3月になると、街中や卒業式のシーズンに必ずといっていいほど耳にするレミオロメンの「3月9日」。
「歌詞の意味が知りたくて、“3月9日 レミオロメン 歌詞 意味”で検索した」という方も多いはずです。
一方で、この曲が「卒業ソング」として定番になっているにもかかわらず、歌詞には「卒業」「さよなら」という言葉が一切出てきません。
じっくり読み込んでいくと、卒業だけでなく、結婚や人生のあらゆる“門出”に重なる、とても普遍的なメッセージが浮かび上がってきます。
この記事では、
- 曲が生まれた背景
- タイトル「3月9日」の意味
- 各パートの歌詞の解釈
- 「私」と「あなた」の関係性
まで、音楽好きブロガーとして丁寧に解説していきます。
- 「3月9日」とは?レミオロメンの代表曲と基本情報まとめ
- 実は“卒業ソングじゃない”?「3月9日」が生まれた背景とタイトルの意味
- ドラマ『1リットルの涙』とMVが与えたイメージ──なぜ卒業ソングとして定着したのか
- 1番Aメロ・Bメロの歌詞の意味|「流れる季節の真ん中で」に込められた時間と日常感
- 2番の歌詞の意味|「新たな世界の入口に立ち/1人じゃないってこと」が示す門出と支え合い
- サビ「瞳を閉じればあなたが…」の歌詞解釈|“あなた”という存在がくれる強さと感謝
- 「私」と「あなた」は誰なのか?恋人・友人・家族…多層的に読める関係性を考察
- 「3月9日 レミオロメン 歌詞 意味」から見えるメッセージ|卒業にも結婚にも重なる“新しい始まり”
「3月9日」とは?レミオロメンの代表曲と基本情報まとめ
まずは基本情報から整理しておきましょう。
「3月9日」は、レミオロメンの通算3枚目のシングルとして、2004年3月9日にリリースされた楽曲です。作詞・作曲はボーカルの藤巻亮太。J-POPバンドとしての勢いを決定づけた代表曲のひとつで、後にアルバム『ether [エーテル]』にも収録されています。
同曲は、ドラマ『1リットルの涙』の挿入歌として使用されたことで一気に広く知られるようになり、学校の合唱曲や卒業式の定番ソングとしても定着しました。卒業ソングランキングでは何度も上位に入り、殿堂入り扱いとなったこともあるほどです。
ただし、のちほど詳しく触れますが、「3月9日」はもともと“卒業”のために書かれた曲ではありません。
そのあたりのズレが、「3月9日 レミオロメン 歌詞 意味」というキーワードで多く検索される理由でもあります。
実は“卒業ソングじゃない”?「3月9日」が生まれた背景とタイトルの意味
「3月9日」は、レミオロメンのメンバー3人と親しい友人の結婚式のために書かれた曲だと、藤巻亮太本人がインタビューで語っています。
その友人が結婚式を挙げた日が「3月9日」。
彼はそれを「サンキューの日=“ありがとうの日”」と呼んでいて、その言葉遊びからタイトルが決まったと言います。
さらに、結婚式の曲としてふさわしいように、友人の母親から「縁起の悪い言葉は絶対に使わないように」と言われたこともあり、歌詞からはネガティブな言葉や別れを連想させるフレーズが意識的に排除されたそうです。
つまり「3月9日」は、
- 友人の結婚を祝うため
- 「ありがとう」の気持ちを込めて
書かれた、“結婚ソング”としての側面が強い楽曲なのです。
それでもこの曲が卒業式で歌われるのは、「3月」という季節感と、歌詞全体に流れる“新しい始まり”のイメージが、卒業というタイミングにも自然と重なっていくからだと言えるでしょう。
ドラマ『1リットルの涙』とMVが与えたイメージ──なぜ卒業ソングとして定着したのか
「3月9日」がここまで多くの人に“卒業ソング”として認識されるようになった大きなきっかけが、ドラマ『1リットルの涙』です。
このドラマの挿入歌として、「3月9日」と同じくレミオロメンの「粉雪」が起用され、物語の切なさと相まって、曲のイメージが“青春”や“別れ”と強く結びつきました。
さらに、公式MVでは結婚式のシーンが中心でありながら、冒頭には高校の卒業式のようなシーンが収められており、
「3月9日=卒業式の日」「卒業の季節の歌」というイメージが視覚的にも補強されています。
その結果、
- 歌詞に直接“卒業”という言葉は出てこない
- 元々は結婚を祝うために書かれた曲
にもかかわらず、「卒業ソング」の代名詞のような存在になっていきました。
イメージ先行で誤解される曲は少なくありませんが、「3月9日」の面白いところは、その“誤解”が決して楽曲にとってマイナスではないこと。
むしろ、結婚にも卒業にも、その他の門出にも寄り添えるだけの普遍性を持った歌詞だからこそ、ここまで長く愛されているのだと思います。
1番Aメロ・Bメロの歌詞の意味|「流れる季節の真ん中で」に込められた時間と日常感
1番の冒頭は、
短いフレーズ「流れる季節の真ん中で」から始まります。
この一言で、私たちは一気に“春先のまだ少し肌寒い空気感”の中へ連れて行かれます。
時間は常に流れているけれど、その「真ん中」にいる今、ふと立ち止まって季節の変化を感じている──そんなささやかな日常の一コマが切り取られているようです。
続く歌詞では、
- 日の長さに気づく
- 忙しく過ぎていく毎日
- 「私」と「あなた」で夢を描いていること
が描かれます。
ここにあるのは、「特別なドラマチックな瞬間」ではなく、
**むしろ当たり前すぎて見過ごしてしまいそうな“日常の一場面”**です。
「3月の風に想いをのせて」「桜のつぼみが春へと続いていく」というフレーズも、
- もうすぐ満開を迎える桜
- その手前の“つぼみ”の状態
を描くことで、「これから始まろうとする何か」の予感を丁寧に表現しています。
ここで歌われているのは、
- まだ実現していない夢
- これから開いていく未来
に対する静かな期待感。
卒業式で聴けば「新しい生活への期待」と重なるし、結婚式で聴けば「新婚生活の始まり」とも重なる。
“これから”に向かっているすべての人の背中を、そっと押してくれる描写だと言えるでしょう。
2番の歌詞の意味|「新たな世界の入口に立ち/1人じゃないってこと」が示す門出と支え合い
2番では、より“門出”のイメージが強まります。
特に印象的なのが、
「新たな世界の入口に立ち/気づいたことは 1人じゃないってこと」
という一節。
一般的に「卒業」というと、“別れ”や“終わり”というイメージが強くなりがちです。
しかしこのフレーズは、“新しい世界へ踏み出す”ことをポジティブに捉えながら、
同時に「自分は決して一人ではない」という安心感を描いています。
- 新しい環境に飛び込む不安
- それでも隣にいてくれる誰かの存在
- 自分を支えてくれる人への感謝
これらが、たった数行の中にぎゅっと詰まっています。
さらに、とあるブログでは「新たな世界の入口」は、卒業や結婚など特別な日だけでなく、「今日という日」そのもの、さらには「今この瞬間」もまた“新しい世界の入り口”だと解釈しています。
この読み方に立つと、「3月9日」は
- 人生の転機だけを歌った曲ではなく
- どんな日常の朝にも当てはまる
“毎日を新しいスタートとして生きていくための歌”
としても感じられます。
卒業式でこの曲を聴くとき、生徒たちは新しい学校や社会に向かう“入口”に立っています。
結婚式で流れるとき、新郎新婦は新しい家庭を築く“入口”に立っています。
どんな「入口」にも重なるように作られているからこそ、このフレーズは時代やシチュエーションを超えて響き続けるのだと思います。
サビ「瞳を閉じればあなたが…」の歌詞解釈|“あなた”という存在がくれる強さと感謝
サビの中で、もっとも有名なフレーズはやはり
「瞳を閉じればあなたが…」
という一行でしょう。
瞳を閉じたとき、まぶたの裏に浮かぶ「あなた」の姿。
それは、もう隣にいるとは限らない相手かもしれないし、遠く離れて暮らす誰かかもしれません。
- その人の存在を思い出すだけで強くなれる
- これまで自分を支えてくれたことに、あらためて気づく
そんな心の動きが、続くフレーズで丁寧に描かれています。
ここで重要なのは、
この曲が「あなたがいないと生きていけない」と依存する歌ではない、という点です。
むしろ、
- 自分を強くしてくれた「あなた」への感謝
- そして「自分もあなたにとって同じような存在でありたい」という願い
という、対等で成熟した関係性が表現されています。
だからこそ、このサビは
- 恋人同士の愛情
- 家族への感謝
- 共に歩んだ友人へのリスペクト
など、さまざまな関係性に自然と当てはまります。
卒業式で歌えば「クラスメイトや先生への感謝」にも聞こえるし、結婚式で流せば「パートナーへの誓い」のようにも響く。
誰の中にもいる“かけがえのない誰か”を思い浮かべながら聴きたくなるサビです。
「私」と「あなた」は誰なのか?恋人・友人・家族…多層的に読める関係性を考察
「3月9日」の歌詞の面白さのひとつが、「私」と「あなた」の関係性があえて具体的に描かれていないことです。
- 恋人同士
- 結婚するカップル
- 長年の友人
- 家族
どれとして読んでも、違和感がないような言葉選びになっています。
実際、作られた背景を考えると、モデルになったのは「レミオロメン3人の共通の友人とそのパートナー」です。
しかし、歌詞の中には「結婚」「夫婦」といった直接的な単語は出てきません。
また、ファンの中には、
- 卒業式の日に一緒に帰ったクラスメイトへの想い
- 卒業後、久々に再会した友人とのストーリー
として読む人もいます。
このように、
聞く人が自分の人生を投影しやすい“余白”があることが、「3月9日」が多くの人の“自分だけの思い出の曲”になっている理由だと言えるでしょう。
個人的には、「私」と「あなた」は一つの関係性に限定しなくていいと思っています。
- 学生の頃は「友だち」
- 大人になってからは「パートナー」
- さらに年齢を重ねれば「家族」や「子ども」
と、人生のフェーズによって“あなた”の顔が変わっていく曲。
それこそが、何年経ってもこの曲を聴き返したくなる理由なのではないでしょうか。
「3月9日 レミオロメン 歌詞 意味」から見えるメッセージ|卒業にも結婚にも重なる“新しい始まり”
ここまで見てきたように、「3月9日」は
- 友人の結婚を祝うために書かれた曲でありながら
- ドラマやMVの影響で“卒業ソング”としても強く愛されるようになり
- 歌詞の中には「新たな世界の入口」「1人じゃない」というポジティブなキーワードがちりばめられている
という、とてもユニークな成り立ちを持った楽曲です。
「3月9日 レミオロメン 歌詞 意味」というキーワードで検索してくる人の多くは、
- 卒業式でこの曲を歌った・聴いた
- 結婚式で流した・これから流したい
- 3月になると無性にこの曲が聴きたくなる
といった、自分だけのエピソードを持っている人だと思います。
この曲が伝えてくれる一番大きなメッセージは、とてもシンプルです。
時が流れても、
新しい世界に踏み出すときも、
あなたは1人じゃない。
あなたを強くしてくれた“誰か”が必ずそばにいたし、
これからも、あなた自身が誰かを支える存在になっていける。
卒業式にも、結婚式にも、転職や引っ越しにも、
「3月9日」はいつだって静かに寄り添ってくれます。
この記事を読み終えたら、ぜひもう一度、フルで歌詞を味わいながら「3月9日」を聴いてみてください。
きっと、過去の自分と、その時隣にいてくれた“あなた”の顔が、少しだけ違って見えるはずです。


