MY FIRST STORYの代表曲のひとつ「MONSTER(モンスター)」。激しいサウンドと強烈な歌詞が特徴的なこの楽曲は、ただの“カッコいいロックナンバー”にとどまらず、深いテーマとメッセージが込められています。
この記事では「MONSTER」の歌詞に隠された意味や象徴、表現技法、そして聴き手に訴えかけるメッセージについて、徹底的に掘り下げていきます。
「MONSTER」の歌詞構成と全体のあらすじ
「MONSTER」は、英語と日本語を巧みに組み合わせた構成で、Aメロ→Bメロ→サビというオーソドックスな展開をとりながらも、メッセージ性の強い言葉が連なっています。
- 冒頭の英語パートでは、過去の後悔や葛藤が暗示され、主人公の内面が垣間見える。
- 日本語パートに入ると、自責の念や怒り、そして“monster”という象徴が前面に出てきます。
- サビでは「monster」としての自己、あるいは他者への怒りが爆発的に表現されており、ラウドなサウンドとともに感情が解放されるような印象を与えます。
- ブリッジ部分では静寂と緊張感が交錯し、感情のピークへと導く役割を果たしています。
このように、歌詞の構成は感情の段階的な高まりとリンクしており、聴く者に強い没入感を与えます。
「monster」「guilty monster」が象徴するもの/比喩表現の意味
「MONSTER」という単語がこの曲の象徴的なキーワードですが、その意味するところは単純な“怪物”ではありません。
- 「monster」とは、自分自身の中に潜む“醜い感情”や“過去の罪”を指していると考えられます。
- 特に「guilty monster(罪を背負ったモンスター)」という表現は、自分の中にある後悔や罪悪感が具現化した存在。
- 他者からの攻撃や抑圧によって“monster”にならざるを得なかった…という被害者意識と自己防衛が入り混じった心理が描かれています。
- 同時に、monsterは“社会が作り出した存在”とも取れ、周囲の価値観や暴力によって変わり果てた自己を象徴しているとも解釈可能です。
比喩的な表現により、リスナーは自分自身の経験や感情を投影しやすくなっており、非常にパーソナルな楽曲ともいえるでしょう。
罪悪感・抑圧・自己否定:歌詞に現れる葛藤とテーマ
「MONSTER」の歌詞全体を通して浮かび上がるのは、自己への否定と葛藤、そして“自分は正しいのか”という問いです。
- 「俺のせいで全てが終わる」といった自己否定的な表現が、内なる不安や後悔を象徴。
- 「誰もが傷を抱えている」「お前が俺をmonsterにした」といった歌詞から、抑圧される側の痛みと怒りが読み取れます。
- 葛藤の中心には“正しさ”の価値観があり、自己と他者の間でゆがんだ関係性がテーマになっています。
この曲は単なる怒りの表現ではなく、深い悩みや精神的な苦しみと向き合う姿勢を内包しているのです。
「お前」「公開処刑」「執行猶予ゼロ」など過激な表現の意図と効果
歌詞中には、非常に直接的で攻撃的な言葉が散りばめられています。例えば:
- 「公開処刑」や「執行猶予ゼロ」といったワードは、聴き手に強烈な印象を与えつつ、抑圧された者が抱える“極限状態”を示唆しています。
- こうした過激表現は、ただショッキングなだけでなく、社会への怒りや人間関係における極端な不公平さを強調する装置として機能しています。
- 「お前」という二人称の使い方も特徴的で、特定の相手を責めるというよりも、“攻撃的な社会”そのものに対する象徴とも読み取れます。
これらの表現により、楽曲は一気に現実味と切迫感を増し、聴き手の感情を強く揺さぶるものとなっています。
この曲がファン/聴き手に伝えたいメッセージと読み取りの余地
「MONSTER」は単に暴力的な表現を用いたアグレッシブな楽曲ではありません。根底にあるのは、**“心の叫び”と“許されたいという願望”**です。
- 傷つき、怒り、壊れてしまった者が「それでも前に進むべきか」を問う、内省的なメッセージが感じ取れます。
- 自分をモンスターに変えてしまった世界への問いかけは、聴く人にとっても「自分は加害者か被害者か」を考えさせる機会になります。
- また、「誰かの言葉や価値観によって自分を見失っていないか」という警鐘とも受け取れるでしょう。
この楽曲が人々に響くのは、ただの怒りや悲しみではなく、それらを“超えて行こうとする力”を歌っているからなのです。
まとめ:心の闇を曝け出すリアルなメッセージ
MY FIRST STORYの「MONSTER」は、単なるラウドな楽曲ではなく、罪と怒り、葛藤を抱える人間の内面を鋭く描いた作品です。
自分自身や社会との対立を描きながらも、その中で“どう生きるか”を問う、非常に人間的で普遍的なテーマが込められています。
感情のままに叫び、誰かに届くことを願うようなこの曲は、あなた自身の心にも何かを響かせてくれるかもしれません。