【LOVE ROCKETS/The Birthday】歌詞の意味を考察、解釈する。

今回は、The Birthday(ザ・バースディ)の「LOVE ROCKETS」という楽曲の歌詞についてお話しします。

この曲は、2022年12月に公開された映画「THE FIRST SLAMDUNK(ザ・ファースト・スラムダンク)」のオープニング主題歌として使用されました。
この映画は、漫画家の井上雄彦氏が監督・脚本として全面的に関与し、話題を集めました。

驚くことに、この映画のオープニング主題歌をザ・バースディが担当することになりました。
これについては、スラムダンクとザ・バースディとの関連性が不明瞭であるため、多くの人が驚きました。
実際、バンドのメンバーであるチバユウスケ氏は、オファーが来るまでスラムダンクの漫画を読んだことがなかったそうです。

この不思議な結びつきの背後には、井上雄彦氏の音楽的好みが影響している可能性が考えられます。
井上氏は以前からミッシェル・ガン・エレファントやザ・バースディを気に入っており、自身の好みを反映させるためにこのオファーを出した可能性もあります。

私自身も、映画館でこの曲を初めて聴いた際、その疾走感とバスケの試合の始まりを彷彿とさせる調和に感銘を受けました。
ザ・バースディの特有のカッコ良さと、映画内の登場人物たちのクールな雰囲気との相性が素晴らしいと思いました。

歌詞には、『ツバメ』『大統領』『ラタトゥーユ』など、バスケやスラムダンクとは直接関係しない単語が使用されていました。
初めは曲のテーマとの結びつきが見えませんでしたが、じっくりと歌詞を分析することで、重要なメッセージが込められていることに気付きました。

果たして歌詞に意味はあるのか

ツバメ とんがって 愛を撒き散らすロケットになって

ステイション 波止場 どこぞの大統領に喰らわせるんだ

初めて目にした時、この歌詞の意味が明確でないことが印象的でした。特に、
「ツバメ」という単語が急に登場し、「一体何を指しているのだろう?」と疑問に思いました。
しかし、歌詞を進めていくうちに、「ツバメ」がロケットの象徴として使われている可能性が浮かび上がってきました。

例えば、「ステイション 波止場」というフレーズは、ロケットが駅や波止場に到着する様子を描写しているのかもしれません。
そして、「どこぞの大統領に喰らわせるんだ」という部分は、ロケットを大統領の元へ向けて発射するという意味合いを持っているように思われます。
ただ、この時点では、具体的にどの大統領を指しているのかは不明です。


ワルツ 乗っかって ラタトゥーユぶち撒けたみたいに

お前 急降下 この銀河ごと 愛を撒き散らす

この部分もまた、意味が明確でない歌詞が続きますね。
例えば、「ワルツ」や「ラタトゥーユ」といった単語については、特別な深い意味が込められているわけではなく、むしろ語感を重視して選ばれた単語のような気がします。

「お前 急降下」という一節は、ロケットを搭載した爆撃機が急速に降下していく様子を描写しているのかもしれません。
そして、次に続く「この銀河ごと 愛を撒き散らす」というフレーズは、宇宙全体に愛を広げていく意図を持っているのかもしれません。
つまり、この部分では、愛やエネルギーが広範囲に広がる様子を表現しているのかもしれません。


PAST TIME

NO WAY

FUTURE

これは、日本語に翻訳すると、「過去の出来事」「信じがたいこと」「未来」といった意味合いです。
ここから、「過去には信じがたい出来事があったが、それが未来に続いている」といった解釈もできるかもしれません。
しかしながら、依然として明確な意味は掴みきれていないように思えます。


LOVE ROCKETS!  LOVE ROCKETS!

ジェリーの魂を宿って

LOVE ROCKETS!  LOVE ROCKETS!

喰らったら最後 愛まみれ

NO FUTURE

ここで、歌詞には「ジェリー」という名前が登場しますが、これもおそらく語感を重視して選ばれたもので、特別な意味が含まれているようには思えません。

「LOVE ROCKETS」という表現は、日本語に訳すと「愛のロケット」となります。
このロケットが打ち込まれることで、まるで「愛に溢れた」状態になるようなイメージが描かれているようです。
通常のロケットの概念とは異なり、この歌詞では逆のアプローチが取られていますね。

そして、歌詞の終わりに「NO FUTURE」というフレーズが現れます。
この部分は、現代の混迷した時代や未来に対する希望の不足を象徴しているのかもしれません。
これは、現代社会の雰囲気や状況を反映している可能性があります。


LOVE ROCKETS!  LOVE ROCKETS!

喰らったら最後 愛まみれ

FUTURE

最初のサビと同じ部分が再び登場しますが、最初のサビで「NO FUTURE」となっていた部分が、ここでは「FUTURE」と変わっています。

これまでじっくりと聴き込むと、冒頭で触れられた「どこかの大統領」というフレーズが、具体的な指向を持っていることが分かります。
おそらく、この表現は、ロシアのプーチン大統領を指しているのだろうと考えられます。
プーチン大統領は、2023年1月現在でも、ロケット攻撃を行い、その結果多くの犠牲者が出ている状況です。
また、ロシアとウクライナの間で続いている戦争は、2023年1月時点で終結の兆しは見られていない状況です。

この歌詞を通じて、アーティストであるチバさんはおそらく、プーチン大統領に向けて、「無益なロケット攻撃はやめて、愛に満ちた行動を取れ」というメッセージを発信していると思われます。
具体的な歌詞による指摘は、「人々が愛で満たされるようなロケットを打ち込むならば、それは歓迎されるが、命を奪うような攻撃はもう耐えられない」という考えが込められていると解釈されます。

このような深いメッセージが込められた歌詞に接したとき、その意味に思索を巡らせ、世界平和を願うアーティストの心情に触れることができました。
また、歌詞の終盤で「NO FUTURE」ではなく「FUTURE」となる部分には、「現実は暗いが、未来には希望がある」という意味が含まれているように感じます。

理想を音楽に込める

ザ・バースディの楽曲「LOVE ROCKETS」の歌詞の考察を共有しましたが、どうだったでしょうか。
初めて聴いた際は気づかないかもしれませんが、実はこの曲は「世界平和」への深い願いが込められています。
特に、スラムダンクの主題歌として多くの人々に届くこの楽曲に、そんなメッセージが込められていることには感嘆せざるを得ません。
チバユウスケの洞察力と芸術性を感じずにはいられません。

「世界平和」は理想論とされることもありますが、ロックミュージシャンたちは代々このテーマを歌い続けてきました。
そのような理想を音楽に込めることで、聴衆の心に感銘を与えるのです。
理想を歌に託すことがなくなると、ロックの魅力が減少してしまう危惧があります。
こうした背景からも、「LOVE ROCKETS」がさりげないがらに「世界平和」について語っていることに、チバユウスケの真摯なロックミュージシャンとしての姿勢を感じます。

もし、「世界平和」に込められたこの歌詞の意味に気づいていなかった方は、この解析を踏まえて再度楽曲を聴いてみることをおすすめします。
そうすることで、曲が持つ新たな奥深い側面に気付くことができるかもしれません。