【鱗/秦基博】歌詞の意味を考察、解釈する。

男性シンガーソングライター秦基博の楽曲『鱗(うろこ)』が、YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』で披露され、再び注目を集めました。

この楽曲にはどのようなラブストーリーが描かれているのか、歌詞を解析していきましょう。

想いを伝える覚悟

2007年にリリースされた秦基博の2番目のシングルは『鱗(うろこ)』です。

この曲は10年以上前にリリースされましたが、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」での一発撮りパフォーマンスにより、再び注目を集めました。

曲のテーマは爽やかで情熱的なラブソングで、告白前の葛藤や決意が歌われています。

少し伸びた前髪を かき上げた その先に見えた
緑がかった君の瞳に 映り込んだ 僕は魚
いろんな言い訳で着飾って 仕方ないと笑っていた
傷付くよりは まだ その方がいいように思えて

「自分の気持ちを伝えるのは怖いけれど、傷つくのを恐れてしまう」

「色んな言い訳をして、自分の気持ちから逃げてしまうこともある」

片思いを経験したことがある人なら、この歌詞に共感することでしょう。

ちなみに、「僕は魚」というフレーズは、曲のタイトルである「鱗」と関連しています。

なぜ魚かはまだ説明されていませんが、それは覚えておくといいでしょう。

夏の風が 君をどこか 遠くへと 奪っていく
言い出せずにいた想いを ねぇ 届けなくちゃ
君を失いたくないんだ

この歌詞からは、夏が訪れていることが伺えます。

季節が変わる中で、君がどこかへ去ってしまうことを感じ、想いを伝える覚悟を決めたようです。

鱗を脱ぎ捨てる決意

君に今 会いたいんだ 会いに行くよ たとえ どんな痛みが ほら 押し寄せても
鱗のように 身にまとったものは捨てて
泳いでいけ 君のもとへ 君のもとへ それでいいはずなんだ

この部分はサビの歌詞ですね。

主人公が恋する相手に心からの思いを伝えようとする強い意志が感じられます。

そして、ここでタイトルにもなっている「鱗」が登場します。

前後の歌詞を考えると、「鱗」は、想いを伝えることを諦める理由や言い訳を指すようです。

告白する前の主人公は傷つくことを恐れ、想いを伝えない理由を考え続けていました。

そのような言い訳を「鱗」と呼び、自分を抑えつけるように感じたのかもしれません。

そして、この「魚」の比喩は、その「鱗」によって束縛された状態を表しているのかもしれません。

しかし、主人公はその鱗を脱ぎ捨てる決意を固めたようです。

果たして、彼の思いは相手に届くでしょうか?

一つの恋を通じて成長する

季節の変わり目は 曖昧で 気づいたら すぐ過ぎ去ってしまうよ
まだ何ひとつも 君に伝えきれてないのに

2番の冒頭では、まだ主人公が想いを伝えることができていないようです。

夏の風と共に相手がどこかへ去ってしまうのではないかと、主人公が季節の変化に焦りを感じている描写がありますね。

主人公には何かしらの弱さを感じさせる部分もありますが、次の歌詞には強い意志が表れています。

夏の風に 君を呼ぶ 渇いた声 消されぬように
あふれそうな この想いを もう ちぎれそうなくらい
叫んでみるんだ

主人公は、想いを告げることで関係が崩れてしまうことを恐れていました。

それでも、喉が渇くほど一生懸命になって想いを伝える決心をした主人公の姿は、感動的ですね。

その後のサビでは、主人公が歌声に乗せて想いを伝える様子が描かれています。

君に今 伝えたくて 歌ってるよ たとえ どんな明日が ほら 待っていても
鱗のように 身にまとったものは捨てて
泳いでいけ 君のもとへ 君のもとへ それでいいはずなんだ

一つの恋を通じて成長する主人公。

片思いをしている人たちにとっても共感できるエピソードかもしれませんね。

まとめ

『鱗』は爽やかでありながら情熱的なラブソングです。

片思いをしている人や、告白を考えている人にとって、この曲を聴くことで、好きな人への思いや告白への決意を高めるきっかけになるかもしれません。