恋愛の“方程式”をテーマにした歌詞の背景
Da-iCEの楽曲「Answers」は、恋愛を“方程式”として捉えるという独創的なコンセプトに基づいて制作されました。メンバー自身が「恋の方程式を解く」というテーマで歌詞を手がけており、抽象的ながらも数学的な表現を巧みに取り入れています。
これは、恋愛が常に一つの正解を持たない曖昧なものであるという認識から生まれた発想です。数式のように答えを導き出したいけれど、実際には無限に可能性がある——そのような“もどかしさ”や“楽しさ”がこの楽曲の基盤となっています。
歌詞には“公式”や“証明”といった数学用語が散りばめられ、まるで恋愛における試行錯誤の過程を図式化したような印象を与えます。
円周率（無理数）に例えた恋愛とは？
「Answers」の中で最も印象的な表現の一つが、「円周率」に例えた恋愛の描写です。円周率は無限に続く小数で、正確な終わりが存在しません。この特性が、“恋愛に正解はない”“永遠に答えを探し続けるもの”という意味合いを持たせています。
たとえば、「3.14のその先もずっと」といった歌詞は、決して終わりのない感情の連続や、パートナーと共に探し続ける“答え”への旅路を象徴しています。この比喩は、多くのリスナーの共感を呼び、「恋愛＝解けない方程式」というメッセージをより強く印象づける要素となっています。
歌詞に込められた“答え”を探すプロセス
この楽曲では、恋愛において人が抱える不安や葛藤、そしてそれを乗り越えていく過程が描かれています。AメロやBメロでは“迷い”や“未解決な感情”が表現されており、サビに向かって徐々に“答えに近づいていく感覚”が描かれる構造です。
特に、「君という未知数を解き明かしていく」といったフレーズは、パートナーとの関係を少しずつ理解し深めていく様子を巧みに表現しています。恋愛は“計算”ではなく“体験”である——そうした価値観の変化が、歌詞全体に込められているのです。
また、最後のサビでは、「正解じゃなくても、君と見つけた答えでいい」といった、個人の感情を大切にする視点が提示され、共感を誘います。
作詞家メンバーの想い：大野雄大と花村想太の視点
「Answers」の歌詞は、Da-iCEのボーカルである大野雄大さんと花村想太さんが共同で手がけました。彼らはインタビューで「恋愛には明確な答えがないからこそ、それぞれの“答え”を見つけていく過程が美しい」と語っています。
この曲において、彼らは自分自身の経験や感情をもとに、「恋愛＝公式」では割り切れない現実と向き合う姿勢を強く打ち出しています。特に、花村さんは「歌詞には“感情の揺らぎ”を残すようにした」と述べており、それが聴き手にとってリアリティのあるものに仕上がっている要因となっています。
大野さんは「“わかり合えた”と感じる瞬間が答えなのではないか」と語り、歌詞にもその視点が色濃く反映されています。
ドラマ主題歌としての役割と歌詞のメッセージ性
「Answers」は、ABEMAの恋愛ドラマ『キス×kiss×キス～メルティングナイト～』のエンディングテーマとして書き下ろされました。このドラマは様々な恋の形を描くオムニバス形式で構成されており、楽曲のメッセージ性とも高い親和性を持っています。
特に、ドラマに登場するカップルたちが、それぞれ異なる「愛の答え」を模索する姿が、「Answers」の歌詞と見事にリンクしており、視聴者に深い印象を与えました。歌詞が持つ“正解ではない答え”というテーマが、恋愛の多様性を肯定するドラマの世界観を後押ししています。
このように、楽曲単体としての完成度の高さだけでなく、映像作品との相乗効果によって「Answers」はより一層深い意味を持つ作品となっています。
Key Takeaway（まとめ）
Da-iCEの「Answers」は、恋愛という普遍的なテーマを、“方程式”や“円周率”といった数学的メタファーで表現した非常にユニークな楽曲です。作詞メンバーの個人的な視点が繊細に盛り込まれた歌詞は、聴き手に“自分なりの答え”を探す勇気を与えてくれます。ドラマ主題歌としての役割も加わり、多くの共感と深い余韻を残す一曲となっています。
