【SOMEDAY/佐野元春】歌詞の意味を考察、解釈する。

1980年に音楽シーンにデビューし、現在まで精力的に活動を続ける音楽界のレジェンド、佐野元春。
彼の代表曲の一つ「SOMEDAY」は今も多くのファンに愛され、名曲として広く知られています。
こちらでは、この素晴らしい楽曲に焦点を当ててみたいと思います!

青春時代のエネルギー

「SOMEDAY」を含む佐野元春の楽曲は、斬新なサウンドだけでなく、英語と日本語が織り交ぜられた散文調の歌詞が人気の秘密でもあります。

彼の楽曲は一つの全体としてのイメージを主眼に置いており、ストーリー的な映像を提供せず、リスナー自身の心にイメージを描かせることが特徴です。

散文体の歌詞は、個々のリスナーの心にあるイメージを照らし出し、それが感動を呼ぶスタイルなのです。

「SOMEDAY」には以下のような一節があります。

手遅れと言われても
口笛で応えていたあの頃
誰にも従わず
傷の手当てもせず、ただ
時の流れに身を委ねて

この歌詞からは、青春時代の一場面が思い起こされます。

「誰にも従わず」そして、受けた傷の手当てもせず。

若かりし日のエネルギーに駆られて突っ走った青春時代、純粋さゆえに傷ついたあの頃。

年齢を問わず、多くの人が共感できるフレーズではないでしょうか。

次の一節も、同様に心に響きます。

窓辺にもたれ 
夢のひとつひとつを
消してゆくのは つらいけど
若すぎてなんだか解らなかったことが
リアルに感じてしまうこの頃さ

~だぜ

いつかは誰でも 愛の謎がとけて
ひとりきりじゃいられなくなる
オーダーリン こんな気持ちに揺れてしまうのは
君のせいかも しれないんだぜ

サビ前の部分では、彼の言葉が巧みに組み込まれ、力強いメッセージが伝わってきます。

佐野元春の巧みなところは、普通の表現の中にも自然なアクセントを加えるところにあります。

特に「~だぜ」というフレーズは、非常にカッコ良く響いて印象的です。

世代を超越する名曲

Someday
この胸に Someday
誓うよ  Someday
信じる心いつまでも Someday

「Someday」は、日本語訳で「いつか」という意味を持ちます。

佐野元春はこの曲で、「いつかきっと…」という希望の言葉として使っています。

2004年にリリースされたアルバム「THE SUN」のツアーでは、アンコールで佐野元春自身が「Someday」について次のように語りました。

「10代には10代、20代には20代…50代には50代の『いつかきっと』があるんじゃないかと最近、思い始めている」

この「Someday」が世代を超えて多くの人に愛される理由は、ここにあるのかもしれません。

大きな夢でも小さな願いでも、人々を支えているのは、明日への希望です。

辛いことや切ないことがあっても、「いつかきっと」という思いが明日につながっているのかもしれません。

この曲は、佐野元春の父に初めて「いい曲だな」と褒めてもらった曲としても知られています。

名曲はやはり世代を超越するものなのだと感じます。