【夢で逢えたら/銀杏BOYZ】歌詞の意味を考察、解釈する。

銀杏BOYZはデビュー以来、情熱的なステージでファンを魅了しています。
特に「夢で逢えたら」という名曲の歌詞について考察してみましょう。

思春期のリアルな部分

「夢で逢えたら」は、純粋な恋愛の感情を描いた曲です。
峯田和伸はライブのトークで語っていますが、学生時代から女性とのコミュニケーションが苦手だったそうです。
そのため、理想の女性像を妄想することで恋愛に対する幻想が育まれたのかもしれません。
この純粋さが、銀杏BOYZの魅力の一つだと思います。
それでは、「夢で逢えたら」の歌詞を詳しく見ていきましょう。

君の胸にキスをしたら君はどんな声だすだろう
白い塩素ナトリウム 水色の水着を溶かすなよ
君を乗せた宇宙船が夕暮れの彼方へ消えて
光るプラネタリウム いっそのこと僕を吸いこんでよ
君に彼氏がいたら悲しいけど
「君が好き」だという それだけで僕は嬉しいのさ

この曲の歌詞には、「君の胸にキスをしたら」というフレーズが登場しますが、この歌の主人公はそのような行為はできないでしょう。
実際に、銀杏BOYZの曲にはそのような描写は見られません。
「白い塩素ナトリウム」と「水着」という言葉から、学校の水泳授業の光景が浮かびます。
特に思春期の男の子にとって、片思い中の女の子のスクール水着姿は妄想の対象になるでしょう。
この曲は、童貞の妄想と幻想が膨らんだものであり、最初の2行からそのことが理解できます。
彼はまだ片思いの段階で、相手の女性が好きだと認めることで幸せを感じているのです。
しかし、それ以上の進展を考えることはなく、自分にはその資格がないと思っているのです。
思春期の片思いをこんなにも純粋で美しく表現した曲は、他にあまりないのではないかと思います。

まぼろしみたいなメリーゴーランド
一瞬が永遠に感じて
僕の汗のにおいが君にばれたような気がした

君に彼氏がいたら悲しいけど
「君が好き」だという それだけで僕は嬉しいのさ

夢で逢えたらいいな 君の笑顔にときめいて
夢で逢えたらいいな 夜の波をこえてゆくよ

この曲は、「君」に対する深い想いを抱きながらも、その想いを実際に伝えることができない状況を歌っています。
夢の中で君に会えるだけで、それだけで十分だという切ない恋心が描かれています。
この曲が公開された時、峯田和伸は27歳でした。
このような童貞っぽい雰囲気の曲を歌うのは、その年齢では少し異色かもしれません。
しかし、峯田和伸が持つピュアさがこの曲を成立させているというのが、彼のアーティストとしての魅力です。
銀杏BOYZの曲に心を動かされる10代の若者は多いと思います。
それは、この歌の純粋さや切なさ、そして満たされない感情が、思春期のリアルな部分を映し出しているからだと感じます。