【JOY/YUKI】歌詞の意味を考察、解釈する。

JUDY AND MARYのリードボーカルであるYUKI(ユキ)は、アニメ『るろうに剣心』のオープニングテーマ曲「そばかす」の大ヒットによって、その才能が広く知れ渡りました。
彼女は2002年からソロ活動を開始し、その勢いは一向に衰えることがありません。
彼女は数々の名曲を生み出し、その天真爛漫な姿勢によって多くのファンを魅了しています。
彼女の魅力は不思議で掴みどころがないように見えますが、それでも不思議な魅力で人々を引き寄せています。
今回は、彼女の楽曲「JOY」における軽快なPOPの要素を通じて、YUKIの魅力を詳しく探ってみましょう。

楽しさに満ちた歌詞

いつも口からでまかせばっかり喋ってる
イエス、ノー どちらでもないこともあるでしょう
いつだって世界はわたしを楽しくさせて

「いつだって世界はわたしを楽しくさせて」。
私が世界を楽しませるのではなく、世界が私を楽しませてくれるのです。
これらの文は似ているようで異なる意味を持っています。
前者は自己努力によって楽しむことを試みている一方、後者は単純に存在するだけで楽しむことができると感じることができます。
この自信はどこから来るのでしょうか。
この曲では、否定的な言葉でさえも何故か前向きな歌詞として受け取れます。
この時点では、私に向かってくるものはすべて『JOY』、つまり喜びだと主張されているのです。


いつか動かなくなる時まで遊んでね
しゃくしゃく余裕で暮らしたい 約束だって守りたい
誰かを愛すことなんて 本当はとても簡単だ

この部分でも、楽しさに満ちた歌詞が並んでいます。
しかし、これらの浮かれた歌詞を注意深く見ると、その中には喜びが何か虚無感や混沌とした心の状態を反映しているようにも感じられます。
これは本当に心からの喜びなのでしょうか?
それとも、世界と自分をつなぐための手段としての「JOY」なのでしょうか?
次の歌詞を読むことで、その真相の一端が明らかになるかもしれません。

現実と向き合うために創り出された魔法

ずいぶん遠くまで流れ流れてせつないんです
大切な思い出さえ忘れていきそうです
確かな君に会いたい 百年先も傍にいたい
どんなに離れ離れでも ふたりをつなぐ呪文はJ・O・Y

何かと喜びを共有しないと、存在意義が見出せないと言っているのです。
『JOY』は世界とのつながりを築く不可欠なものなのです。
初めて見ると、自己独立していない子供のように思えるかもしれませんが、考えてみると、大人たちだって何かしらに他者への依存があることをよく知っています。

運命は必然じゃなく偶然で出来てる
いつまでたってもわかんない 約束だって破りたい
誰かを愛すことなんて 時々とても困難だ

歌詞には「誰かを愛すことなんて、本当はとても簡単だ」と書かれていたが、「誰かを愛すことなんて、時々とても困難だ」と変わっている。
そう、ふたりをつなぐ呪文「JOY」はいつでも利用可能なわけではないことを示唆している。
陽気で喜びにあふれた楽曲「JOY」。
これは、YUKIがこの現実と向き合うために創り出された魔法のようなものかもしれません。