SIX LOUNGE「★」歌詞の意味を考察|“デタラメ”とBlack Starが描く夜の本音

“正しさ”がうるさく感じる夜ほど、心は乱暴なくらい本音を欲しがる。SIX LOUNGEの「★(ブラックスター)」は、そんな夜に「デタラメでもいい」と言い切って、君のいる場所へ突っ走っていく曲だ。

サビで繰り返される「Black Star」は、憧れみたいに眩しいのに、なぜか“壊れそう”な危うさもまとっている。泣きたい夜を肯定しながら、太陽や世間の目を避けて、二人だけの闇に光をつくる——この曲は甘いだけのラブソングじゃなく、救いと依存がギリギリで同居する物語でもある。

この記事では、「デタラメ」「泣いていい」「太陽/カーテン」「君のこと以外デタラメ」といったキーフレーズを手がかりに、「★」が描く“夜の本音”を言葉ごとに読み解いていく。

「★」はどんな曲?まず押さえたい全体像(テンション/語り口/距離感)

「★」は一言でいうと、“デタラメでもいいから君に向かって突っ走る”夜のラブソングです。冒頭から「Alright」と勢いよく煽り、正論や日常の説教くささを振り切って、夜へ・君へと身体ごと突っ込んでいく。
ただし爽快なだけじゃなく、どこか危うい。サビで繰り返される「Black Star」は眩しさの象徴である一方、「輝きすぎて壊れそう」と言い切ることで、“好き”の強度が限界値に近いことも示しています。


タイトル「★」=“ブラックスター”が示すもの(眩しさ・危うさ・惹きつけ)

タイトルが文字の「★」だけなの、ズルいですよね。名前を固定しないことで、星=憧れ・目印・光…といったイメージを聴き手に開放している。そこへ歌詞の中では「Black Star」という言葉が繰り返し現れ、星のイメージが一気に“夜の支配力”に寄っていきます。
黒い星って、普通は見えにくいはず。なのに“虜にする”ほど輝く。ここにこの曲の核があって、「一緒にいると救われるのに、同時に壊れそう」な恋の矛盾を、星の記号でまとめているように感じます。


冒頭の「デタラメ」:正しさより“衝動”を選ぶ宣言

「Alright デタラメに行こうぜ」という出だしは、倫理とか正解とかをいったん棚上げして、“衝動で生きる夜”へ切り替える合図。
ポイントは、デタラメ=投げやりではなく、君へ向かうための意志として鳴っているところ。続く「懲りない説教はママみたい」という一節が、日常の正論を強烈に“ノイズ化”しているので、主人公は「正しさ」より「いま君に行く」を選んだ、と読みたくなります。


“説教っぽい日常”からの離脱――夜に向かうロックンロール

説教=昼の世界の象徴だとすると、この曲は徹底して夜の側に立っています。
「ゴキゲンはいかが?」と軽口を叩きつつ、「骨までしゃぶる」みたいな肉体的な比喩で、“生の勢い”を上げていく。
さらに「それなら夜に君といきたい」「無傷なわけがない」と続くことで、恋も人生もきれいごとじゃ済まない前提が置かれる。
つまりこれは、日常からの逃避というより、傷つく覚悟込みのロックンロールなんですよね。


サビの“Black Star”は誰のこと?「君」を神格化する言葉選び

サビで「Black Star 君を虜にしたらもう離さない」と歌う以上、この星はほぼ間違いなく「君」そのもの。
しかも「君に魔法をかけて」「もう離さない」と、愛情が“守る”より“縛る”方向へ強く出る。
ここが「★」をただの甘いラブソングにしないところで、主人公は君を賛美してるのに、同時に独占欲の匂いも濃い。星に見立てて神格化するほど、失う怖さも増えるからです。


「泣いていい」:弱さの肯定がこの曲をラブソング以上にする

「泣きたい夜は泣いていいのさ」というラインが、この曲の温度を決めています。
強がりなロックの顔をしてるのに、ここだけ急に“肯定”が来る。だから刺さる。
続く「冷えた心は誰も入れないさ」という一節は、優しさというより防衛反応に近い。
つまり二人は、キラキラした恋というより、弱さや孤独を抱えたまま寄り添う関係に見えてきます。


「太陽」「カーテン」:光を避ける比喩が描く“二人だけの世界”

「太陽の目を伏せ」「Baby カーテン閉じて」という描写は、昼の光=現実や他人の視線を遮断して、二人の世界を作る合図。
太陽は普通“正しさ”とか“健全さ”の象徴になりがちですが、この曲ではむしろ邪魔者。
星が輝くのは夜だけで、カーテンを閉めた瞬間に「Black Star」が成立する。そう考えると「★」の恋は、“世間に見せる恋”ではなく、“夜だけの真実”に寄っているのがわかります。


「君のこと以外デタラメ」:真実を一つに絞る怖さと潔さ

終盤の「どうか、聞いて 君のこと以外デタラメだから」が、この曲の告白のピーク。
これ、ロマンチックに聞こえる一方で、かなり危険な誓いでもあります。
世界の意味を“君”一つに集約してしまうから。だからこそ次の「君がいない夜は…迷子になる」に繋がる。
愛が強い=強さ、ではなく、依存に触れる一歩手前まで書いているのが「★」のリアルさだと思います。


“輝きすぎて壊れそう”の矛盾――憧れと破滅願望が同居する理由

「輝きすぎて壊れそうなBlack Star」という表現は、憧れの絶頂と、破壊の予感を同時に鳴らします。
眩しいものほど近づきすぎると目をやられるし、熱に触れすぎると焼ける。星の比喩って、本来そういう“触れなさ”を含むんですよね。
それを「ここだ」と言って手繰り寄せるから、恋が美しいぶん、壊れる未来もセットで見える。
この矛盾が、SIX LOUNGEらしい“泥臭いロマンチシズム”に変換されている感覚があります。


THE BULBの流れで読む「★」:作品の中で担う役割

「★」はアルバム『THE BULB』の2曲目に配置されています(1曲目が「ナイトタイマー」、3曲目が「発光」)。
ここ、並びが強い。**夜(ナイト)→星(★)→発光(光)**で、“暗闇の中で光を掴む”物語線が見えるんです。
しかもリリースは2019年12月11日。冬の夜が長い季節に、この“夜の星”が置かれているのも、感覚的にハマる。
アルバム全体を聴く導線としても、「★」は“この作品は夜と光の話だよ”と提示する役割を担っているように思います。


まとめ:この曲が最後に残すのは“夜を肯定する星”か、それとも――

「six lounge ★ 歌詞 意味」を考えるとき、答えはひとつに固定しない方がしっくり来ます。
この曲の星は、君の眩しさであり、救いであり、同時に“壊れそうな危うさ”そのもの。
デタラメだと笑い飛ばしながら、「君のこと以外デタラメ」と言い切る。この逆転が、恋の美しさと怖さを同時に成立させています。
だから聴き終わったあとに残るのは、「幸せになりたい」より先にくる「今夜、君のそばにいたい」。その切実さなんじゃないでしょうか。