【ドロップ/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT】歌詞の意味は?楽曲全体の批評と考察。

伝説のロックバンド

2003年に解散した伝説のロックバンドTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)。
その解散ライブの第1曲目に演奏された本作は、豊田利晃監督、松田龍平主演の映画『青い春』のエンディングテーマとしても使われており、イントロのギターリフの雰囲気、ボーカルのチバユウスケ氏の声質が非常に映画の世界観とマッチしている。

5thアルバムの「CASANOVA SNAKE」のラストに収録されており、ファン人気も高い名曲である今作。
そんな名曲の「ドロップ」を歌詞の意味も紐解きながら解説したい。

抽象的で一定に見える歌詞とその裏の考察

ぶらぶらと

夜になる

ぶらぶらと

夜をゆく

じりじりと

夜になる

じりじりと

夜をゆく

神の手は

にじむピンク

ぶらぶらと

夜になる

ぶらぶらと

夜をゆく

なめつくした

ドロップの気持ち

じりじりと

夜になる

じりじりと

夜をゆく

神の手は

にじむピンク

(ドロップの ドロップの

ドロップの ドロップの)

「ぶらぶらと夜になる」というのは作詞をしたチバユウスケ氏の心境を良く表している。
音楽の世界で過ごしている中で、勢いのある朝から次第に静寂な夜になっていく。

「ぶらぶらと夜をゆく」そんな夜のなかを「ぶらぶらとゆく」という表現をしている作詞者の想い。

チバユウスケ氏はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT解散後もいくつかのバンドを牽引しているが、元々、抽象的な歌詞しか書けないわけではなく、あえてそういった表現をしているアーティストである。

一見、抽象的に見える歌詞でも、隠された意味があると考える方が自然である。

「ぶらぶらと」夜に近づいて歩いた後は、「じりじり」と夜になっていく。

次第に景色が変わり、見える景色は「神の手はにじむピンク」。
滲んで見えていく現実。

ロックバンドとして一時代を築き、隆盛を誇る中で忍び寄る終わり。

実際に本バンドは、しばらく後に解散してしまうのだが、前述のように解散ライブの頭に持ってこられたのは意図的であるとファンの中では推察されている。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTは時期によってバンドの雰囲気や楽曲性に違いが顕著にみられる。
もちろん全体を通してのバンドとしての芯はブレていないが、初期、中期、後期で音楽性は変わっている。

実際に7thアルバムのSABRINA HEAVENは今までとは大きく違う方向性を打ち出しており、そのこと自体は悪いことではないのだが、その後の解散という結果だけを見れば、思った方向にいかなかったのではないかと推測できるのではないか。

そういった背景を考慮した上で、「なめつくしたドロップの気持ち」という言葉の意味が透けて見えてくる。

朝から夜へ

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTにはキャンディ・ハウスというシングル曲がある。

これはメジャーデビュー後の2thシングルでリリースされた曲で、ドロップとキャンディで近い表現であるが、当時のキャンディ・ハウスの歌詞との対比が印象的だ。

「これくらいのつぶ するり飲み込んで」と、するりとキャンディを飲み込んでいる当時の心境に比べ、「なめつくしたドロップの気持ち」と記した時の気持ちの変化はまさにドロップの歌詞の朝から夜への変化、夜がじりじりと迫ってくる、というフレーズをわかりやすく表現していると言える。

さらに、キャンディ・ハウスでのフレーズで「ブーツの底に水色のキャンディがへばりついている」という表現がある。

こちらも色々な感情しがらみも、ブーツの底に踏みつけて進んでいく、という勢いや気迫が感じられ、より「ドロップ」での短いながらも凝縮されたフレーズの意味合いが色濃くなっている。

最後のシングル曲「エレクトリックサーカス」にこんなフレーズがある。
「俺たちに明日が無いってこと はじめからそんなのわかっていたよ」。

解散、という結末を知っているがゆえに、また違った感覚で「ドロップ」を楽しんで貰えると思う。

メンバーの特徴からの曲の考察

特徴的なロックボイスを持つチバユウスケ氏の叫びともいえる魂の言葉が、よりこの曲の迫力や説得力を増大させる要因となっているのは間違いない。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTというバンドを全く知らずに、初見でこの曲だけを聞くと、歌詞が一定であることと、曲調もガレージロック・パブロックではあるもののシリアスよりで一見単調に聞こえるため、良さが伝わりにくい。

ギターのアベフトシ氏(故人)のギターとアンプのみのエフェクター等を使わない硬派すぎる音作りや日本歴代でも有数のテクニック。

ドラムがメインなのではないかと思えるほどのシーンもある魂のドラム。

目立たないが、バンドのコアとなる安定したリズムを刻み続けるベース。

全てが混ざり合い、この曲の焦燥感のようなアウトローのような雰囲気を醸し出している。

ライブを主とする本物のロックバンド

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTはいくつもの曲をリリースしているが、本バンドがライブバンドである、というのはファン全ての認識が一致するところであろう。

既に解散をしてしまっており、ギターのアベフトシ氏が亡くなられている現在、直接その復活を見ることは叶わないが、本作「ドロップ」に関しても是非、ライブ映像を見て、その魂の籠った「本物の」ロックバンドを体験してほしい。

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