が見えなくなる=一瞬の喪失が差し込む。
- 高速道路:移動する二人。“どこかへ向かう”というより、“何かから離れていく”気配。
- 喫煙所と煙:煙が空に溶ける=感情や時間が消えていく暗示。
- 川の流れ:「次第に時代を失って行く」という核心が出る。
- 浮ついた街:終盤、街を歩く“僕ら”。だけど居場所は「君の前」だと言い切る。
要するにこの曲は、恋愛の出来事を語っているようでいて、もっと大きくは **「時間に流される僕らが、どこを居場所と呼べるのか」**を歌っています。
タイトル「October’s(10月)」が示すもの|夕景・移動・季節の終わり/始まり
10月は、カレンダー的には“ただの月”でも、感覚としては特別です。
- 夏の勢いが終わり、空気が変わる
- 夕方が早くなって、景色が“寂しい色”になる
- 何かが終わっていくのに、次が始まってしまう
歌詞の冒頭が「夕景」から始まるのは象徴的で、**眩しさ(光)と、見えなくなる怖さ(喪失)**が同時に鳴っています。
“October’s”は、まさにこの **「変わり目の季節=変わり目の関係」**を背負ったタイトルだと読めます。
「君」の正体は恋人?それとも“居場所”そのもの?|二人称の揺れを読む
この曲の「君」は、もちろん恋人として読めます。服の描写や会話の断片、二人で出かける距離感はかなり具体的です。
ただ、終盤のニュアンスが重要で、曲は「君」を“人物”としてだけでなく、帰る場所/立ち返る拠点として扱い始めます。
つまり「君=特定の誰か」から、「君=居場所の象徴」へと、二人称の意味が広がっていく。
だからこそ「僕らの居場所は いつでもそこで待つ君の前だ」という言い方は、ロマンチックというより、必死な確信に聞こえるんです。
キーフレーズ考察①「他の誰かじゃなく僕のために歌ってよ」の切実さ
この曲を象徴する一節が、
「他の誰かじゃなく僕のために歌ってよ」。
ここには、2つの痛みがあります。
- 選ばれたい痛み:愛されたい、特別でいたい。
- 置いていかれたくない痛み:自分以外の世界へ行ってしまう気配への恐れ。
面白いのは、頼み方が“支配”じゃないこと。
命令ではなく、懇願に近い。つまり、相手を縛るのではなく、「縛れない自分」を知っている言葉なんですよね。
この切実さがあるから、「October’s」は甘いラブソングというより、揺れる関係の中で踏ん張る歌になります。
キーフレーズ考察②「自由になればそれだけ身動き取れないな」—自由の代償
もう一つの核心が、
「自由になればそれだけ身動き取れないな」。
一見矛盾しているけど、感覚としてはすごく現実的です。
- 何にも縛られない=どこへでも行ける
- でも、どこへ行っても正解がなくて、逆に動けなくなる
これは、若さの賛歌というより、若さの不安の方に寄っている。
自由って、気持ちいい反面、「選ぶ責任」も全部自分に返ってくる。だから足が止まる。
このフレーズが入ることで、「他の誰かじゃなく…」の懇願も、恋愛だけでなく、人生そのものの不安に接続して聞こえてきます。
キーフレーズ考察③「川の流れに沿って 次第に時代を失って行く」—時間と喪失
「October’s」がただの恋愛曲で終わらない理由が、
**「川の流れに沿って 次第に時代を失って行く」**というラインです。
川の流れは、時間の比喩としてあまりにも強い。
そして“失う”のが「思い出」じゃなく「時代」なのがポイント。
- かつての自分たちが生きていた空気
- 同じ音楽で盛り上がれた温度
- 未来が無限に見えた感覚
そういう“時代”が、川みたいに止まらず流れていく。
だからこそ曲中で繰り返される「僕らは光っているかい」「分からない未来」も、希望というより、**確認(点呼)**みたいに響きます。
「浮ついた街」vs「いつでもそこで待つ君の前」|帰る場所の物語
終盤に出てくる 「浮ついた街」 は、単に都会が嫌いという話ではなく、自分が自分でいられなくなる場所の比喩にも読めます。
街は刺激的で、自由で、眩しい。
でも同時に、そこでの自分は軽くなって、輪郭がぼやけていく。
だから曲は最後に、居場所をこう言い切る。
「僕らの居場所は いつでもそこで待つ君の前だ」
ここで“家”でも“地元”でもなく、「君の前」と言うのが肝です。
場所ではなく、関係の中に居場所を作ろうとしている。
それはロマンチックだけど、同時に危うい。だって「君」がいなくなったら、居場所ごと消えるから。
だからこそ、この結論は幸福というより、覚悟の宣言に聞こえます。
ハルカミライらしさから読む結論|“俺とお前”の歌としての「October’s」
ハルカミライは、拳を上げさせるだけのバンドじゃなくて、“叫ぶ理由”をちゃんと歌詞に刻むバンドです。
「October’s」はその中でも、叫びの手前にある、言葉にならない揺れを丁寧にすくう曲。
この曲の結論は、たぶんこうです。
- 時間は流れて、時代は失われていく
- 未来は簡単に見えない
- それでも、今この瞬間だけは、君の前で“僕ら”でいたい
だから「浮ついた街を僕ら歩く」は、軽さの肯定じゃなく、軽くなってしまう世界を、それでも二人で歩くという抵抗に聞こえる。
ハルカミライ的に言うなら、“俺とお前”を守る歌。そんな解釈がしっくりきます。
まとめ|「October’s」が残す余韻(今を抱きしめて未来へ行く)
「ハルカミライ october’s 歌詞 意味」をまとめると——
- 夕景〜高速道路〜川〜街と、情景が連なることで“時間の流れ”を描いている
- 「他の誰かじゃなく…」は、選ばれたい痛みと、置いていかれたくない恐れ
- 「自由になれば…」は、自由の裏側にある不安のリアル
- 「次第に時代を失って行く」で、恋愛を超えて人生の喪失へ接続する
- 最後に「君の前」を居場所と言い切るのは、幸福というより“覚悟”
10月は、変わり目の季節。
「October’s」は、その変わり目で、消えていくものを見送りながら、それでも“今”を掴もうとする歌だと思います。
よくある質問(失恋歌?実話?/どの音源・ライブで聴くと刺さる?)
Q1:失恋の歌ですか?
失恋“後”を断言するより、失うかもしれない不安の最中にいる歌、という印象です。すでに壊れた関係より、壊れそうな関係の方が近い。
Q2:実話っぽいけど、モデルはいる?
歌詞には具体的な描写が多いので実体験の匂いはしますが、断定はできません。むしろ「時代を失う」「未来が見えない」など普遍性の高い言葉へ開いているのが、この曲の強さです。
Q3:どの作品に入ってる?
『星屑の歌』(2017/11/22発売)に収録されています。
(※2025 mixなどの配信も出ていますが、まずは原点としてアルバム文脈で聴くと刺さりやすいです。)

