【JUMP/忌野清志郎】歌詞の意味を考察、解釈する。

2009年5月に亡くなった忌野清志郎の最後のヒットシングル『JUMP』は、まさに今の時代に必要な「真のロック」と言えるでしょう。
現在の状況を考えると、キヨシローの楽曲が私たちにとって響くのではないかと思います。
その歌詞には、私たちが今何に向き合い、どのような姿勢で進んでいくべきかのヒントとなるものが含まれているように感じます。

今こそ彼の音楽が必要だ

2009年5月に永眠した忌野清志郎の「JUMP」という楽曲は、まさに現代においてもその真髄を示す「ロックの象徴」と言っても過言ではないでしょう。
現在の状況を見つめながら、キヨシローの歌が私たちに新たな示唆をもたらすかもしれません。
この曲の歌詞は、私たちの思考や行動に関して重要な指針を含んでいるように感じられます。

RCサクセションやTHE TIMERS、HISといったさまざまな時期において、忌野清志郎は一貫して真のロックの姿勢を貫いており、その音楽はまさにロックの本質を体現していました。

彼の初期の活動時期、「ゲーノーカイ」を「干された」時期もそうですが、例えば「けむり」という曲では、「火の無いところにも煙は立っている。火の無いところにも煙は立つものさ」と歌いました。
また、「宝くじは買わない」や「金もうけのために生まれたんじゃないぜ」といった楽曲は、その後の「企業で作業」などと連なり、80年代から強いメッセージを発信し始め、90年代後半から広がりを見せる金融中心主義や大企業至上主義に対する批判的な立場を示し続けました。
さらには、政治、経済、軍事などの分野での権力者や資本家たちによる欺瞞に果敢に立ち向かう姿勢を、政府による発売禁止がかかるほどの「COVERS」などで表現しました。

同時に、「ぼくの家の前の道を今朝も小学生が通います」や「ダーリンミシン」「夜の散歩をしないかね」といった楽曲では、身近な人々や場所、自然への思いやりや、シンプルで素朴な感性を歌っています。

これらの要素を総合すると、「所有者が所有する者を支配するために用いる力への前向きな視点での本質的で普遍的な抵抗の態度」が、忌野清志郎の音楽における真髄であり、その姿勢は一貫していました。
そしてその姿勢が最も象徴的に表れていたのが、「JUMP」でした。

「今、私たちは将来の社会や世界が以前よりも暗黒的になる可能性がある瀬戸際に立っているのではないか」と考えながら現在の状況を見つめたある日、自動販売機から緑茶を手に取り歩いている最中に、「ボブ・ディランの『風に吹かれて』やジョン・レノンの『Give Peace A Chance』や『イマジン』のように、その時代に必要な旗印となる曲が私たちにもあるのではないか?」と考えました。
そのとき、まるで天啓を受けたかのように、「JUMP」のAメロの歌詞が口ずさみ出し、その瞬間に洞察が閃きました。
まさにこれだ、と。

彼こそ、忌野清志郎。
こんなにも素晴らしい楽曲を私たちに贈ってくれたのです。

以下は、私が感じた「JUMP」の意味を解釈したものです。
歌詞を積分して得られる微分。
そのような視点でご覧いただければ幸いです。

歌詞を解釈し、分解してみる

夜から朝に変わる いつもの時間に
世界はふと考え込んで 朝日が出遅れた

東西冷戦時代が過ぎ、ソ連型国家に象徴される暗黒の社会は段々と影をひそめていますが、果たして人類はより良い未来に向かって進展しているのでしょうか。
未だに多くの国や地域で地域的な争いが続いており、私たちは具体的にどのような方向性で前進していくべきか、今なお悩みを抱えており、少し取り残されてしまいそうな気がしています。

なぜ悲しいニュースばかり
TVは言い続ける
なぜ悲しい嘘ばかり
俺には聞こえる

メディアは頻繁に「テロだ」「破綻だ」「危機だ」といった否定的な言葉を使用して、不安を煽る報道を繰り返しているように感じますが、なぜそういったアプローチをとるのか疑問に思うことはありませんか。
実際には、真実を完全に伝えていないか、あるいは本当の状況を意図的に控えめに伝えている可能性があるのではないか、という考えが私にはあります。
この気持ちは、私だけでなく他の人にも共感されることかもしれません。

Oh 荷物をまとめて 旅に出よう
Oh もしかしたら君にも会えるね

「ここにとどまり続けなさい」という言葉がずっと響いてきた場所から、今こそ勇気を出して離れてみることを考えています。
大切なものだけをバッグに詰め込み、自分たちの足で大地を踏みしめて歩んでいけば、同じように進んでいる真の友人に巡り会えるに違いありません。
私にはそんな予感が抱かれています。

JUMP 夜が落ちてくるその前に
JUMP もう一度高く JUMPするよ

そうすれば、この世界が以前の苦しい時代よりも深刻な闇に陥ることを心配せずに済むのではないでしょうか。
子供の頃のような前向きな気持ちで満たされ、再びそのような心境に戻れる気がします。

何が起こってるのか 誰にもわからない
いい事が起こるように ただ願うだけさ

現在、世界の動向はまだ十分に理解されていない部分が多いですが、私は悲しみや怒りに囚われている人々が減少し、その代わりに喜びと楽しさに包まれる人々が増えることを望んでいます。

眠れない夜ならば 夜通し踊ろう
ひとつだけ多すぎる朝
うしろをついてくる

悩むこと自体は決して悪いことではありません。
私も同じように悩んでいます。
ただ、悩むだけでは何も進展しないことを理解しています。
今はまだ暗闇の中にいて、心細いかもしれませんが、だからこそ共に取り組んでみましょう。
太陽は必ず再び昇ってくるものですから。

Oh 忘れられないよ 旅に出よう
Oh もしかしたら君にも会えるね

「ここにとどまり続けなさい」という言葉がずっと続いた場所から、勇気を振り絞って前進すれば、これまで経験したことのない素晴らしい景色が広がるに違いありません。
自分たちの足で地に足をつけ、歩みを進めれば、確実に同じような道を歩む本物の友達に出会えるでしょう。
私はそうした予感を感じています。

JUMP 夜が落ちてくるその前に
JUMP もう一度高く JUMPするよ

それならば、この世界が過去の困難な時代よりも深刻な闇に沈むことを避けることができるかもしれません。
子供の頃のように、前向きな気持ちで満ち溢れ、再びそのような心境に戻ることができるかもしれないと感じています。

世界のど真ん中で
ティンパニーを鳴らして
その前を殺人者が パレードしている
狂気の顔で空は 歌って踊ってる
でも悲しい嘘ばかり 俺には聞こえる

いたるところで現在も戦争が続いていることは把握しています。
戦争を引き起こしている人々は「正義の名のもと」「平和のため」と主張していますが、私たちはその主張が虚偽であることを理解しています。
そのため、そのような言葉や人々に対しては、もはや欺かれることはありません。

Oh くたばっちまう前に 旅に出よう
Oh もしかしたら君にも会えるね

気持ちが萎えてしまいそうな心、自分が誠実でない方向に向かいそうな誘惑に負けかけている自分を、今こそ奮い立たせて、長らくとどまってきた場所から共に一歩踏み出してみませんか?
自分たちの足で地に足をつけて歩みを進めれば、確実に同じような道を歩む本物の友達に巡り会えるでしょう。
私はそうした予感を感じています。

JUMP 夜が落ちてくるその前に
JUMP もう一度高く JUMPするよ

未知の暗闇へと続く「ここにとどまりなさい」という言葉が続いている場所から、今こそ勇気を振り絞って離れてみましょう。
子供の頃のような前向きな気持ちで心を満たしていきましょう。

JUMP 夜が落ちてくるその前に
JUMP もう一度高く JUMPするよ

その結果、この世界が過去の不幸な時代よりも一層暗黒的な社会に落ち込むことは避けられるでしょう。
子供の頃のような前向きな気持ちで心を満たし、きっと再びそうした状態に戻れると私は信じています。