【Letter/SHE’S】歌詞の意味を考察、解釈する。

今回、あなたにお勧めしたい楽曲は、「SHE’S」の「Letter」という曲です。

この曲の歌詞を考察しながら、私たちが抱える現実の人間関係について思いを共有します。

それでは、さっそく始めましょう!

「大人になる」とは?

この曲は、男性4人組のピアノロックバンド「SHE’S」によって2020年に発表された曲です。
曲の長さは4分31秒で、実際の曲の尺は4分19秒です。

全体的に穏やかなメロディーラインが特徴で、個々の音が柔らかく重なり合っている印象を受けます。

それはまさに、人と人との絆から生まれる「優しさ」や「温もり」と似た感情ですね。
この曲が思い浮かべさせるイメージは、男性が女性の頭をやさしくポンポンとなでながら、彼女に優しさを示している光景です。

この曲の歌詞は、美しいメロディーに乗せられて表現されています。

詳細に歌詞の意味を考察していきましょう。

それでは、始めましょう!

おかえり もう一人の僕
上手くやれたかい
うん、それなりに
想いは手離したし
我慢するのだって慣れてきた

これでいいはずはない
けど波風はもう立てたくない
汚れた鏡に問いかけて
孤独に蓋をかける

この曲の歌詞は、別れを告げた後に続く日々を思い浮かべることができます。

歌詞では、自分自身を客観的に見つめながら、別れの影響を引きずりながら生活している「もう1人の自分」と対話しています。

自分の心の中で答えを見つけながら、思いを秘めたままにしていく様子が描かれています。

大人になっていくことが
僕を狂わせてるんじゃないかって
思ったりしたもしたけど

大人になっていくことが
君を惑わせてるんじゃないかって
思ったりもしたけど

成長するとは、大人になることとは何なのでしょうか。

私の考えでは、自分の夢を大切に持ち続け、夢を追い求める努力をして、夢が実現した時に喜びを共有するために進んでいく姿勢を示すことだと思います。

時には自分自身を迷わせたり、他人を惑わせたりすることもあるでしょう。

それは、全力で前進している時には気づかないものであり、「自分自身が見えていない」という状態です。

そのような時、最初の歌詞に登場する「俯瞰する自分」とは、自分自身を客観的に見つめている存在のことを指しているのではないでしょうか。

自分自身が見えていない状態で、「上手くやれたかい?」と自問するのは、過去の自分に対して問いかけていることになります。

では、本当の自分はどこにいるのでしょうか?

その答えは、「これでいいはずはない」という部分に示唆されています。

次の章で、その真意について詳しくお伝えします。

近過ぎて見えないモノ

では、1番と2番の歌詞のサビの部分を詳しく見ていきましょう。

僕らは大切な人から順番に
傷つけてしまっては 後悔を重ねていく
それでも
愛したり愛されたいと願っている
あなたを守れるほどの優しさを探している

僕らは信じたい人から順番に
疑ってしまっては 自分を嫌っていく
それでも

触れたくて心の奥へ歩み寄る
あなたを覆い隠すほどの切なさを知りたくて

筆者は、この2つのサビの部分に、この歌が私たちに伝えたい「真意」があると考えています。

前半の部分は、人間の生活や世界の仕組みに関連している「摂理」を表しています。

後半の部分は、その摂理から逃れようとする感情や欲求を表しています。

後悔や自己嫌悪に苦しむ中で、つらい思いを繰り返しながらも、それでも、信じたい、救いたい、愛したいと願います。

大切な人や愛する人の悲しみや苦しみを少しでも理解しようと努力すれば、相手はその場を取り繕うように、本心ではない言動を繰り返してしまうことがあります。

そして、自分自身も傷つきたくないという理由で、その場から身を引いてしまうこともあります。

この状況は、お互いが一見理解しているようでいて、実際には理解しきれていない状態であり、関係性の中で起こる「近すぎて見えないすれ違い」と言えるのではないでしょうか。

近すぎるからこそ見えないものです。

「愛する人の思い」や「真の自分」に気づくことで、自分自身の本当の姿を客観的に見つめようと奮闘しています。

そのような感じですね。

現代社会における人間関係

それでは、大サビの部分を見てみましょう。

僕らは大切な人から順番に
傷つけてしまっては 後悔を重ねていく
それでも
立ち籠める霧の道を進んでいく
あなたを照らせるほどの優しさを探している


探している 知りたくて
探している

「霧の道」という閉塞感漂う社会を生きる自分には、一人ぼっちではないとはっきりと言えるようになりました。

なぜなら、悲しみや苦しみを自分のことのように感じ、手を差し伸べ、一緒に考え、本当の自分に出会うきっかけを作り、支えてくれる人がいることに気づいたからです。

これからも何度も後悔や自己嫌悪を繰り返すかもしれませんが、もう迷わないのです。

支えてくれる人が自分を強くしてくれた分、今度は自分がその人を支え、強くしていきたいのです。

現代社会は「分断の世」とも言われ、特に最近の感染症の影響で、人間関係は想像以上に希薄になってしまっています。

そして、どの時代でも同様ですが、関係性が近ければ近いほど、見えないものが多く存在し、知りすぎて幻滅したり、知らなすぎて嘲笑されることが多いですよね。

しかし、「これでいいはずはない」と言えるのです。

「それでも」お互いの真の思いを知ることは非常に重要です。

支え合うことや心を通わせることが、現代社会における人間関係で欠かせないものです。

この曲の世界観は、4分31秒の物語として、その重要性を私たちに教えてくれています。