fav me「にゃんてずるいの!」歌詞の意味を考察|なぜ“猫”になる?「ずるい」に隠れた恋心

fav me「にゃんてずるいの!」の歌詞の意味を考察。なぜ主人公は“猫”のように振る舞うのか。「ずるい」という言葉や恋の駆け引き、MVの猫モチーフから、素直になれない女の子の本音を読み解きます。


fav me「にゃんてずるいの!」は、一見すると猫のように気まぐれで、好きな人を翻弄する女の子を描いたキュートなラブソングです。

しかし歌詞を追っていくと、少し違った姿が見えてきます。

相手を振り回しているように見える主人公こそ、実は好きな人の一挙一動に振り回されているのです。

かわいいと思われたい。

でも、自分からは聞けない。

近づきたい。

でも、自分から追いかけるのは恥ずかしい。

そんな恋する女の子の矛盾した感情を、「猫」というモチーフに置き換えたのが「にゃんてずるいの!」なのではないでしょうか。

この記事では、歌詞に登場する猫らしい仕草や「ずるい」という言葉の意味を手がかりに、この曲が描いている恋心を考察します。

fav me「にゃんてずるいの!」とは

「にゃんてずるいの!」は、7人組アイドルグループ・fav meの楽曲です。

2026年7月18日に先行配信され、9月2日に発売された2ndシングルCDの表題曲となっています。作詞・作曲はcorin.と浅葱紡、編曲はcorin.が担当しています。

公式では、この曲について**“猫系あざとかわいい”をテーマにしたfav me流ラブソング**と説明されています。

猫のように気まぐれで小悪魔的な女の子が、好きな人との駆け引きを楽しみながらも、なかなか素直になれない。

つまり最初から、「かわいい猫」という表面的なイメージだけではなく、その裏にある素直になれない恋心が重要な曲なのです。

結論|「にゃんてずるいの!」は恋に振り回される女の子の歌

この曲の主人公は、猫のように自由で気まぐれな女の子として描かれています。

しかし筆者は、「にゃんてずるいの!」の本当の面白さは、そこにある主導権の逆転だと考えます。

主人公は好きな人に「かわいい」と思ってもらうために服やメイクを気にします。

相手がどんな姿を好きなのか知りたい。

けれど、それを真正面から聞く勇気はない。

さらに、相手を目で追ってしまったり、ちょっとした行動だけで胸が高鳴ったりする。

歌詞の序盤からすでに、主人公の感情は好きな人によって完全に動かされています。

つまり、

猫のように相手を翻弄しているようで、本当に翻弄されているのは主人公のほう。

この構造こそが、「にゃんてずるいの!」というタイトルにつながっているのでしょう。

なぜ主人公は「猫」になるのか

では、なぜこの恋心を表現するために「猫」が選ばれているのでしょうか。

猫には一般的に、

  • 気まぐれ
  • 自由
  • 甘えたいときだけ近づく
  • 追いかけると逃げる
  • 好きでも素直に態度へ出さない

といったイメージがあります。

これは、「にゃんてずるいの!」の主人公そのものです。

本当は好き。

本当は近づきたい。

本当はかわいいと思ってほしい。

それなのに、自分から素直に愛情を示すことはできない。

そこで主人公は、恋に臆病な自分を隠すように「猫」のキャラクターをまとっているのではないでしょうか。

言い換えれば、この曲における猫らしさは単なる「あざとさ」ではありません。

傷つきたくない女の子の防御でもあるのです。

メイクや服を気にする主人公が本当に欲しいもの

曲の冒頭では、アイラインや服装を気にする主人公の姿が描かれています。

ここで重要なのは、彼女がおしゃれそのものを楽しんでいるだけではないということです。

意識の中心には常に「好きな人」がいます。

どんな自分なら相手の好みに近づけるのか。

今日の私はかわいく見えているのか。

相手からどう見られているのか。

しかし、直接確かめることはできません。

歌詞では、かわいいかどうか聞きたいのに聞けない気持ちも描かれています。

ここには恋愛初期特有の不安があります。

相手に好かれたい気持ちが強くなればなるほど、本当は簡単なはずの一言が言えなくなる。

「かわいい?」と聞いてしまえば早い。

でも、もし期待した答えが返ってこなかったら傷ついてしまう。

だから主人公は聞かない。

聞かずに、相手の表情や行動から答えを探そうとするのです。

猫のような余裕を見せていても、その内側では不安でいっぱいなのでしょう。

「おいで待ち」が表す恋のプライド

歌詞には「おいで待ち」という、非常に猫らしい表現も登場します。

これは、自分から積極的に相手のところへ行くのではなく、

相手から「おいで」と呼んでくれるのを待つ

状態だと考えられます。

ここには主人公の恋愛観がよく表れています。

会いたいのに、自分から行きたくない。

好きなのに、自分から好きだとは言いたくない。

相手から求められていることを確認してから近づきたい。

そこには少しのプライドと、大きな不安があります。

本当は相手を焦らしているのではありません。

「自分だけが好きだったらどうしよう」という怖さから、相手のアクションを待っている。

だからこそ猫なのです。

「ずるい」と言っているのに、本当は怒っていない

タイトルにもなっている「ずるい」という言葉も、この曲の重要なポイントです。

普通、「ずるい」は相手を非難するときに使う言葉です。

しかし「にゃんてずるいの!」における「ずるい」は、本気の怒りではありません。

むしろ、

「そんなことされたら、もっと好きになってしまう」

という意味に近いのでしょう。

相手は何気なく行動しているだけなのかもしれません。

ところが主人公にとっては、その一つひとつが特別です。

目が合っただけでドキドキする。

少し優しくされただけで期待する。

そして、自分ばかりが相手を気にしているような気がして悔しくなる。

だから主人公は、自分の感情を動かしてくる相手に対して「ずるい」と言うのです。

それは責める言葉というより、

「こんなに好きにさせたあなたのせい」

という、ほとんど告白に近い言葉なのではないでしょうか。

「にゃんて」というタイトルに隠された二重の意味

タイトルの「にゃんてずるいの!」も秀逸です。

もちろん「にゃん」は猫の鳴き声。

しかし「にゃんて」は、日本語の「なんて」と重なる言葉遊びにも聞こえます。

つまり、

「なんてずるいの!」

という恋する女の子の感情を、猫の「にゃん」に置き換えているわけです。

怒っているようでかわいい。

悔しがっているようで甘えている。

この曖昧さが、まさに主人公の恋心そのものです。

「好き」と言えないから「ずるい」と言う。

「会いたい」と言えないから待っている。

そして「甘えたい」と言えないから猫になる。

タイトルだけでも、この曲の主人公が持つ素直になれない性格が表現されているように思えます。

本当に“ずるい”のは好きな人なのか

もう一歩踏み込んで考えてみましょう。

主人公は相手を「ずるい」と感じています。

しかし、相手が意図的に主人公を誘惑しているとは限りません。

むしろ歌詞を読む限りでは、主人公自身が好きな人の行動を一つひとつ特別な意味として受け取っているようにも見えます。

つまり本当に主人公を振り回しているのは、

好きな人ではなく、「恋をしてしまった自分の心」

なのかもしれません。

好きになる以前なら気にならなかったことが気になる。

他の人なら何とも思わない言葉に意味を感じる。

目が合っただけで、その一日が特別になる。

恋をした瞬間から、世界の見え方そのものが変わってしまうのです。

だから「ずるい」。

好きな人がずるいのではなく、

恋という感情そのものが“ずるい”のです。

そう考えると、かわいらしいタイトルの奥に意外なほど普遍的な恋愛感情が隠されていることが分かります。

小悪魔に見えて、実は誰よりも一途

公式では主人公を「気まぐれで小悪魔な女の子」と説明しています。

しかし歌詞から伝わってくるのは、単純な小悪魔像ではありません。

むしろ主人公はかなり一途です。

服を選ぶときも相手を考える。

メイクをするときも相手を考える。

相手の姿を無意識に目で追ってしまう。

自分がどう見られているのか気になって仕方がない。

行動だけを見れば猫のように自由でも、心の中心にはずっと一人の相手がいるのです。

だから、この曲の「あざとかわいさ」は計算高い恋愛テクニックとは少し違います。

本当は好きだとバレそうなくらい一途だからこそ、あえて気まぐれなふりをしている。

その強がりが、結果的に「あざとかわいく」見えているのでしょう。

MVの洋館と猫モチーフが意味するもの

「にゃんてずるいの!」のMVでも、猫のイメージは徹底されています。

舞台となるのは洋館。

メンバーたちはメイクをしたり、お菓子を食べたり、毛糸で遊んだりしながら、猫のように自由気ままな時間を過ごしています。

ここで面白いのは、猫の耳を付けるだけの単純な演出ではなく、「猫ならどう過ごすか」という行動そのものが映像化されていることです。

誰かに合わせるのではなく、自分の気分で動く。

好きなものへ近づき、飽きたら離れる。

一見すると主人公が理想とする姿そのものです。

ところが歌詞では、好きな人の存在によって心が乱され続けています。

つまりMVが描く自由な猫と、歌詞が描く恋に不自由な女の子には少しギャップがある。

この対比も「にゃんてずるいの!」の魅力ではないでしょうか。

fav meにとって「猫」は重要なモチーフ?

fav meには、1stシングルCD『すきなんかじゃ…にゃい!』もあります。

そして今回が『にゃんてずるいの!』。

タイトルを見るだけでも、猫を思わせる言葉遊びが繰り返されています。

実際、ジャケット撮影のメイキングではメンバーの阿部かれんが、今回についてfav meとして“2回目の猫”という趣旨のコメントをしています。前回とは猫の雰囲気自体も違うと説明しており、猫というモチーフがfav meの世界観の一つになっていることがうかがえます。

猫はかわいい。

でも、ただかわいいだけではありません。

気まぐれで、簡単には心を見せず、それでいて突然甘えてくる。

この「距離感」は、恋愛を描くうえで非常に相性のいいモチーフです。

fav meにとって猫とは、単なるビジュアル的なかわいさではなく、

「好きなのに素直になれない女の子」

を表現するための象徴なのかもしれません。

まとめ|「にゃんてずるいの!」は強がるほど“好き”が漏れてしまう歌

fav me「にゃんてずるいの!」は、“猫系あざとかわいい”というコンセプトを持ったラブソングです。

しかし歌詞を読み解いていくと、その猫らしさの奥には、とても不器用な恋心が隠されていました。

主人公は自由な猫のように振る舞います。

けれど本当は、好きな人の視線ひとつ、行動ひとつで心が揺れてしまう。

自分から近づけない。

かわいいと思っているか聞けない。

好きだとも言えない。

それなのに、相手のことばかり考えている。

だから「ずるい」のです。

そしてこの曲で最もかわいいのは、主人公が必死に隠そうとしている**「好き」という感情が、隠せば隠すほど伝わってしまうこと**なのではないでしょうか。

猫のように気まぐれなふりをしても、心だけはどうしても好きな人から離れられない。

「にゃんてずるいの!」は、そんな恋する人間の矛盾を、fav meらしいポップでキュートな世界観に閉じ込めた一曲なのです。

この記事を書いた人
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運営開始:2021年
主なテーマ:邦楽の歌詞考察・楽曲解説

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