ねぐせ。の「織姫とBABY feat. 汐れいら」は、七夕の織姫と彦星の物語と、スマホ越しに続く“現代の恋愛”を重ね合わせたデュエットソングです。2025年6月18日に配信リリースされて以来、「あざとくて何が悪いの?」のエンディングやTikTokのデュエット動画をきっかけに、一気に広く知られるようになりました。
歌詞をよく読むと、ただのラブソングではなく、「両思いなのに距離や状況が邪魔をするふたり」が、それでも未来を信じて手を伸ばそうとする姿が、甘さとほろ苦さのバランスで描かれています。この記事では、タイトルの意味から歌詞全体のストーリー、Aメロ・サビの解釈、デュエットならではの表現まで、順番に深掘りしていきます。
- ねぐせ。「織姫とBABY」とは?リリース情報と楽曲の基本プロフィール
- タイトル「織姫とBABY」に込められた意味|七夕伝説×現代恋愛のダブルイメージ
- 歌詞全体のあらすじ|遠距離恋愛の“両思いなのに会えない”ラブストーリー
- Aメロ・Bメロの歌詞の意味|会えない時間が生む不安とすれ違い
- サビの歌詞の意味|「織姫とBABY 彦星とばいびーして」に滲む本音と願い
- デュエット構成と汐れいらの役割|二人の声が描く“恋の対話”
- 七夕モチーフから読み解くメッセージ|制約のなかで「いつか一緒に暮らそう」を信じるということ
- TikTokでバズった理由|デュエット仕様のメロディと共感度の高い歌詞の魅力
- ねぐせ。「織姫とBABY」歌詞の意味まとめ|会えない時代を生きる恋人たちへのエール
ねぐせ。「織姫とBABY」とは?リリース情報と楽曲の基本プロフィール
「織姫とBABY feat. 汐れいら」は、ねぐせ。が2025年6月18日に配信リリースしたデジタルシングル。ねぐせ。としては初めてゲストミュージシャンを迎えたコラボ曲で、シンガーソングライター・汐れいらがボーカルだけでなく、作詞作曲にも参加しています。
楽曲のテーマは、七夕の“織姫と彦星”のロマンチックな物語と、現代の恋愛模様。公式の紹介文でも「七夕の物語と現実の男女模様を織り交ぜた男女ツインボーカル曲」と説明されており、物語性の強い歌詞と、男女の掛け合いが大きな特徴になっています。
さらに、テレビ朝日系バラエティ「あざとくて何が悪いの?」7月クールのエンディングテーマに起用され、深夜の恋愛バラエティと相性抜群の“ちょっとあざとくて切ない”ムードで話題に。TikTokではデュエット機能を使った歌ってみた動画が多く投稿され、「歌声を重ねて完成する曲」としても人気を集めました。
タイトル「織姫とBABY」に込められた意味|七夕伝説×現代恋愛のダブルイメージ
タイトルにある「織姫」はもちろん七夕伝説のヒロイン。一方、「BABY」は恋人を呼ぶときの甘い呼称であり、同時に“幼さ・未熟さ”も感じさせる言葉です。
つまり「織姫とBABY」という並びには、
- 伝統的・ロマンチックな“星空の恋人”
- まだ関係が固まりきっていない、どこか幼い現代のカップル
という二つのイメージが重なっています。
公式インタビューでも、タイトルに最初に「織姫とBABY」という言葉が立ち上がり、そこから「七夕」「愛し合っているのに会えない物語」「いつか一緒に暮らそうね」という連想で、ストーリーが膨らんでいったと語られています。
また、サビに出てくる「織姫とBABY 彦星とばいびーして」というフレーズは、“伝説通りのペアリング(織姫×彦星)から、現代の私たちの恋(織姫×BABY)へと組み替える”ようなニュアンスを持ちます。決められた運命の組み合わせを一度解体し、自分たちの意志で相手を選び直す――そんなちょっと反則気味で、でもロマンチックな宣言にも聞こえます。
歌詞全体のあらすじ|遠距離恋愛の“両思いなのに会えない”ラブストーリー
歌詞全体を通して描かれているのは、「好き」な気持ちは確かにあるのに、距離や環境のせいでなかなか会えないふたりの物語です。
- 連絡を取り合っているのに、会う予定はなかなか立たない
- 「付き合おう」と口に出せないまま、曖昧な関係が続いている
- 会えない寂しさから、ときどき素直じゃない態度を取ってしまう
ナユタスや個人ブログでの歌詞考察でも、この曲が「遠距離恋愛」や「物理的・時間的な距離」がある恋をモチーフにしていると読み解かれています。
それでも二人は、「いつか一緒に暮らそうね」という未来の約束に希望を託しながら、今日もスマホ越しに言葉を交わします。七夕で年に一度だけ会える織姫と彦星のように、「会えない時間も含めて、それでもあなたを想っていたい」というスタンスが、一貫したテーマになっています。
Aメロ・Bメロの歌詞の意味|会えない時間が生む不安とすれ違い
Aメロでは、日常の具体的なディテールが次々と出てきます。
夜、スマホの画面をじっと見つめて、送るか送らないか迷うメッセージ。既読・未読に一喜一憂する感覚。会えない時間が長くなるほど、ちょっとした返信の間隔やスタンプ一つに、過剰に意味を読んでしまう――そんな現代的な恋のギクシャクがリアルに切り取られています。
Bメロになると、そのモヤモヤの正体が少しずつ言語化されていきます。
- 「この距離感で、本当に付き合っていいのかな」
- 「期待させてしまったら、相手を縛ってしまうかも」
- 「自分ばかり好きだったらどうしよう」
といった不安が、比喩を交えた言葉で表現されます。遠距離という特殊な状況ゆえに、“スタートを切ること”自体が怖くなってしまう心情が滲んでいる部分です。実際の考察記事でも、「好き」なのに「付き合おう」と言えない繊細な心理が、この部分の核になっていると指摘されています。
サビの歌詞の意味|「織姫とBABY 彦星とばいびーして」に滲む本音と願い
サビで印象的なのが、先ほども触れた「織姫とBABY 彦星とばいびーして」というフレーズ。ここには、二つの感情が同時に込められているように感じられます。
1つ目は、「あなたと私の物語にしたい」という独占欲や本気度。七夕の公式カップルである“織姫と彦星”の組み合わせを、あえて崩してしまうことで、「誰かとの理想の恋」ではなく「今ここにいるふたりの恋」を選び取りたい、という強い願いが伝わってきます。
2つ目は、“現実ではまだそばにいられない”という切なさ。歌詞の中では、銀河や宇宙といったスケールの大きな比喩が使われ、「涙ポロリ宇宙で交信して」といったイメージで、離れていても心はつながっていたいという想いが描かれます。
サビのメロディは少し揺れるリズム感の中で伸びやかに広がり、ねぐせ。らしいキャッチーさと、汐れいらの甘く切ない歌声が交差することで、“拗ね”と“甘さ”の二面性がより強く感じられる構造になっています。
デュエット構成と汐れいらの役割|二人の声が描く“恋の対話”
この曲の大きな特徴が、男女ツインボーカルによる“対話”としての表現です。ねぐせ。のボーカル・りょたちと汐れいらの歌声が、
- 交互にメロディを受け渡すパート
- ユニゾンで一体感を出すパート
- ハモリで感情を膨らませるパート
と、場面ごとに役割を変えながら展開していきます。
りょたちの少し拗ねたような質感の声は、“素直になりきれない不器用さ”を象徴しているよう。一方で汐れいらの透明感ある歌声は、ふんわり優しいけれど芯のある“まっすぐな気持ち”を表現しています。2人の声が重なることで、ひとりの中に同居する矛盾した感情――「会いたいのに、強がってしまう自分」――まで浮かび上がってくるのが面白いところです。
公式インタビューでも、この曲は“ひとりの目線ではなく、ふたりの目線を必要とした”と語られており、まさにデュエットという形式自体が作品のテーマと結びついているといえます。
七夕モチーフから読み解くメッセージ|制約のなかで「いつか一緒に暮らそう」を信じるということ
七夕の物語は、「愛し合っているのに会えない」という引き裂かれた恋人たちの話として知られています。インタビューでも、そのイメージから「だけど“いつか一緒に暮らそうね”と想い合っていること自体が幸せでハッピー」という連想が広がっていったと語られています。
ここが、この曲の大事なポイントです。
この歌は「会えないこと」そのものを嘆いて終わるのではなく、
- 会えない時間も、
- 未来が不安な気持ちも、
- すれ違ってしまう瞬間も、
全部ひっくるめて「それでもあなたと一緒にいたい」と肯定している。遠距離や仕事、学業、家庭環境など、さまざまな“制約”の中で恋をする現代の私たちに、「完璧な状況じゃなくても、信じ合うことはできるよ」とそっと寄り添ってくれるメッセージが込められているように感じます。
TikTokでバズった理由|デュエット仕様のメロディと共感度の高い歌詞の魅力
「織姫とBABY」は、リリース直後からTikTokでも大きな話題を集めました。AWAのまとめでも、2025年8月にTikTokで特に人気を集めた楽曲のひとつとして挙げられています。
バズった理由としては、
- 男女デュエット前提のメロディ構成で、コラボしやすい
- サビのフレーズがキャッチーで、一度聴いたら口ずさみたくなる
- 会えない恋・遠距離恋愛というテーマが、若い世代のリアルと重なる
といった点が大きいでしょう。
また、公式MVでは、高校生の男女が不思議な星に導かれて出会う映像が描かれ、ねぐせ。の演奏シーンと交互に映し出されることで、楽曲の世界観が視覚的にも印象づけられています。
キラキラした電飾や星空のセットは、まさに「七夕ロマンス×青春ラブストーリー」というコンセプトをそのまま映像化したようで、ショート動画との相性も抜群です。
ねぐせ。「織姫とBABY」歌詞の意味まとめ|会えない時代を生きる恋人たちへのエール
まとめると、「織姫とBABY feat. 汐れいら」は、
- 七夕の“織姫と彦星”という古典的な物語と
- スマホ越しに続く現代の恋愛
- 距離や環境に縛られた遠距離恋愛のもどかしさ
を重ね合わせながら、
「それでも、いつか一緒に暮らせる未来を信じたい」
という前向きな気持ちを描いた楽曲だといえます。
“織姫とBABY、彦星とばいびーして”と少し反則気味に願ってしまうほど、大切な誰かがいる。その気持ちを甘くポップなメロディに乗せて歌い上げることで、重くなりがちな遠距離テーマを、どこか温かく、希望のある物語へと変えてくれる一曲です。
遠距離中の人はもちろん、「まだ付き合おうと言い出せていない相手」がいる人が聴くと、自分ごとのように刺さるはず。ぜひ歌詞をじっくり噛みしめながら、あなた自身の“織姫とBABY”の物語を重ねてみてください。


