【染まるよ/チャットモンチー】歌詞の意味を考察、解釈する。

今回は、チャットモンチーの「染まるよ」について書きたいと思います。
この曲は「告白」というアルバムに収録されています。
歌詞はベース担当の福岡晃子さんによって書かれました。

感性的で女性的な側面

大人だから一度くらい 煙草を吸ってみたくなって

月明かりに照らされたら 悪い事してるみたいだ

この曲は夜のシーンが続き、最後に朝が訪れる構成になっています。
そして、感性的で女性的な側面があります。
タバコを吸う行為や夜道を「ふらりと」歩くことには特に明確な意味がなく、感覚的な描写が多いです。
失恋したことで、普段しないようなことに手を出してしまう。
ちょっとした焦りから、世間的には良くない行動を取ることもありますよね。
身近にそういう人はいませんか?
恋愛の失敗から音楽の好みが変わったり、異性との関わりが増えたり、SNSで謎の投稿をするようになったりすることがあります。
そのような行動が現れることもありますし、煙草を試してみる人もいますよね。

それは叶わなかった

なんだか自分でも強がっている感じがする。
やっていることがあまり良くないって自覚もある。
「大人だから一度くらい」とか、ただの言い訳で、「あなたの好きな/私より好きな 煙草」を吸ってしまい、元恋人を思い出し、悔いている。
それがわかるのは、サビの部分です。

いつだってそばにいたかった わかりたかった 満たしたかった

きっと私がそばにいられなかった理由は、「私」に関係していたのかもしれない。
でもそれは私の視点からの意見でしかない。
あなたの気持ちを、あるいはあなた自身を私で満たしたかった。
でも、それは叶わなかった。

もらった言葉はどんなものだったのか

あなたのくれた言葉 正しくて色褪せない 

でももういらない

「あなた」からもらった言葉はどんなものだったのか。
おそらく、「言い訳ばかりで仕事が忙しいなんて、理由にはならない!時間は作れるものだ!」「大人なのだから夢を追うよりも、安定した収入を得る方がいい!」といったような内容ではなかったでしょうか。

煙が「目に染みる」

そして、サビの最後のフレーズです。

「煙が目に染みるよ 苦くて黒く染まるよ」

「煙が目に染みても 苦くても夜は明ける」

「煙が雲になって 朝焼け色に染まるよ」

煙が「目に染みる」ことはおそらく涙を流していることを暗示しています。
「苦い」「黒い」という表現は、今の気持ちを表しているのでしょう。
1番のサビを非常に簡潔に要約すると、「つらくて涙が出る」ということです。
2番では「つらくて涙が出る気持ちもいつか晴れる」という感じでしょう。
そして、最後のサビでは「少し気持ちが晴れた」というような感じでしょうか。

心が浄化されている

サビを通して、無自覚にカタルシスの効果を得ているようです。
カタルシスとは要するに「浄化」することです。
怒りやイライラを感じている時に激しい曲を聴いて気持ちをスッキリさせる、悲しい気分の時に感動的な映画を観て涙を流し、心を晴れやかにするという経験、それはカタルシス効果と言えます。
あえて「あなたの好きな煙草」を吸うことで、悲しい気持ちや後悔の感情に浸り、ますます悲しい気持ちになる。
自分の悲しみや別れと向き合うことで、心が浄化されているように感じられます。