WurtSの「クールじゃない?」、一度聴くとあのサビが頭から離れなくなりますよね。
でも、歌詞をよく読むと「恋愛ソング」で終わらない、WurtSらしいひねりとほろ苦さがぎゅっと詰まっています。
この記事では、**「wurts クールじゃない 歌詞 意味」**と検索してきた方に向けて、
- 曲の基本情報
- 歌詞全体のテーマ
- Aメロ・サビごとの意味
- ポップカルチャー引用の意図
- EP『BACK』やファン参加企画との関係性
まで、まとめて丁寧に解説していきます。
- 『クールじゃない?』はどんな曲?リリース情報とWurtSらしいサウンドの特徴
- 『クールじゃない?』歌詞の意味を一言で言うと?──“クールぶる僕ら”へのアンチテーゼ
- Aメロ前半の歌詞考察|「マーメイド」と「スキャンダラス」が示す恋の始まり
- Aメロ後半〜Bメロの歌詞解釈|「夢見るボーイ/ガール」とヒーロー願望の裏側
- サビ「That’s クールじゃない?」の意味とは?本音と強がりが交差するキラーフレーズを分析
- 2番歌詞の意味を深読み|「あのシンガー」「ディープな夜明け」が示す憧れと現実逃避
- 英語フレーズ&ポップカルチャーへのオマージュ|「ロミオ&ジュリエット」「ファッションショー」が描く非日常感
- ファン参加型企画とEP『BACK』『エヴォリューション』との関係から見る『クールじゃない?』の位置づけ
- まとめ|クールじゃない僕らのためのポップ・アンセムとしての『クールじゃない?』
『クールじゃない?』はどんな曲?リリース情報とWurtSらしいサウンドの特徴
「クールじゃない?」は、WurtSが2023年10月4日に配信したデジタルEP『BACK』の収録曲のひとつです。
EP『BACK』には、
- ユートピア
- クールじゃない?
- NERVEs (Vol.2)
- BACK
という4曲が収録されていて、「クールじゃない?」はEPの中でも特にポップでキャッチーな位置づけのナンバーになっています。
サウンド面では、
- きらびやかなシンセ
- 軽やかなギターリフ
- ダンサブルな4つ打ちビート
- どこかボカロ的なハイテンポ感
が組み合わさっていて、WurtSの代表的な曲たちと同じく“踊れるポップス”としての魅力が強い楽曲です。
一方で歌詞に耳を澄ませると、ただ浮かれたラブソングというより、
「クールに振る舞いたいのに、結局ださいくらい恋に振り回されてしまう僕ら」
という、感情に正直すぎる人間味が描かれています。このギャップこそが、「クールじゃない?」の一番の“クールさ”とも言えるポイントです。
『クールじゃない?』歌詞の意味を一言で言うと?──“クールぶる僕ら”へのアンチテーゼ
歌詞全体をざっくり一言でまとめると、
「なかったことにできるほど器用じゃない、クールじゃない僕たちのラブソング」
です。
今の時代って、SNSでも人間関係でも「淡々としている」「依存しない」「冷静でいる」ことが“かっこいい”“クール”とされがちですよね。
でもこの曲の主人公は、
- 相手のことを忘れたあとの世界なんて考えたくない
- 理屈では分かっていても、会いに行き続けてしまう
- ちょっとドラマチックすぎるくらい相手を特別視してしまう
そんな“熱すぎる”感情を、あえてポップに歌い上げています。
WurtS本人はインタビューで、「正解を押し付ける歌詞ではなく、考えられる余地のある歌詞を書きたい」と話していて、何でも肯定していこうというスタンスを示しています。
「クールじゃない?」というタイトルも、
- “それってクールじゃなくない?”と自分を茶化している
- “それでもいいよね?”という開き直り
この両方のニュアンスを含んだ、WurtSらしいアンチテーゼとして機能していると考えられます。
Aメロ前半の歌詞考察|「マーメイド」と「スキャンダラス」が示す恋の始まり
Aメロ冒頭では、おとぎ話のような「マーメイド(人魚)の恋」のイメージと、
「スキャンダラス」という言葉が組み合わさって描かれます。
ここには、
- 純粋でロマンチックな“物語の始まり”のような恋
- でもどこか禁じられた、危うい香りのする関係
という二面性が込められているように読めます。
「物分かりはいいのに、結局会いに行ってしまう僕ら」という描写からは、
- 頭では“やめておいた方がいい”と分かっている
- それでも感情が勝ってしまい、相手に惹かれてしまう
という、理性と本能の葛藤が見えてきます。
この時点で主人公は、「クールな自分」でいようとするけれど、
“クールぶっていられないほど、その人に夢中”
という状態にすでに陥っていて、そのアンバランスさが後のサビの「クールじゃない?」につながっていきます。
Aメロ後半〜Bメロの歌詞解釈|「夢見るボーイ/ガール」とヒーロー願望の裏側
Aメロ後半〜Bメロでは、**「夢見るボーイ」「夢見るガール」**というフレーズが登場します。
このパートでは、
- 君だけのスーパーヒーローでありたい“僕”
- 僕だけの“特別な存在”でいてほしい“君”
という、互いに依存し合うような理想像が描かれます。
一見すると甘いラブソングの王道表現ですが、
- 「君だけのヒーローでいたい」という自己陶酔
- 「自分だけのものにしたい」という独占欲
といった、少し危うい感情も透けて見えるのがポイントです。
また、「少し解き放って」「愛想なく笑って」といった表現からは、
- 相手を救ってあげたい
- でも実は、自分の欲求を満たすための“ヒーローごっこ”かもしれない
というアイロニーも感じられます。
WurtSの歌詞は、ロマンチックな言葉の裏に、**“どこか冷静に自分を俯瞰している視線”**が隠れていることが多く、「クールじゃない?」もその典型と言えるでしょう。
サビ「That’s クールじゃない?」の意味とは?本音と強がりが交差するキラーフレーズを分析
サビで何度も登場するのが、印象的なフレーズ**「That’s クールじゃない?」**。
ここには少なくとも3つの意味合いが重なっていると考えられます。
- 自己ツッコミとしての「クールじゃない」
- 相手にここまで執着している自分
- 何億光年先みたいな距離や時間を誇張してしまう自分
そんな自分の“だささ”を、ちょっと笑い飛ばしている感覚。
- 価値観への問いかけとしての「クールじゃない?」
「誰も知らない星」「レールの上のBest Place」といったイメージが並ぶサビは、
世間のルールや常識からずれた場所で、2人だけの世界を作ろうとする描写にも見えます。 - “それもクールでしょ?”という開き直り
直訳すると「それ、クールじゃない?」=「むしろ、それで良くない?」という反転も含まれていて、
「感情に振り回されることだって、十分にクールだ」と肯定しているようにも受け取れます。
表面的には軽くてキャッチーなサビですが、
「感情を切り捨ててクールに生きるのが正解、って本当にそう?」
と、リスナーに価値観を問いかける仕掛けになっているのが、この曲の面白いところです。
2番歌詞の意味を深読み|「あのシンガー」「ディープな夜明け」が示す憧れと現実逃避
2番に入ると、**「あのシンガーが歌っていた」「何億光年」「今世紀最大の」**といった、どこか誇張されたラブソング的なワードが並びます。
ここは、
- 過去に聴いてきた恋愛ソング
- 映画やドラマのような過剰にドラマチックな表現
に自分たちの恋を重ね合わせているパートだと読めます。
「君のことを忘れた後の世界に用はない」というフレーズは、
かなり依存度の高い、危ういまでの愛の言葉ですが、その“やりすぎ感”こそがポイント。
- 本気でそう思っている部分もある
- 同時に、“そんなこと言っちゃう自分、クールじゃないな”とも分かっている
という、二重構造になっているように感じられます。
また、「ディープな夜明け」という表現からは、
- 二人で過ごした濃密な時間
- もう戻れない関係性の深さ
などが連想され、“軽い恋”ではなく、かなり本気でのめり込んでいる様子が見えてきます。
英語フレーズ&ポップカルチャーへのオマージュ|「ロミオ&ジュリエット」「ファッションショー」が描く非日常感
サビの後半に出てくる、
- ロミオ&ジュリエット
- ドレスで街を着飾って
- 二人でキメるファッションショー
といったイメージは、まさにポップカルチャー的・映画的な恋愛像の象徴です。
ここでは、
- 禁じられた恋の代名詞「ロミオとジュリエット」
- ファッションショーのように“見せるための恋”
- 夜の街をランウェイのように歩く二人
という、現実より少し脚色されたラブストーリーが描かれています。
一方で、英語のフレーズ「Don’t Waste Days」「Best Place」「Cool?」などが挿し込まれることで、
- 海外のポップスや洋画の影響
- グローバルなポップカルチャーへの憧れ
が強く感じられ、WurtSらしい“映画・エンタメ感のある世界観”へとつながっています。
ただし、これらのキラキラした引用は、決して“完璧な恋愛”を描くためだけに使われているわけではありません。
むしろ、
「ここまでしないと気持ちのやり場がないくらい、君の存在が大きい」
という、恋に振り回される自分の滑稽さを強調するための“過剰表現”になっているようにも読めます。
ファン参加型企画とEP『BACK』『エヴォリューション』との関係から見る『クールじゃない?』の位置づけ
「クールじゃない?」は、SNSでファンから募集した“お題”をもとに完成した楽曲であり、さらにリリース時には「“クール”な写真」を集めてスペシャルムービーを制作する企画も行われました。
この企画では、
- ハッシュタグ「#クールじゃない」を付けてXやInstagramに投稿された写真を
- WurtS本人とスタッフがピックアップし
- 協力者の名前(ニックネーム)を映像のクレジットにも掲載する
という、ファンと一緒に「クールじゃない?」の世界を作る取り組みが行われています。
さらに、EP『BACK』全体を見てみると、
- 「ユートピア」…MAPPA公式YouTubeチャンネル100万人記念ムービーのテーマ曲
- 「NERVEs (Vol.2)」…WurtSの代表曲のひとつとして位置づけられている
- 「BACK」…EPタイトル曲
といったラインナップの中に、「クールじゃない?」が並んでいます。
この配置から考えると、「クールじゃない?」は
- “ユートピア”のような理想世界
- “NERVEs”のような高揚した神経(ナーヴ)
- “BACK”というタイトルが示す、振り返りや反転
といったキーワードの中で、“感情に振り回される等身大の自分”を象徴する1曲として機能していると解釈できます。
つまり、『BACK』というEPの中で「クールじゃない?」は、
「理想やヒーロー像ではなく、クールじゃない自分も含めて肯定しよう」
というメッセージを担う、重要なピースになっているのではないでしょうか。
まとめ|クールじゃない僕らのためのポップ・アンセムとしての『クールじゃない?』
ここまで、「クールじゃない?」の歌詞をパートごとに見てきました。
改めて整理すると、この曲は
- おとぎ話のようなマーメイドの恋+スキャンダラスな空気で、危うい恋の始まりを描き
- 「夢見るボーイ/ガール」やヒーロー願望の裏にある独占欲や自己陶酔をチラ見せしつつ
- サビで「That’s クールじゃない?」と、自分自身の“だささ”を茶化しながらも肯定し
- ロミオ&ジュリエットやファッションショーなどの引用で、現実と非現実の境目を揺らし
- EP『BACK』やファン参加型企画の文脈の中で、“等身大の僕ら”の感情をすくい上げる
そんな、「クールじゃない僕ら」のためのポップ・アンセムになっています。
WurtS自身が語るように、彼の歌詞は「これが正解だ」と断定するのではなく、
リスナーに考える余地を残してくれます。
だからこそ、
- 恋に依存しすぎてしまう自分
- なかったことになんてできない過去
- クールに振る舞えない弱さ
そういったものを抱えている人ほど、「クールじゃない?」の歌詞に自分を重ねてしまうのかもしれません。
あなたは、この曲の「クールじゃない?」をどう受け取りましたか?
ぜひ、自分なりの“クールじゃなさ”と照らし合わせながら、もう一度じっくり聴いてみてください。

