【モットー。/阿部真央】歌詞の意味を考察、解釈する。

「君が本当に望むのは、君自身以外の何かなのか?」という力強いメッセージが込められた楽曲「モットー。」をご紹介します。
この曲は、落ち込んだ時に元気を取り戻したくなるような歌詞が特徴です。

ただ「あなた」という存在が、ここにいるだけでいい

疲れました この場に 疲れました アナタの言葉に
疲れました 嘘つくのに もう無理矢理笑いたくないんだよ
「まぁ、いっか」っておざなりにしてたら何も見えなくなってしまう
自分を知らんぷりするのは楽だけれど 違うだろ?

この曲は、率直な言葉で疲れた状況を歌っており、そのストレートさには驚かされることでしょう。
誰もが時折、コミュニケーションから疲れることがあります。
パートナーに疲れ、友人に疲れ、家族に疲れ、そして配偶者に疲れ……。
しかし、こうした状況でも、ついつい「まぁ、いいか」と自分の感情を抑えがちです。
トラブルを避けて、平和を保とうとするのが普通です。
なぜなら、それが問題を大きくしないための一番の方法だからですね。
しかし、無理に愛想を振りまき、相手をかばうことで、自分自身を見失ってしまうことがあるかもしれません。
他人の感情を気にし、それを乱すことなく過ごすことに専念する一方で、自分の感情は置き去りにしてしまうこともあるでしょう。
しかし、これが本当に必要なことなのでしょうか?
阿部真央は「これでいいのか?」と問いかけます。

ごまかすことに 慣れてしまいたくないから
僕はいつまでも もがき歌い続けている
無理して頑張ったって いいこと何ひとつないから
不器用でいいのさ 見せ続けることがモットー

もちろん、阿部真央も時には状況を読んで行動することがあるでしょう。
しかし、ただ空気を読むだけに過ぎることは、自己を欺き続けることに繋がります。
無理に他人に合わせて頑張り続けることは、持続的ではありません。
やがて、自分自身が心身の健康を損なうことになりかねません。
不器用ながらも、素の自己を受け入れてくれる人との交流が望ましいでしょう。
「不器用な自分」=「素の自分」を率直に表現すれば、それが「モットー。」として反映されると歌っています。
「素の自分」で在ることができれば、自己を欺く必要は減少し、より誠実な人間関係が築けるでしょう。

身削ぎだした 言葉も 「三十路でした」ってさらす言葉も
しぼりだした 生きてく術 そう 君が君で在るための術
比べたがり屋の世間に流され疲れたら またおいで
君が本当に成りたいのは 君以外の 誰だっていうの?

自分を素直に表現することは、勇気を要することですが、本来の自己を受け入れることはストレスを軽減する鍵となります。
人は比較することがあります。
この傾向が、自己評価を下げる最大の要因の一つでしょう。
特に日本社会では、同調圧力が強く、他人と同じであることに対するプレッシャーが大きいことが多いです。
これが多くの人々が心身の健康を損なう原因の一因であることも理解できます。
「君が本当に成りたいのは君以外の誰だっていうの?」という言葉が、深く心に響かないことはありませんよね?
自分自身以外の何者でもないにもかかわらず、自分を否定し、他の誰かになりたいと望むことがあるのです。
この状況は不幸なものであり、絶対に実現不可能な目標を追い求めることになり、最終的には自己崩壊に繋がるでしょう。


生きてるだけで 誰も素晴らしいのに
その色メガネが自分自身を苦しめている
背伸びして造ったって それは君じゃないから
素直でいいじゃない 本当の表情(かお)見せてもっと

「生きているだけで誰も素晴らしい」という歌詞に触れると、つい感極まりそうになります。
「生きているだけで誰も素晴らしい」という言葉は、頭では理解しているつもりでも、心の奥底では納得できていないことがありますね。
自分自身が苦しんでいる原因は、実は自分自身なのです。
他人との比較や、自分を高めようとする欲望が、自身を苦しめている要因の一つです。
他人との比較に囚われてしまうと、終わりのない競争に巻き込まれ、自己肯定感が揺らぐことになります。
上には上がいるという考えが根深く、自分を認めることが難しい状況が続いています。
このように自己否定のサイクルに陥ることは、終わりのない地獄のような状態と言えるでしょう。

胸裂けるような言葉にさらされ 涙こぼれても
忘れないで 君想って 歌う奴だって居る
優等生好きの世間は置いとけ 君が君ならばいい
そこで息をしていてくれるだけで それだけで いいから

「生きているだけでそれが幸せ」という素晴らしい歌詞の内容です。
誰かがあなたのことを思ってくれているということ、あなた自身の存在が認められていることは、本当に幸せなことですね。
比較や競争の要素は存在しません。
「Aさんより優れているからあなたを認める」「Bさんより成功しているからあなたを認める」といった競争的な視点ではなく、ただ「あなた」という存在が、ここにいるだけで認められているのです。

ごまかすことに 慣れてしまいたくないから
僕はいつまでも もがき歌い続けている
無理して頑張ったって いいこと何ひとつないから
不器用でいいのさ 本当の表情(かお)見せてもっと
見せ続けることがモットー

「モットー。」の歌詞を聴いたとき、あなたはどのような感情を抱きましたか?
気分が沈んだり、元気を失ったりしたときに、「モットー。」を聴くことをおすすめします。
おそらく、冷たくなった心が温かくなることでしょう。